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【SPORTSジャンル】
東最初のファイナリスト決定戦は、西と同じくSPORTSジャンルの「みんなのGOLF 6」。西をも凌ぐと言われたレベルのトーナメントを勝ち上がったのは、「VAN」と「TB-panda」の2人。長崎からこの日のために上京した「VAN」は、これまで一度も負かしたコトがなかったという“オンライン予選最強の男”「パパイヤ」をSEMI FINALで撃破。イキオイそのままにFINALへと挑んだ。
対するは、この日のトーナメントでおそらく最も危なげなかった「TB-panda」。精密機械の如き正確なショットは何時もブレるコトなく、FINAL進出がかかった最終ショットではホールインワンを決めてみせ観客の度肝を抜いた。
しかしながら大きなスクリーンでパブリックビューイングされるカタチで行われたFINALでは、それまでポーカーフェイスで淡々とビッグショットを連発して来た「TB-panda」の正確無比なショットに狂いが生じるのだからわからないものである。この日初めて劣勢に立たされた「TB-panda」は、巻き返しを期して“チップイン”や“クルクルパット”といった大技を狙うも、これらが全てNo good。「パパイヤ」に初勝利を挙げたコトで尻上がりに調子を上げた「VAN」が超絶レベルのトーナメントを見事制覇。長崎在住ながら東地区を制した「VAN」がいざ12月21日(日)「Red Bull 5G 2014 FINALS」へと駒を進めた。
<SPORTSジャンル みんなのGOLF6決勝映像>VAN(赤) VS TB-panda(青)
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【PUZZLEジャンル】
続いて行われたのはPUZZLEジャンル「ぷよぷよテトリス」。西同様、それぞれの最強を決定し、その2人がFINALSでコンビを組むというレギュレーションである。
まず行われたのは「テトリス」最強決定戦。A・B・Cに分かれたトーナメントを勝ち上がった「HBM」、「もりお」、「サマフ」の3名が3つ巴戦を行うという対戦構図であったが、結果から言うと「HBM」が圧勝。決してレベルが低いワケではない中で、その中でも何枚も上の実力を見せつける結果となった。
実は西地区代表決定戦でも「東にはヤバイ奴がいる」と噂されていたのが「HBM」である。国内公式大会のない「テトリス」において、“実質日本一”の呼び声も高いその実力はまだまだ未知数だが、その前評判通り東地区代表決定戦を軽く制圧。ゲーム内の「実力が違うよ!」というセリフよろしく、今年の予選でおそらく最も楽勝という余韻を残し、「HBM」がファイナリストへと名乗りを上げた。
<PUZZLEジャンル テトリス決勝映像>サマフ(左) vs HBM(右)
7分
Red Bull 5G 2014 East Puzzle Teto3
Red Bull 5G 2014 East Puzzle Teto3
もう一つのPUZZLEジャンル「ぷよぷよ」には、3年連続西代表という偉業を達成した「Kamestry」の盟友にして永遠のライバル「くまちょむ」が登場。2年連続東代表であるだけではなく、FINALSで2年連続「Kamestry」を破っている「くまちょむ」は、つまるところ「Red Bull 5G」の「ぷよぷよ」においてこれまで無敗の絶対王者である。しかしその絶対王者が何とトーナメント2回戦で敗退。「ぷよぷよ」の東代表決定戦は、その波乱の主役となった「いくす」に、「Selva」、「mayah」を加えた3名によって「テトリス」同様3つ巴戦で争われた。
「Red Bull 5G」の歴史にも刻まれるであろうアップセットを達成した「いくす」であったが、FINAL1ゲーム目で対戦した「Selva」にセットカウント1-2で惜敗。負け残りで連戦となった「mayah」戦こそ2-0と一矢を報いたが、先勝できないと自力優勝が遠のき、グッと苦しくなるのが3つ巴戦の常である。逆に「いくす」に勝利した「Selva」は、精神的にも極めて優位に立つコトができ、すでに1敗を喫していた「mayah」に完勝。「くまちょむ」という大本命が鎮座した「ぷよぷよ」東地区代表決定戦は、二転三転の末「Selva」が制し、「HBM」と共にFINALSへ進むコトとなった。
「ぷよぷよ」東最強の座を射止めた「Selva」は、アーケードで広く知られたトップランカー。戦前から「ぷよ界でも世代交代を起こしたい。打倒くまちょむ!」を公言していた若き才能が、間接的とはいえ「くまちょむ」越えを果たしファイナリストへと躍進。3年連続FINALS進出の「Kamestry」擁する西に対し、「HBM」&「Selva」というフレッシュな東地区代表がどう戦うのか?FINALSへ向け新たなテーマの誕生である。
<PUZZLEジャンル ぷよぷよ決勝映像>selva(左) vs mayah(右)
6分
5G 2014 East ぷよぷよ
5G 2014 East ぷよぷよ
【RACINGジャンル】
