仲間と共にスキーを楽しもう!
© Peak Performance
スノーボード

スキー&スノーボード初心者が犯しがちな10のミス

ビギナー必見! 初めてのスキー&スノーボードトリップで注意したいポイントをまとめてみた!
Written by Stuart Kenny
読み終わるまで:8分Updated on
スキースノーボードを始めた直後は多くのことを学ばなければならない。この点については他のスポーツと何も変わらない。
しかし、おそらく他のアウトドアスポーツよりもスロープ上で倒れる回数が多くなることが予想されるので、初のスキー&スノーボードトリップに出掛ける前になるべく多くの情報知識を備えておく方がベターだ。
というわけで、ビギナースキーヤー&スノーボーダーがゲレンデで犯しやすいミスをいくつかリストアップし、その解決方法を紹介することにした。

1. 太陽の存在を忘れている

Mark McMorris and Sebastien Toutant pose for a portrait

マーク・マクモリスとセバスチャン・トータント

© Scott Serfas/Red Bull Content Pool

太陽系の中心に位置し、我々の命の源と言える “炎の星” の存在を忘れてしまうというのは、どうにも不思議な話に聞こえるかもしれないが、冬になると、いとも簡単に忘れてしまう。
そのため、日焼け止めの類いを一切用意しないで雪山に向かい、ゴーグル焼けした自分の姿に落胆してしまうスキー&スノーボード初心者は多い。
我々がこの項で言いたいのは、要するに「日焼け止めを携行しよう」だ。太陽を持ち出したのは、その方が多少盛り上がると思ったからだ。

2. レイヤリングしすぎ

いざゲレンデへ飛び出そう

いざゲレンデへ飛び出そう

© Snowbombing Festival

シットコム『フレンズ』で、ジョーイがチャンドラーの服を全部着込んだシーンがあったことを覚えている人はいないだろうか? あのような姿でスロープに向かうのはNGだ。
もちろん、スキーリゾートがマイナス5度以下になるのは良くあることだが、トゥーマッチなレイヤリングは、体のオーバーヒートに繋がってしまう。そして、呼吸が浅くなり、汗が止まらなくなる上に、荷物もかさばることになる。
そうではなく、優れたサーマルウェアミッドレイヤージャケットだけで良い。通常の気温なら1日中快適に過ごせるはずだ。

3. ゲレンデマップを使わない

ゲレンデマップを携行しよう

ゲレンデマップを携行しよう

© tunaforsslalom.se

初めてチェアリフトで上に登ったあと、一番綺麗に見えるピステを選びたくなる気持ちは分かる。最高のスタートが切れるだろう。
しかし、ひとつ覚えておくことがある。それはどのリフトにも運行時間があり、その多くは16時頃に運行を終えるということだ。
海外の大きなスキーリゾートでは特に注意が必要だが、運行時間のことを意識せず、気の向くままにスキー&スノーボードを続けていれば、日が落ちたあと、バスやタクシーに乗って、遠く離れたホテルやロッジまで戻らなければならなくなる。
ゲレンデマップを細かくチェックし、リフトの運行時間を覚えつつ、その日の大まかな予定を立てよう。ゲレンデマップがあれば自分がどこにいるのかを俯瞰的に理解できるので、無駄なく行動することができる。

4. 最初の30mでコースの難易度を判断する

コースのスタート付近で難易度を判断するのはNG

コースのスタート付近で難易度を判断するのはNG

© Aaron Blatt

チェアリフトから降りたあとに周りを見渡すと、左側にはブルーライン、右側にはレッドラインが見える。レッドは自分には無理なレベルだが、スタート付近はなだらかで、むしろブルーよりも簡単そうだ。
さて、どちらを選ぶべきだろうか?
当然、ビギナーなら正解はブルーだ。しかし、ここでレッドを選んで痛い目に遭っているビギナーは少なくない。スタート付近が緩やかで、その後急激に斜度とテクニックの要求度が高まるブラック(最高難度)のピステも少なくない。
ピステの色はプロが制定したものなので間違いない。ブルーなら、絶対にレッドよりも初心者向けなのだ。
スタート付近が簡単そうに見えるからという理由で無理をしてはいけない。スタート地点からゴール地点までをチェックしたあとで色分けされているのだ。
スキーガイドを付けて挑むなら問題ないが、ひとりや同レベルの仲間同士なら、ゲレンデマップを確認しながら、自分に合ったピステを選ぼう。
※:ピステの難易度は、低い方からグリーン・ブルー・レッド・ブラックとなっている(世界共通)。

