レトロPC・ゲーム専門店、"BEEP秋葉原店"に潜入!
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レトロPC・ゲーム専門店、"BEEP秋葉原店"に潜入!

アラフォーゲーマーに厄介なトラップ 垂涎のレトロゲーム関連品が立ち並ぶ店内
Written by Ninja Masuda
読み終わるまで:5分Published on
2015年の10月2日、秋葉原にレトロPC・ゲーム専門店"BEEP秋葉原店"がオープンし、アラフォーゲーマーたちの間で話題を呼んでいる。特筆すべきは、PC本体から、ゲームソフト、雑誌、アーケードゲーム基板、CD、同人アイテムなど、レトロなゲーム関連品ならありとあらゆるものを売買しているところ。秋葉原店・店長の駒林さんいわく、「ニッチにマニアックに。でもなるべく間口は広く」というのがお店のポリシーだそうだ。
レトロPC・ゲーム専門店、"BEEP秋葉原店"に潜入!

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【写真】店内には'80年代の懐かしいレトロPC本体がたくさん。とくに人気があるのはPC-8801とMSXで、ともに2週間に1台ほど売れるとのこと。
メインとなる商品はレトロPC本体とPCゲームソフト、そしてアーケードゲーム基板だが、とくにPC関連がアツい。店内にはPC-8801やMSX、X68000など'80年代のPC本体がズラリと並ぶ。
昔のPCは形状からしてどれも個性的で、各々が店内で我も我もと自己主張する姿は圧巻。そして「一体どこから集めたんだ?」という、今では入手不可能に近いような貴重なPCゲームソフトの面々がショーケースから顔を覗かせる。家庭用ゲーム機の本体やゲームソフトを扱う中古ショップはいくらでもあるが、'80年代のPC本体やPCゲームソフトを扱い、しかも関連品も含めてここまで品揃えが豊富なのは"BEEP"だけと言い切ってしまっていいだろう。
レトロPC・ゲーム専門店、"BEEP秋葉原店"に潜入!

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【写真】見る人が見ればわかる貴重なPCゲームの数々。左の『ドア・ドア』は作者の中村光一氏(現スパイク・チュンソフト代表取締役会長)のサイン入りで非売品。パソピア7版というのがこれまたレア。
"BEEP"の本社は埼玉にあり、もともとは古本の売買をしていたという。古いゲーム雑誌を売買しているうちに、古いPCも買い取り、ゲームソフトも買い取り、基板も買い取り……と、扱う品が連鎖的に増えていった。そこでゲーム専門部門を独立させようと、このたび秋葉原にアンテナショップを構えたそうだ。
本社ではゲーム関連品の出張買取と宅配便買取が行われており、通過した品が秋葉原店に並ぶことになる。秋葉原店に直接持ち込まれた品も、メンテナンスが必要な場合は一度本社で整備を行う。メンテナンス専任のスタッフは、もともと基板の設計をやっていたというプロフェッショナル。「なるべく長く使ってほしいですし、メンテナンスはしっかりして売ります」と駒林さんは語る。古い品を扱ううえで、このような優秀なスタッフが揃っているところも"BEEP"の強みだ。
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【写真】扱う品はPC関連から基板、家庭用ゲーム機まで多岐に渡る。ちなみに今までお店で一番高かった品は、タイトーの『メタルソルジャーアイザックII』という幻の基板。55万円という価格で店頭に出されたが、1日で売れたという。右のメダルゲーム『忍者くん』は実際に遊べます。6万5000円なり。
駒林さんに、「お店が賑わっている理由はなんだと思いますか?」という質問をぶつけてみた。すると、「他所にないものを置いているからではないかと思います。いろんなものを入れて、飽きさせない努力をしていますから」という答えが返ってきた。
確かに、ハードやゲームソフトの他にも同人グッズからチラシまで、あらゆるゲーム関連品をここまで貪欲に扱う中古ショップは見たことがない。実際に筆者が訪問した日も『忍者くん』なるメダルゲームが置かれていて、こんなものまで扱うのかと感心させられた。こういう珍品が入れ替わり立ち替わり入ってくれば、そりゃあ何度も訪問したくなるよなぁと納得。アラフォー世代にとって、なんとも厄介なトラップが仕掛けられたものである。
レトロPC・ゲーム専門店、"BEEP秋葉原店"に潜入!

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【写真】左の後ろが、いまお店で一番高いPCゲーム、ディスク8枚組の超大作アドベンチャー『タイム ゾーン』(FM-77版。12万5000円)。手前は光栄マイコンシステム(当時)のアダルトゲーム『団地妻の誘惑』(PC-8801版。3万8800円)。テープ版だけどもちろん起動します。右は店長の駒林さん。看板の絵や文字はご自身で書いているそうだ。
なお、今回の取材では、駒林さんのレトロゲームの知識の豊富さにも驚かされた。筆者も楽しくてつい昔話に花を咲かせてしまい、取材はそういった雑談も含めて3時間にも及んだのであった。
その中で、筆者は衝撃の事実を知ることになる。駒林さんにお店の人気商品を尋ねると、「PC-8801用の『テグザー』なんかは、出るとすぐ売れてしまいますね」という返答。『テグザー』といえば1985年に発売されたゲームアーツの秀作であり、ここまでは何も驚くことはない。しかし、「駒林さんは『テグザー』は当時かなりやったクチですか?」と尋ね、その返事を聞いたとき、筆者は顎が外れそうになった。「まだ生まれていません……」。なんと、彼はまだ20代だったのである。20代にして、筆者の濃いレトロゲーム話に3時間ついてこられる知識の豊富さ……。
六本木パソコンがどうだとか、FM-7のSYMBOLコマンドは便利だとか話せる20代はおかしくないか? ぜひ今度は、駒林さん自身にも焦点を当て、このあたりの謎を解き明かしてみたい。
●BEEP秋葉原店
住所/〒101-0021 東京都千代田区外神田3-9-8 中栄ビル地下1階
TEL・FAX/03-6206-9116
営業時間/11:00〜20:00
定休日/水・木曜
Twitter/ @BEEP_akihabara