ミュージック
Berghainへの入り方
世界最高峰クラブのひとつ、Berghainへ確実に入る方法は? そのヒントを紹介しよう。
ドイツ・ベルリンに位置するBerghainは間違いなく入場するのが世界一難しいクラブだ。よって、ここを排他的でエリート主義的なテクノクラブだと考える人もいるだろう。しかし、常連にとってこのクラブは自己表現、音楽崇拝、開放の場所だ。ベルリンのアンダーグラウンド・ゲイカルチャーをルーツに持つBerghainは、寛容で良識ある “プロ” のクラバーだけに建物内部の自由と享楽へのアクセスを許可するというドアポリシーを長い年月をかけて確固たるものにしてきた。突き刺さるような大音量のサウンド、インダストリアルな建物、リベラルな姿勢を誇るBerghainは天国と地獄の境界線上に位置しており、その立ち位置は世界各地のトップクラブが目指すべきものだ。
Berghainは誇り高きクラバーなら必ず一度は訪れるべき場所だ。今回はこのクラブの厳しいドアポリシーをクリアして中に入るためのヒントを紹介しよう…。
大前提を理解する
Berghainが誇るドアマン、Sven Marquardtをどうかわせば良いのか? これは何度も問われてきた質問だが、その答えはとてもシンプルだ。そう、「誰にも分からない」のだ。これがBerghainに関して知っておくべき大前提だ。明確なルールやドアポリシーが存在するのであれば、誰でもBerghainに入れるだろう。しかし、それこそがこのクラブの意志に反することなのだ。自分たちの意志を傷つける可能性がある人たちを排除しなければ、安全な場所は生み出せない。彼らのこの考えを尊重しよう。
自分らしくあれ
自分らしく振る舞って入場を拒否された場合は、単純にBerghainと自分の相性が悪い可能性が高い。これは冷たく厳しい現実だ。静かにしろ、平然とした態度を取れ、ドイツ語を話せ、酔う前に行け、全身黒を着ろ、全身白を着ろ、40歳以上であれ、など、周囲は入場に関する様々なアドバイスを言うだろう。そして、そのようなアドバイスの数は、入場を目指して並ぶ人の列と同じくらい長大だ。しかし、実際はBerghainが自分に合っているかどうかという1点に集約される。
自分が通用しない場合は別人になる
この方法を疑う人もいるかもしれないが、一度試してみる価値はあるはずだ。Berghainの内部をどうしても見たいという人は、別人になりすまして入場を試みてみよう。寒さの中、入場の列に長時間並びながら「Ben Klockを見に来ました」とドイツ語で言う練習をしたり、Rick Owensで揃えたオールブラックの洋服を身にまとって優雅に待つふりをしたりしてみよう。別人になりすましている自分に不快感を覚えるかもしれないが、入場できれば結果オーライだ。しかし、高価な洋服を揃えた場合はタグを付けたままにしておこう。クレジットカードの請求額を見たあとで返品したくなるかもしれない。
自信がカギ
冗談はさておき、自分は入場できないタイプだと内心不安に思っているのに、その気持ちを偽ってこのクラブへの入場を試みるのは意味がない。Berghainの評判は、中で踊っている人たちによって築き上げられている。Berghainの中では何時間(時として数日間)も、我を忘れて踊ることができる。その理由は自宅にいるかのようにくつろげるからだ。そして、彼らはドアマンが信用できると判断を下したから入場できたのだ。よって、どこか後ろめたい感じや、緊張しているような感じがあれば、おそらく入場を断られることになるだろう。
ゲストリストに入れてもらう
Berghainに入るための一番簡単な方法は、誰かのゲストリストに入れてもらうことだ。そのためには、まずBerghainで働くスタッフか、Berghainでプレイするアーティストと仲良くなる必要がある。これは自分の人脈を頼らなければならない難しい方法だが、かなりの確率で成功するはずだ。というわけで、Marcel Dettmannの電話番号を知っている人がいたら、是非教えてもらいたい。
見切りをつけて他のクラブへ行く
落ち着いて考えてみよう。ベルリンのBerghainの前にいるということは、クロイツベルクとフリードリッヒシャイン(編注:共にベルリンの区)の境界線上にいるということで、つまり、これは世界一の “クラブシティ” の中心に立っていることを意味する。若くて美しく、目の前に様々なチャンスが待っている自分は、Berghainに足を踏み入れずとも最高の夜を過ごせる存在だということを知っておこう。とはいえ、財布の中が寂しい場合は、まっすぐ帰るべきだろう。