Ryoyu Kobayashi of Japan seen in Akureyri, Iceland on April 23, 2024.
© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool
スキージャンプ

【飛距離291m!】小林陵侑がスキージャンプ世界最長記録を更新!

スキージャンプは新たな高みへ! 27歳の日本人トップスキージャンパーを文句なしの形で世界の頂点に立たせた一大プロジェクトをチェック!
Written by Tom Ward
読み終わるまで:4分公開日:
小林陵侑は不世出のスキージャンパーだ。寡黙で哲学的だが、野心とハングリー精神も持ち合わせている八幡平生まれの彼は、史上最高のスキージャンパーという肩書きと共に今日限りで現役を引退しても何も問題はなかった。
しかし、小林は明日以降も現役を続行する。なぜなら、今日よりも上を求めているからだ。その “今日” 、つまり2024日4月24日、小林はアイスランドの特製天然ジャンプ台から飛び出し、スキージャンプ世界最長を塗り替えることに成功した。
小林は飛び出してから8秒ほど美しく滑空したあと291m地点に着地し、それまでのスキーフライング / スキージャンプの世界記録を37.5m更新した。それまでの世界記録はオーストリア人ステファン・クラフトの253.5mで、希代の新世代スキージャンパーはその偉大なベンチマークを大幅に上回る結果を残した。
まずは下のクリップで世界記録更新の瞬間を確認しよう!
今回の挑戦は他のどのアスリートも思いつかなかったもので、スキージャンプとスポーツレジェンドたちが難しい状況下でのその素晴らしい功績を称えた。
新たなスキージャンプ世界最長記録保持者となった小林は次のように感想を語った。
「今の気持ちを言葉で表すのは難しいですね。夢が叶いました。今回の経験は間違いなく僕のキャリアをレベルアップさせてくれると思います。この記録は僕をさらに前進させる原動力になるでしょう」
「昨年9月に初めてこのロケーションを訪れたのですが、岩しかありませんでした。ですので、雪に覆われるイメージが持つのが難しかったのですが、パーフェクトな天然スロープが手に入ることは理解できました。ここよりも優れたスキージャンプ台はないですね。最高の経験になりました」
小林陵侑のジャンプ

小林陵侑のジャンプ

© Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool

ジャンプを終えた小林は、すでに素晴らしかったキャリアをさらに輝かせた。これまでのキャリアを軽く振り返っていこう:
幼少期からスキージャンプを楽しんでいた小林は、その後順調にキャリアを積んで土屋ホームスキー部に入部すると、2015-16シーズンインターナショナルデビューを飾った。
それからさらに数年後、小林はブレイクを果たす。2018-19シーズンのワールドカップで合計13勝を挙げて、単独のワールドカップシーズンで獲得できる6タイトルすべて(総合スキージャンプスキージャンプ週間Raw Airプラニツァ7ヴィリンゲン5)を手にしたのだ。
目標更新を続ける小林陵侑

目標更新を続ける小林陵侑

© Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool

2019年のスキージャンプ週間は歴史的で、小林は4戦全勝を飾った史上3人目のスキージャンパーとなった。本人はこの偉業について「大きな自信になりました」と語り、次のように続けた。
「スキージャンプ週間優勝は大きな名誉です。しかも いわゆる “完全優勝” でしたので、嬉しかったですね」
さらに、小林は2021-22シーズンにもスキージャンプ週間完全優勝を達成すると、続く2022-23シーズンも制して、スキージャンプ週間3連覇を達成した6人目のスキージャンパーとなった。
他のスキージャンパーならここで "引退" の2文字が脳内にちらつくかもしれない。しかし、小林はスキージャンプについて「自分の人生のように感じています」と語っている。
今回のプロジェクトに向けての集中力について話が及ぶと、小林は意識の持ち方次第とした。
「僕の周りで起きていることは気にしません。自分のパフォーマンスだけを考えています。やるしかないですからね。たとえ不安でも、他の選択肢はありません」
世界記録更新!

世界記録更新!

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

スキージャンプを新たな高みへ引き上げる必要性に突き動かされている小林は、最強を目指すことに集中しながら、“想定外” にも冷静に対処している。
状況に合わせてフレキシブルに対応できていることで、ここ4〜5シーズンはトップに立てています。難しいですが、基本的にはベストパフォーマンスを発揮できなければまず勝てません
このように語った小林は次の予定について、「自分の記録を塗り替えるために、もう一度挑戦してみたいですね」と続けた。
しかし、ひとまず今は、スキージャンプ世界最長記録保持者となり、文句なしの形で世界の頂点に立った史上最強スキージャンパー小林陵侑を褒め称えよう!
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