9,000人を超えるオンライン予選を勝ち上がった16名のうち、東地区代表決定戦へと駒を進めた8名が覇を競うRACINGジャンル「グランツーリスモ6」。まず4名ずつによるブロック予選を5周のタイムアタック形式で実施し、ベストラップ上位2名が決勝戦に進出。決勝戦も同様の形式で行い、最終的な上位2名が西地区代表に決定するというレギュレーションは、西地区代表決定戦と同じく様々なドラマを生んだ。
波乱の序章は予選のドローイングから。8名を2ブロックに分けるくじ引きにおいて、昨年の東地区代表「YAM」「やまどぅー」の2名を含む前評判の高かったプレーヤー4名が、同じAブロックに集中してしまったのである。この4名は8月に行われた「Shell V-Power EXCITING CHAMPIONSHIP」のベスト4に入ったプレーヤー達。直近に行われた同じゲームタイトルの全国規模の大会上位入賞者が、ひとつのブロックに集中にしたコトによって当然実力は拮抗。
事実、この日のブロック予選全体3位のタイムを計測した2年連続ファイナリスト「やまどぅー」がここで脱落するコトとなってしまった。そうして迎えたFINALに進出したのは、まずAブロックから1:48:174の「カルソニック」と、1:48:188の「YAM」の2人。そしてBブロックからは1:48:889の「ほんだ」と1:49:091の「ブロンド」の2人。コンマ数秒を争うRACINGジャンルにおいて、0.6秒近い差は極めて大きく、よって「ドローイングのくじ運はあったもののAブロックからの上位2名が順当にファイナリストへ」というのがこの時点での大方の予想。しかしながらドラマの連鎖はまだ続くのである。
FINALで最初に見合ったLAPを刻んだのは2年連続ファイナリストの「YAM」。1周目で早くも1:48:473を計測し、さすがの安定した走りを披露する。それに対し、呼応したのは予選1位通過の「カルソニック」。1:48:467を2周目で計測し「YAM」を逆転。この時点で残りの2人は目立ったタイムを出すことができず、いよいよ「YAM」と「カルソニック」によるマッチレースかと思われた。しかしここで一抹の不安を感じさせたのは「YAM」の方。軽くLAPを刻んだ1周目以降、タイムが伸びて来ないのである。先に行われたPUZZLEジャンル「くまちょむ」の敗退、そしてRACINGにおける「やまどぅー」の敗退。ここまで各ジャンルの絶対王者として君臨して来たプレーヤー達がアップセットを食らう姿が脳裏をかすめる中、なんと「ほんだ」が3周目でこの日自己最速の1:48:369を叩き出し「YAM」を逆転。ギャラリーがざわめく中「YAM」は最後までLAPを更新するコトができなかった。
翻ってRACINGジャンルの東地区代表は、4周目で1:48:139を出した「カルソニック」と「ほんだ」が戴冠。時代の節目、大きなうねりを感じさせながら、西地区代表に続いて東にもまたフレッシュなチームが誕生した。
<RACINGジャンル グランツーリスモ6決勝映像>calsonic 1:48:139
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<RACINGジャンル グランツーリスモ6決勝映像>honda 1:48:369
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【FIGHTINGジャンル】
東地区代表決定戦も残すところ2ジャンル。続いて行われたのは、FIGHTINGジャンル「ウルトラストリートファイターⅣ」。実に35種類もの中からプレーヤーそれぞれが自分の戦い方に合ったキャラクターを選択し激突。その実力もさることながら、キャラクター同士の相性もその結果を大きく左右するこのタイトルにおいて、トーナメントのくじ運も重要なポイントとなった。
そんな東地区代表決定戦のFINALに進出した最初のひとりは、一昨年のFIGHTINGジャンルファイナリスト「inco」。昨年は不出場だったが、2年ぶりのFINALSへ向け順調に勝ち上がって来た。操るキャラクターは“Rufas”。さながら“動ける巨漢”といった“Rufas”を選択しながら、ファンダメンタルなスキルに長けた「inco」はその実ディフェンスが秀逸。先手を取られているような印象を与えながらも相手の攻撃を受けながし、細かくスキルフルなオフェンスと要所で繰り出す大技のコンビネーションは、計算し尽くされた戦い方である。
しかしその「inco」を相手に、実にえげつないオフェンス力を見せつけたのが、反対側のトーナメントを勝ち上がった“Juri”使いの「aiai」だった。本人曰はく「キャラクターの相性が良かった」とは戦後のコメントではあるが、ここまで1ゲームも落としていない「inco」を終始圧倒。それもディフェンス力のある相手に対し、その戦い方ではなく、正攻法のオフェンスだけで押し切ったのだから完勝であろう。目の肥えたRed Bull 5Gスタッフをして「いやぁイイJuriを見せてもらいました」と感服する内容で、「aiai」がFINALSへと進出した。
迎えるFINALSでの対戦相手は西代表の「ひかりん」だが、2人は過去数え切れないほどの対戦経験があるとのコト。“狂オシキ鬼”を操る「ひかりん」とはキャラクターの相性では優るものの、これまでの対戦成績は五分五分。「大舞台でぶっ潰してやりますよ」と息巻く「aiai」のえげつないまでのオフェンス力がFINALSでも爆発するのか?注目である。
