ランナーは誰でも自分の調子が出てきたときの感覚を知っている。リズムに乗ってくれば自己ベストを更新できそうに思えてくるものだ。しかし、どうにもリズムが悪ければ、目の前に高い山がそびえていて、永遠に走り終わらないように思えてしまう。
優れたランニングテクニックを手に入れれば、調子の良し悪しに大きく振り回されることなくタイムを伸ばせる上にランニングをさらに楽しくできる。
では、そのようなテクニックにはどのようなものがあるのだろうか? ウルトラランナーのライアン・サンデスにアドバイスを授けてもらうことにした。
①普段通りを意識する
ランニングは “自然体” であるべきです。つまり、自分の身体を効果的に動かして、全体の流れを作っていく方法を知っておく必要があります。僕はベアフットランニングが理想的なランニングフォームを手に入れるのに役立つことに気が付きました。
他にもドリルやスプリント、ヒルリピート(坂をダッシュで駆け上がり、ジョグで坂の下まで戻るを繰り返すトレーニング)などを取り入れています。ですが、考えすぎないようにしてください。心拍数やテクニックを意識し過ぎているときは上手く行きません。
②ストレングスを鍛える
ストレングストレーニングは優れたランナーになる助けになります。ですが、ジムに通い詰める必要はありません。ヒルリピートやスピードワークもストレングストレーニングの一環です。
僕はストレングストレーニングを増やして、ランニングを減らすことで自分を伸ばせていますので、皆さんも自分なりにバランスを取るようにしてください。また、ストレングストレーニングを取り入れればフィジカルが強くなり、怪我をしにくくなります。
③一貫性を持たせる
一貫性はランニングにとって非常に重要です。怪我をすることなくトレーニングを続けることができれば大きな助けになります。
また、トレーニングを上手く配分するようにしてください。かなりの距離を走るランを週2回行う必要はありません。その代わりに短めのランを週4回組んで一貫性を高める方が良いでしょう。
④効率良く走る
効率良く走れるようになれば、パフォーマンスが高まります。より少ないエナジーで走れるようになることが何よりも重要です。
⑤オーバートレーニングに注意する
オーバートレーニングは厄介な問題です。ウルトラランニングでは特にそうですね。なぜなら、ウルトラランナーは頑固で、成長のために徹底的に追い込む性格の人が多いからです。
また、最初にある程度成長したあと停滞を感じてしまい、さらに成長するために距離を延ばそうとするランナーが多いですが、これがオーバートレーニングを引き起こして身体にダメージを加えてしまう可能性があります。
⑥筋肉の可動性を高める
市民ランナーの多くは日常生活の中に走る時間を確保するのに苦労しているので、ウォームアップに15分も費やしたくないと考えがちですが、ランニング前に可動性を高めるドリルを行うことは非常に重要です。
僕はヒップエアプレーンを行っています。なぜなら、臀部が硬くなることが多いからです。あとはベイビーゲットアップやシングルレッグ・ヒップスイング(レッグスイング)も行って筋肉に刺激を入れています。こうすることでランニングのテクニックが向上します。
⑦登坂ではストライドを小さく
急峻な上り坂ではストライドを小さくしつつケイデンスを高めて、なるべく “軽く” 走れるようにしましょう。ストライドを大きくしてパワフルに登るのではなく、コンパクトなフォームで登れるように練習してください。
⑧下りでは先を見る
下り坂では足元を見ないようにしてください。スピードを考えながら2.5〜5メートル先を見るようにしてください。人間の脳は非常に優秀なので、先に待っている路面に合わせて自分を調整してくれます。
結果、先を見るようにすればスピードが高まりますし、ランニングフォームも向上します。また、怪我も防げるようになります。
⑨呼吸を意識する
ランニングを始める前に呼吸法を取り入れるようにしてください。リラックスできますし、ランニング中の呼吸も正しくなります。
また、僕は走っているときに呼吸を意識するようにしています。効果的に走るためにはリラックスする必要があるからです。
⑩ストライドを確認する
足を尻の真下に置くように走ることが非常に重要です。ストライドが大きすぎると自分の重心より前に足を置くことになるのでスピードが落ちてしまいます。
⑪両腕を鍛える
両腕を前後にまっすぐ振るようにしましょう。振っている腕が自分の胸の前に出てしまうような斜めの振り方はNGです。まっすぐ触れるようになれば肩がリラックスしますし、ランニングフォームが向上します。
大きく振るのを好む人がいる一方で、大きく振って体力が奪われることを警戒する人もいますが、僕は両腕をしっかり振ることが重要だと思っています。急峻な上り坂では特にそうですね。
⑫ポールの練習もする
トレイルランニングやウルトラランニングでは “ラン” と同じくらいパワフルで効果的な “ハイク” ができるようになることが重要です。ポールを使うハイクはランとは異なる筋肉を使用するので練習を重ねるようにしてください。
ハイクではポールを持つ手が膝の真上に来るように上半身を動かしていくことが重要です。ハイクが必要なトレイルランのイベントに向けたトレーニングがランニングだけだと本番で簡単に疲れてしまいます。
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