ストライドを常に確認する
© Kelvin Trautman / Red Bull Content Pool
ランニング

ウルトラランナーが教える “ランニングが上達するテクニック” 12選

より力強く、より速く、より遠くへ走れるようになりたい人のためにレジェンドトレイルランナーのライアン・サンデスがランニングをネクストレベルに高める助けになるアドバイスを送ってくれた。
Written by Will Gray
読み終わるまで:5分Published on
ランナーは誰でも自分の調子が出てきたときの感覚を知っている。リズムに乗ってくれば自己ベストを更新できそうに思えてくるものだ。しかし、どうにもリズムが悪ければ、目の前に高い山がそびえていて、永遠に走り終わらないように思えてしまう。
優れたランニングテクニックを手に入れれば、調子の良し悪しに大きく振り回されることなくタイムを伸ばせる上にランニングをさらに楽しくできる。
では、そのようなテクニックにはどのようなものがあるのだろうか? ウルトラランナーのライアン・サンデスにアドバイスを授けてもらうことにした。

①普段通りを意識する

ランニングは “自然体” であるべきです。つまり、自分の身体を効果的に動かして、全体の流れを作っていく方法を知っておく必要があります。僕はベアフットランニングが理想的なランニングフォームを手に入れるのに役立つことに気が付きました。
シャモニーを走るライアン・サンデス

シャモニーを走るライアン・サンデス

© Kelvin Trautman/Red Bull Content Pool

他にもドリルやスプリントヒルリピート(坂をダッシュで駆け上がり、ジョグで坂の下まで戻るを繰り返すトレーニング)などを取り入れています。ですが、考えすぎないようにしてください。心拍数やテクニックを意識し過ぎているときは上手く行きません。

②ストレングスを鍛える

ストレングストレーニングは優れたランナーになる助けになります。ですが、ジムに通い詰める必要はありません。ヒルリピートやスピードワークもストレングストレーニングの一環です。
ストレングストレーニングも重要

ストレングストレーニングも重要

© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool

僕はストレングストレーニングを増やして、ランニングを減らすことで自分を伸ばせていますので、皆さんも自分なりにバランスを取るようにしてください。また、ストレングストレーニングを取り入れればフィジカルが強くなり、怪我をしにくくなります。

③一貫性を持たせる

一貫性はランニングにとって非常に重要です。怪我をすることなくトレーニングを続けることができれば大きな助けになります。
森の中を走るライアン・サンデス

森の中を走るライアン・サンデス

© Corinna Halloran/ Red Bull Content Pool

また、トレーニングを上手く配分するようにしてください。かなりの距離を走るランを週2回行う必要はありません。その代わりに短めのランを週4回組んで一貫性を高める方が良いでしょう。

④効率良く走る

効率良く走れるようになれば、パフォーマンスが高まります。より少ないエナジーで走れるようになることが何よりも重要です。
テーブルマウンテンを走るライアン・サンデス

テーブルマウンテンを走るライアン・サンデス

© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool

⑤オーバートレーニングに注意する

オーバートレーニングは厄介な問題です。ウルトラランニングでは特にそうですね。なぜなら、ウルトラランナーは頑固で、成長のために徹底的に追い込む性格の人が多いからです。
休息を忘れずに

休息を忘れずに

© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool

また、最初にある程度成長したあと停滞を感じてしまい、さらに成長するために距離を延ばそうとするランナーが多いですが、これがオーバートレーニングを引き起こして身体にダメージを加えてしまう可能性があります。

⑥筋肉の可動性を高める

市民ランナーの多くは日常生活の中に走る時間を確保するのに苦労しているので、ウォームアップに15分も費やしたくないと考えがちですが、ランニング前に可動性を高めるドリルを行うことは非常に重要です。
可動域を広げよう

可動域を広げよう

© Kolesky/Nikon/Red Bull Content Pool

僕はヒップエアプレーンを行っています。なぜなら、臀部が硬くなることが多いからです。あとはベイビーゲットアップシングルレッグ・ヒップスイング(レッグスイング)も行って筋肉に刺激を入れています。こうすることでランニングのテクニックが向上します。

⑦登坂ではストライドを小さく

急峻な上り坂ではストライドを小さくしつつケイデンスを高めて、なるべく “軽く” 走れるようにしましょう。ストライドを大きくしてパワフルに登るのではなく、コンパクトなフォームで登れるように練習してください。
上り坂ではストライドを小さくしてケイデンスを高める

上り坂ではストライドを小さくしてケイデンスを高める

© Kelvin Trautman/Red Bull Content Pool

⑧下りでは先を見る

下り坂では足元を見ないようにしてください。スピードを考えながら2.5〜5メートル先を見るようにしてください。人間の脳は非常に優秀なので、先に待っている路面に合わせて自分を調整してくれます。
下り坂では前を見る

下り坂では前を見る

© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool

結果、先を見るようにすればスピードが高まりますし、ランニングフォームも向上します。また、怪我も防げるようになります。

⑨呼吸を意識する

ランニングを始める前に呼吸法を取り入れるようにしてください。リラックスできますし、ランニング中の呼吸も正しくなります。
呼吸を意識することが重要

呼吸を意識することが重要

© Craig Kolesky/Red Bull Content Pool

また、僕は走っているときに呼吸を意識するようにしています。効果的に走るためにはリラックスする必要があるからです。

⑩ストライドを確認する

足を尻の真下に置くように走ることが非常に重要です。ストライドが大きすぎると自分の重心より前に足を置くことになるのでスピードが落ちてしまいます。
ストライドを常に確認する

ストライドを常に確認する

© Kelvin Trautman / Red Bull Content Pool

⑪両腕を鍛える

両腕を前後にまっすぐ振るようにしましょう。振っている腕が自分の胸の前に出てしまうような斜めの振り方はNGです。まっすぐ触れるようになれば肩がリラックスしますし、ランニングフォームが向上します。
両腕をしっかり振ろう

両腕をしっかり振ろう

© Scott Serfas/Red Bull Content Pool

大きく振るのを好む人がいる一方で、大きく振って体力が奪われることを警戒する人もいますが、僕は両腕をしっかり振ることが重要だと思っています。急峻な上り坂では特にそうですね。

⑫ポールの練習もする

トレイルランニングやウルトラランニングでは “ラン” と同じくらいパワフルで効果的な “ハイク” ができるようになることが重要です。ポールを使うハイクはランとは異なる筋肉を使用するので練習を重ねるようにしてください。
パワーハイクは膝の上に手を置くイメージ

パワーハイクは膝の上に手を置くイメージ

© Kelvin Trautman / Red Bull Content Pool

ハイクではポールを持つ手が膝の真上に来るように上半身を動かしていくことが重要です。ハイクが必要なトレイルランのイベントに向けたトレーニングがランニングだけだと本番で簡単に疲れてしまいます。
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