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とにかくかっこいいので必見!「ライゾマティクス inspired by Perfume」

日本はもちろん、世界からも熱い注目を浴びるクリエイター集団「ライゾマティクス」。
Written by 齋藤 あきこ
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ライゾマティクス inspired by Perfume

ライゾマティクス inspired by Perfume

© NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

2006年の設立以降、HIFANAが靴でビートを奏でる「Nike Music Shoe」からインテルのWebサイト「The Museum of Me」、au「FULL CONTROL TOKYO」などのコマーシャルからNosaj Thingのミュージックビデオ「Eclipse/Blue」やSónar Sound Tokyoにおけるレーザー光線のインスタレーション「Pulse」など、皆さんがご存知の作品もあるのでは?あらゆるジャンルで先端テクノロジーなどを用いた演出で衝撃を与えてきたグループです。
そんな彼らがテクノポップグループ・Perfumeと共に作り上げてきた、最先端メディアによる演出術にフォーカスした初めての展覧会「ライゾマティクス inspired by Perfume」がただいま西新宿・東京オペラシティタワーのNTTインターコミュニケーション・センター [ICC]にて開催中!
ライゾマティクス inspired by Perfume

ライゾマティクス inspired by Perfume

© NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

展示されているのは、Perfumeの3Dスキャンデータがホログラム風映像でリアルに迫るインスタレーションや、Perfumeがライブで実際に着用した衣装たち。びっしりとLEDを敷き詰めた衣装。モーターで可動する衣装、光るハイヒールやネイルを展示。今年6月に行われた「第60回カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」でのパフォーマンスをご覧になった方も多いのでは?この衣装と仕掛けが展示されています。
【映像】Perfume Performance Cannes Lions International Festival of Creativity
さらに、それらの衣装にプロジェクションマッピングするパフォーマンスから動かす裏側の仕組みまでも惜しみなく公開!「そんなに見せていいの?!」ってつい思ってしまいますが、「本当に新しいものはなにか?」ということを考え抜いてプロジェクトを作るライゾマティクスにとっては、パクったとかパクられたとか、そんな小さなことはどうでもいいんです。だから世界に通用する表現が作れるんですよね。真似できるならどうぞ、という余裕すら感じます。先端技術を駆使した機能と、観客を魅了するためのデザイン、身体や音楽によるその場限りのパフォーマンスがギリギリにせめぎあう作品の美しさにはため息が出ます。
また観客参加型の作品も。「3DScan System for Perfume」においては、Perfumeに施された3Dスキャンの簡易版をライゾマティクスが開発!9月29日から、撮影したデータがWebサイトで閲覧、ダウンロード可能になりました。現地に行かれたら是非試してみてください。
ライゾマティクス inspired by Perfume

ライゾマティクス inspired by Perfume

© NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

どれも、まさしく才能がコラボレーションした共同創作の結晶のような作品ばかり。それはライゾマティクスのほかにPerfumeの振付・演出のMIKIKO先生やアートディレクターをつとめる関和亮さんと音楽を手がける中田ヤスタカさんらPerfumeを支えるスタッフ、衣装を手がける三田真一さん、ミュージックビデオを手がけた田中祐介監督、そしてそれを支えるファンがいたから出来たものです。
ライゾマティクス inspired by Perfume

ライゾマティクス inspired by Perfume

© NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

ライゾマティクス inspired by Perfume

ライゾマティクス inspired by Perfume

© NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

ライゾマティクス《Perfume WORLD TOUR 2nd intro》2013年
ところでICCとは、先端技術を用いたアート作品を展示している、いわゆるメディアアートを扱う施設。坂本龍一、明和電機、ダムタイプ、スタジオ・アッズーロなど、いままで国内外の名だたるメディアアーティストたちが展示をしてきたICCでPerfumeというポップアーティストがモチーフとなる展覧会が行われるというのは異例のこと。ライゾマティクスと彼女たちが常に新しいことに挑戦してきた証なんですよね。
ライゾマティクスの共同ファウンダーであり、アーティストとして活躍する真鍋大度さんとICCとの関わりは2000年に遡ります。当時は大学生で商業音楽の仕事をしていた真鍋さんは、偶然、サウンド/メディア・アーティストの池田亮司さんの展示をICCで見て衝撃を受けます。それは完全な暗黒となった無響室において、5分間の圧倒的なサウンド体験を与えられるもの。この体験が後に真鍋さんがメディアアートの世界に入るきっかけになったと言います。それほど、人生を変える出来事だったというわけです。
もしかしたら、この展示があなたの人生を変えるかもしれません。10月20日(日)まで開催されていますので、是非。
写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
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齋藤 あきこ(Akiko Saito)
宮城県出身
図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員、white-screen.jpライター、A4Aコーディネーターなどを経て現在フリーランスのライター/エディター。FITC Japanese Ambassadorなど、海外と日本のデジタル・クリエイティブを繋げるための活動も行う。
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