缶の寸法から計算すると容量は約380ℓ。つまりそれだけのエナジーが詰まっているということ(著者実測)
© [unknown]
Motoring

Red Bull MINIの秘密をついに初公開

大きな缶を背負ったあのRed Bull MINI。その真実を明らかにする、専門誌『WING Motor Magazine』がついに創刊!?  (注:実際に発売はされない『架空の自動車雑誌』です)。
Written by Red Bull Japan
読み終わるまで:6分Published on
WING Motor Magazine vol,1

WING Motor Magazine vol,1

© [unknown]

<こちらは2017年1月15日に公開された記事の「改訂版」で、車両とWings Teamの写真を追加したものです>
TEXT●中三川大地(自動車ジャーナリスト)
PHOTO●小林邦寿
COVER DESIGN●鶴見 修

 

Wings Teamの一員として日本全国津々浦々を元気いっぱいに駆け回る 

 

▶OUTLINE 

ベース車に引けを取らない
親しみやすい愛されキャラ
大きなRed Bull Energy Drinkの缶を背負い込んで、日本全国のオフィス街や繁華街、またはイベント会場で異彩を放っている。そのアイコン的存在たる大型缶に加え、特別に設けられたクーラーボックスには実際にキリッと冷えたRed Bull Energy Drinkがぎっしりと収まっている。エナジーを必要とする人々に翼をさずけるという重要な任務を果たしているのが、このRed Bull MINIである。
クルマ好きの読者諸兄であればすぐにピンときたと思うが、ベースはBMW MINIの3代目にして現行型のF56型だ。缶をもたせかけた2シーター・ピックアップトラック風のスタイリングを見る限り、コンバーチブルをベースにしていると思われる。が、実際はハッチバックのMINI ONEだという。カリフォルニアのとあるビルダーの部品を用いて、日本仕様の3ドア、右ハンドルをベースに製作したものなのだ。大胆にもルーフの後ろ半分とCピラーを切り取り、後部座席を取り外して完全2シーターへ。そして、後部座席部分に大型のクーラーボックスを設置しつつ、缶を筆頭とするボディパネルを取り付け、全身をRed Bull仕様にカラーチェンジしてこのような姿形へと変貌させた。
愛くるしいMINIのキャラクター性が、Red Bull Energy Drinkの親しみやすいイメージとピタリと一致したのだろう。現在は、世界的にこのRed Bull MINIが大活躍。2016年末の段階では、ここ日本でも数十台が存在している。今後はさらに台数が拡充される予定だというから、Red Bull MINIの手綱を握るWings Team共に、元気いっぱい活躍している姿を見る機会がより増えそうだ。
停まっていても走っていても、つい目を奪われてしまう愛くるしい姿が魅力。

停まっていても走っていても、つい目を奪われてしまう愛くるしい姿が魅力。

© [unknown]

 

▶IMPRESSION 

実用性だけじゃつまらない
あえてこの仕様にこだわる意味
パワートレインは純正のMINI ONEと同じ。1.2Lの3気筒ターボ(102ps、18.4kg-m)に6速ATを組み合わせる。標準の15インチタイヤ仕様ということも相まって、終始フラットで上質な乗り味をキビキビした操縦性とともに味わうことができる、ようだ。Red Bull仕様への改造に伴って重量は110kgほど増加しており(1170→1280kg)、Red Bull Energy Drinkが満載されるとさらにヘビーにはなるものの、少なくとも日常域ではその重さをネガティブに受け止める必要はない、だろう。
全長と全幅はベース車のまま。全高は缶の部分を含めて2.16mに達するので、都心の地下駐車場やタワーパーキングなどに入れない不便さはある、と思われる。しかし、地下に眠らせておくべきものではなく積極的に外へ出て翼をさずけるクルマなのだから、そんなのネガのうちに入らない。
唯一、ドライバーを悩ませそうなのが後方視界。皮肉にもアイコンである背面の大きな缶のおかげでルームミラーはほぼ役立たず状態(?)のため、後続車を確認する際はパネルトラックのごとくサイドミラーに頼らざるを得ない、ことが予想される。実際、サンプリングに出向くWings Teamは常に2名1組で行動し、時に助手席の人間が降りて十分に安全確認を行う、のだという。
と、この試乗記にはあえて推論を多用している。なぜならルール上、筆者のような自動車の物書きとて運転は許されていないので、実はすべて妄想ではある。運転ができるのはWings Teamのみ。それほどまでに、このRed Bull MINIのステアリングを握る条件は厳しい。ちなみに、日本でのWings Teamは、主に現役女子大生たちで構成されている。2016年末時点では数百名。そんな若く麗しき精鋭たちが自主練や会社でのトレーニングを経て会社の試験に合格し、積極的にステアリングを握っているのだ。
ともあれサンプリング活動だけに特化するなら、背面の缶など不要だし、もっと言えばさらに小回りが利いて積載能力にも長けた軽のワンボックスでも持ってくれば事足りるはず。なのにMINIを、しかも2シーター化してまで抜擢する。その心意気がなによりもRed Bullらしい。
結果としてあの大きな缶には何も入ってはいない。だからといって、ただのハリボテじゃない。「中身にはエナジーが詰まってるんです!」とWings Teamメンバーのひとりは、声を大にしてそう言っていた。