<FIGHTINGジャンル ウルトラストリートファイターIV決勝映像>inco(左)VS aiai(右)
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【FREEジャンル】
東地区代表最後にして、FINALSへ向けたラスト1枠を賭けた争いはFREEジャンル「バイキングぽいぽい‼」。その謳い文句の通り、誰にでも門戸が開かれたこのタイトルは、西地区代表決定戦でもそうであったが観戦していてかなり“燃える”ゲームである。
大型スクリーンに投影された東地区代表決定戦はさらに白熱。おそらくどのジャンルよりも多くのギャラリーが熱狂し、またそれに相応しいドラマの結末が待っていた。また、ここまで4ジャンルを終えた東地区代表決定戦の大きなテーマは「世代交代」。PUZZLEジャンル「ぷよぷよ」の「くまちょむ」しかり、RACINGジャンルの「やまどぅー&YAM」しかり、これまでの「Red Bull 5G」で絶対的な強さを誇っていた王者たちが続々と敗退、それ以外にもこれまでのジャンルでFINALS経験者はゼロと、ひとつの時代の終焉を感じる結果が並んでいた。
そういう意味でこの「バイキングぽいぽい‼」で期待されたのは、過去のファイナリストでありながら、自分の得意ゲームが採用されなかった組の参戦。特に過去2年間SPORTSジャンルで採用された“FIFA組”の2人のファイナリストがチームを組んだ「SVB(スーパーバイキングブラザーズ)」はFINALまで勝ち上がり、一部「Red Bull 5G」マニア達から熱狂的な声援と期待を一身に集めていた。
この「SVB」に加え「もうどくリンゴ」、「ましましキングダム」というブロック予選を勝ち上がった3チームによって行われたFINALは、PUZZLEジャンル同様3つ巴戦で実施。
先述した通りだが、負け残りの3つ巴戦における最初のゲームの鉄則は“先手必勝”だけに、第1ゲームの「もうどくリンゴ」vs「SVB」にはその後の戦況を左右する大きな意味が込められた。そして、熱戦に次ぐ熱戦、接戦に次ぐ接戦、ぽいぽいに次ぐぽいぽいの末、このゲームを制したのは「もうどくリンゴ」の方。1-2で敗れた「SVB」はこの時点で自力優勝が消え、崖っぷちに立たせられる。
負け残りにより連戦となった「ましましキングダム」戦を、辛勝の連続によって何とか2-0で制した「SVB(1勝1敗)」にとってできるコトと言えば、続く「もうどくリンゴ(1勝)」vs「ましましキングダム(1敗)」において、「ましましキングダム」の勝利を祈るコト。
しかし精神的に有利なのはすでに先勝している「もうどくリンゴ」の方で、「SVB」の戦況は極めて厳しいと思われた。そうして迎えた第3ゲームは、最初のセットを何と「ましましキングダム」が勝利。高まるボルテージの中、続くセットは「もうどくリンゴ」が奪取。1-1のタイブレイクになったところで、もはや祈るしかないと思われた「SVB」が新たな行動に出る。何と声を出して「ましましキングダム」を応援し始めたのである。このちょっとにわかに理解はし難い、しかしながら、それまで対戦していたチームが相手を応援するという少年漫画の王道的な「SVB」の行動は、白熱するギャラリーをさらに後押しし、会場は興奮の坩堝へ。
それまでの勝敗はともかく、細かなセット数まではプレーヤーもギャラリーも把握し切れていない中、熱戦、接戦、応援、そしてぽいぽいが入り乱れ、結果「ましましキングダム」が「もうどくリンゴ」を2-1で撃破。1勝1敗で3チームが並んだ結果、なんとなんと「SVB」が大逆転でトーナメントを制覇しFINALSへの切符を手に入れた。
<FREEジャンル バイキングぽいぽい!!決勝映像>ましましキングダム(市民) VS SVB(バイキング)
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初戦で1-2と1セットを取ったコト、そして敗退後の一戦を2-0で勝利したコトが最後にものを言ったワケだが、「SVB」が何より見事だったのは、自身が参加していない第3ゲームの1-1タイブレイクから「ましましキングダム」を激しく応援したコトである。考えてみればあの時点で「ましましキングダム」の優勝可能性は完全に消滅していたにも関わらず、その死に体をチアアップした判断は実にあっぱれ。FINALS経験者らしい冷静さを見せた「SVB」が最後の最後でFINALSへと滑り込んだ。
「SVB」の中のヒトはと言えば「バイキー(旧名:マイキー)」と「Poigaman(旧名:Jengaman)」の2人。SPORTSジャンルのファイナリスト経験者にとって自分の得意ゲームが採用されなかったコトは無念の極みだろうが、そんな中でもFREEジャンルに果敢に参戦。完全に「バイキングぽいぽい‼」仕様に仕上げて来た2人は、フレッシュな顔ぶれが揃った東地区代表チームに“経験”という重要なピースをもたらすコトだろう。12月21日(日)に迫る最終決戦、「Red Bull 5G 2014 FINALS」が実に楽しみである。
Red Bull 5G 2014 FINALS
2014年12月21日(日)
秋葉原・AKIBA SQUARE