地球は美しい。それは紛れもない事実だ。しかし、この地球上には単に美しいという形容さえ超えた、まるで異世界のような場所も存在する。水晶に満たされた洞窟や塩分を多く含んだ赤い河といった景色を目の前にすれば、大気圏はおろか太陽系の外側に放り出されてしまったかのような気持ちになるはずだ。
クリスタルの洞窟/メキシコ(写真上)
まるで地球外の惑星の内核を思わせる、そんな水晶の洞窟がメキシコにある。洞穴内部が光輝く水晶に覆われたクエバ・デ・ロス・クリスタレス(クリスタルの洞窟)はナイカ鉱山のトンネル掘削作業時に地中約305mで発見された。
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ラスタリア火山およびアタカマ砂漠/南米
南米のアタカマ砂漠にあるラスタリア火山では、こうした黄色い硫黄噴気孔が発達している。予めここが南米だと知らされていなければ、噴気孔から噴き出す蒸気が漂うこの風景は、生物の存在しない荒涼とした惑星を思わせる。
エメラルド・レイク/ニュージーランド
クリオシティ・ローバー(訳注:NASAの火星地上探索機)は、火星でこれほどの水量をたたえた湖は発見できなかった。しかし、このネオン・ブルーにも近いエメラルド色のニュージーランドの湖を、遥か遠い別の惑星のものだと想像するのは自由だ。
ケルリンガルフィヨットル/アイスランド
アイスランドでは、依然としてなお活発な火山活動が確認されている。そんなアイスランドは、まさに想像を絶する異世界のような奇景に満ちた場所だと言えるだろう。ここケルリンガルフィヨットルは、硫黄が噴出する山岳地帯で、かの『エイリアン』(1979)の前日潭『プロメテウス』(2012)など、アイスランドは数々のSF映画作品の撮影舞台となっている。
リチャット構造体/モーリタニア
これは巨大宇宙船が発射された跡だろうか? それとも、遠く離れた惑星から隕石が衝突した跡? いや、これはモーリタニアにあるリチャット構造体だ。現代の研究結果によると、これは長年にわたる浸食によって岩石が削り取られて出来上がった地形で、その全容は宇宙からも確認することが出来る。サハラ砂漠にあるこの場所は「サハラの目」とも呼ばれ、宇宙飛行士が宇宙空間でミッションを行う際に地上の目印として利用する時もある。
ナトロン湖/タンザニア
鮮やかなピンク色に彩られたこの湖は、宇宙探検家が水面下でうごめく謎の化け物から逃げ出すSF映画のワンシーンにうってつけだ。タンザニアにあるナトロン湖は、その高い塩分濃度とソーダ分の組成によってこのような色彩を呈している。この湖の水におけるアルカリ性は実にpH10.5もの値を示しており、生物にとっては苛烈な環境だ。その強い塩分濃度とソーダ分は有機物の硬化(石灰化)を招くため、死んだ動物は化石のように原型を保ったまま保存されてしまう。
ザ・ウェイブ/アリゾナ州
上空でスペース・ポッドが飛び交う『スター・ウォーズ』の撮影にも使えそうな場所だ。砂岩が立ち並ぶこの奇景は「ザ・ウェイブ」と呼ばれ、アリゾナ州とユタ州の州境の近くにあるコヨーテ・ビュートの丘に位置している。
ダナキル砂漠の盆地/エチオピア
まさしくSF的な風景だが、エチオピアのダナキル砂漠に存在する、紛れもない地球上の風景だ。雨水が地中にしみ込む過程で地層の塩分や硫黄分を含み、その水が地熱によって熱せられ水蒸気となって噴出し、地上で再び液体化されることによりこの不思議な色彩が表れる。これらはすべてダロル火山の活動による影響であり、その結果この驚くべき風景が広がっている。
ワイオタプ/ニュージーランド
その鮮やかなオレンジ色の水からして、ワイオタプは地球上の風景には到底見えないだろう。ワイオタプのオレンジ色の水はダナキル砂漠と同じく地下の活発な地熱によって産み出されている。この地温地帯では温泉や間欠泉など多様な奇景を目にすることができ、まさに宇宙時代を思わせる。
塩田/ナミビア
ナミビアの砂漠地帯にあるこの塩田は、どう見ても地球上の風景とは思えない。宇宙探検家たちが見知らぬ土地を彷徨うシーンを撮影するにはうってつけだろう。この塩田は、エトーシャ国立公園内にある。