 

▶五面図(サイズ)

フロント・ビュー
ボディバリエーションの多いMINI、こんな特別仕様でも違和感がない。丸いライトと缶が自然と調和する。

ボディバリエーションの多いMINI、こんな特別仕様でも違和感がない。丸いライトと缶が自然と調和する。

© [unknown]

フロント・スタイリング
MINIの本命である3ドアモデルを、ピックアップトラックのようなボディ形状へと改造している。

MINIの本命である3ドアモデルを、ピックアップトラックのようなボディ形状へと改造している。

© [unknown]

サイド・ビュー
車両のベッド部分と缶の間にある三角形の数値から計算すると、缶の傾いている角度は20.4度(著者実測)

車両のベッド部分と缶の間にある三角形の数値から計算すると、缶の傾いている角度は20.4度(著者実測)

© [unknown]

リヤ・ビュー
大空へ向うかの如く缶が備わる。この缶によって全高は2mを越えるが、全長、全幅は純正MINIと同じ。

大空へ向うかの如く缶が備わる。この缶によって全高は2mを越えるが、全長、全幅は純正MINIと同じ。

© [unknown]

リヤ・スタイリング
缶の寸法から計算すると容量は約380ℓ。つまりそれだけのエナジーが詰まっているということ(著者実測)

缶の寸法から計算すると容量は約380ℓ。つまりそれだけのエナジーが詰まっているということ(著者実測)

© [unknown]

▶インパネまわり

クラシック・ミニから継承される巨大なセンターメーターにはオーディオパネルが埋め込まれる。

クラシック・ミニから継承される巨大なセンターメーターにはオーディオパネルが埋め込まれる。

© [unknown]

 

▶エンジン

MINI ONEに搭載される1.2ℓエンジンは直列3気筒のターボ付き。駆動方式はFFだ。

MINI ONEに搭載される1.2ℓエンジンは直列3気筒のターボ付き。駆動方式はFFだ。

© [unknown]

 

▶フロントシート

シートは長時間乗っても疲れ知らず。乗降性を確保したままにスポーツカー並にフィットした運転姿勢を提供。

シートは長時間乗っても疲れ知らず。乗降性を確保したままにスポーツカー並にフィットした運転姿勢を提供。

© [unknown]

 

▶乗降性

ミニバンに比べルーフは低くフロア段差もあるが、乗降性は良好。ドアは大きくぶ厚いが、軽々と開閉可能。

ミニバンに比べルーフは低くフロア段差もあるが、乗降性は良好。ドアは大きくぶ厚いが、軽々と開閉可能。

© [unknown]

▶ラゲッジルーム

リヤにはラゲッジルームが備わる。大型ではないものの、最低限の荷物を収納するスペースとしては必要充分。

リヤにはラゲッジルームが備わる。大型ではないものの、最低限の荷物を収納するスペースとしては必要充分。

© [unknown]

▶嬉しい装備

Red Bull Energy Drinkの大きな缶
大型の缶が中央に横たわるように設置され、その脇にRed Bullを冷やすクーラーボックスが備わる。

大型の缶が中央に横たわるように設置され、その脇にRed Bullを冷やすクーラーボックスが備わる。

© [unknown]

クーラーボックス
奥行きがあり開口部から想像するより大型のクーラーボックス。水を排出できる構造で、氷と共に冷やせる。

奥行きがあり開口部から想像するより大型のクーラーボックス。水を排出できる構造で、氷と共に冷やせる。

© [unknown]

WAECO(ワエコ)製のクーラー
WAECO(ワエコ)製のクーラーは単なる保冷ではなく、冷蔵庫のように“冷やせる”性能を持っている。

WAECO(ワエコ)製のクーラーは単なる保冷ではなく、冷蔵庫のように“冷やせる”性能を持っている。

© [unknown]

クーラーボックス・オープナー
シート裏に設置されたノブを引くことで、クーラーボックスがオープンする仕組みとなっている。

シート裏に設置されたノブを引くことで、クーラーボックスがオープンする仕組みとなっている。

© [unknown]

クーラーボックス・スイッチ
シート背面にあるクーラーボックスのON/OFFスイッチ。不使用時はOFFにしてエナジー消費を抑える。

シート背面にあるクーラーボックスのON/OFFスイッチ。不使用時はOFFにしてエナジー消費を抑える。

© [unknown]

ドリンクホルダー
センターコンソールの純正ホルダーの他、ダッシュボード上にRed Bull専用のカップホルダーを装備。

センターコンソールの純正ホルダーの他、ダッシュボード上にRed Bull専用のカップホルダーを装備。

© [unknown]

バックシート・スペース
後部座席スペースがクーラーボックスになった2シーター仕様。リクライニング量は極小だが、居住性は良好。

後部座席スペースがクーラーボックスになった2シーター仕様。リクライニング量は極小だが、居住性は良好。

© [unknown]

ボディカラー
ボンネットにRed Bullロゴが配置され、全体にわたってRed Bullカラーに彩られる。

ボンネットにRed Bullロゴが配置され、全体にわたってRed Bullカラーに彩られる。

© [unknown]

ハイマウントストップランプ
巨大な缶の背面はハイマウントストップランプが備わり、夜間の被視認性を向上させている。

巨大な缶の背面はハイマウントストップランプが備わり、夜間の被視認性を向上させている。

© [unknown]

ナンバープレート
翼をさずけるRed Bull MINIらしくナンバープレートの数字が2(ツ)、8(バ)、3(サ)に。

翼をさずけるRed Bull MINIらしくナンバープレートの数字が2(ツ)、8(バ)、3(サ)に。

© [unknown]

圧倒的な存在感とは裏腹に、その中身は謎に包まれていたRed Bull MINIの真実を、今こうして明かすことに成功した。
Wings Teamのみに許された特別な空間。多くの方々にエナジーを届けるメンバーの秘密基地の内側をお伝えできて、心より幸せに思う。
SPECIFICATIONS Red Bull MINI
■ボディサイズ:全長3835×全幅1725×全高2160mm ホイールベース:2465mm トレッド(前/後):1460 /1465mm 車両重量:1280kg ■エンジン:直列3気筒DOHC ボア×ストローク:78.0×83.6mm 総排気量:1198cc 圧縮比:10.2 最高出力:75kW(102ps)/4000rpm 最大トルク:180Nm(18.4kgm)/1400rpm  ■トランスミッション:6速AT ■駆動方式:FF ■ステアリング:ラック&ピニオン ■サスペンション(前/後):マクファーソン・ストラット/マルチリンク ■ブレーキ:ディスク ■最小回転半径:5.1m ■タイヤサイズ:175/65R15 ■JC08モード燃費:不明 ■車両本体価格:これだけはヒ♡ミ♡ツ
『わたしたちWings Teamが元気いっぱいに、全国各地へエナジーをお届けします!』

『わたしたちWings Teamが元気いっぱいに、全国各地へエナジーをお届けします!』

© [unknown]