5. 平坦なセクションの前で減速する

目の前に急斜面がある。ビギナーなら猛スピードでは滑りたくないと思うだろう。
しかし、そのを見ておく必要がある。というのも、スキーリゾート内には平坦なセクションが数多く存在するからだ。ピステの途中にもそのようなセクションがある。
通常、このような平坦なセクションは、山から山へ向かったり、チェアリフトへ向かったりする接続ルートとして用意されている。
急斜面の先にこのような平坦なセクションが見えている場合は、自分で快適にコントロールできる範囲内でスピードをつけておく必要がある。そうしなければ、平坦なセクションの途中で止まってしまうことになる。
止まってしまえば、スキーヤーなら上腕二頭筋に感謝しつつ、ストックでスケーティングをすればなんとかなるかもしれないが、スノーボーダーは歩く羽目になる。
というわけで、急斜面の先に平坦なセクションが見えた時は、コントロールできる範囲でスピードアップしよう。
カードローナ・アルパイン・リゾート(ニュージーランド)

カードローナ・アルパイン・リゾート(ニュージーランド)

© Miles Holden

6. 合流地点でも前しか見ていない

スキー&スノーボードに熱中していると、ピステは高速道路とは違って、誰もが同じ方向に滑っているわけではないという事実を忘れてしまいがちだ。
スキーリゾートによっては、2本のピステが合流して1本の大きなピステになるセクションや、2本のピステが交差しているセクションがある。
このようなセクションでは、車の運転と同じで、前方だけではなく他の方向から来るスキーヤーやスノーボーダーに注意して、ぶつからないようにする必要がある。常に360°を確認しておけば、安全に1日を過ごすことができる。

7. ジャンプやギャップの直後で止まる

マーク・マクモリス

マーク・マクモリス

© Scott Serfas / Red Bull Content Pool

ある程度のアップダウンがあって小気味よいリズムが楽しめるピステを滑っているとしよう。
小さなドロップがいくつかあり、その直後に何が待っているのかは分からない。今滑っている斜面よりもう少し急な斜面が待っているかもしれない。
注意深いスキーヤー&スノーボーダーなら、このようなセクションでは先を見越して少しスピードを落とすだろう。しかし、「何も起きない」と信じ込んで勢い良く向かい、ギャップをさっと飛び越えていくスキーヤー&スノーボーダーは少なくない。
そのため、このようなギャップのすぐ先、つまりギャップの上にいるスキーヤー&スノーボーダーから見えない場所に止まっていれば、勢い良く向かってくる彼らから視認できないため、大事故に繋がってしまう可能性がある。
よって、ジャンプやギャップのすぐ下で止まるのはNGだ。すぐ後方の友人を待つための "数秒" でも危険だ。後続から見える位置までピステを下がり、横に避けて止まろう。

8. 隣の人を確認する前にチェアリフトのバーを下げる

バーは隣を見てから下げよう

バーは隣を見てから下げよう

© Scott Serfas/Red Bull Content Pool

気持ちは分かる。
金属製ケーブルに何となく接続されているだけの “空飛ぶイス” から落ちたくないので、できるだけ早くバーを下げたいという気持ちは本当に良く分かる。適切な行動とさえ言えるだろう。
しかし、チェアリフトでは、隣のスキーヤー&スノーボーダーの準備が整っているかどうかを確かめてからバーを下げないと、その人の頭をバーで激しく殴ってしまうことになるので注意が必要だ。
バーで殴ってしまった人が赤の他人の場合、リフトに揺られる数分が永遠に感じられるはずだ…。

9. いきなりモーグルのコブに挑戦する

知らない人のために説明しておくと、コブとは、モーグル競技で使用されるコース上に設置されている小さな雪の塊のことで、大半のスキーリゾートには、コブのあるピステがいくつか用意されている。
しかし、コブにいきなり挑むのはテクニック的に不適切で、さらには体力も削られるので、最初はコブとコブの間を抜けていくようにしよう。
初心者なら、ピステ全体を使い、コブを避けながら右から左、左から右へとジグザグに滑り下りるようにしよう。慣れていくに従って、その幅を狭くしていけば良い。
そして、コブを使っても良いレベルまで上達したら、膝を使ってスピードを上手く吸収しながらスキー&スノーボードをコントロールして、リズムを取りながらなるべく直線に近いラインを滑ってみよう。

10. ベッドでゴロゴロする

頑張ってベッドから出れば、こんな景色が楽しめる

頑張ってベッドから出れば、こんな景色が楽しめる

© Alba Pardo

疲れが抜けていないし、筋肉も痛い。昨晩飲み過ぎたのもこのダルさの理由のひとつだろう。しかし、 スキーリゾートにいることを思い出そう!
世界最高レベルで活躍しているスキーヤーやスノーボーダーも毎年「まだまだ滑り足りない」と思っているのだから、時間を無駄にしないでピステへ向かおう!
第一、外に出れば冷気で一気に目が覚める。雪山は二日酔いを治す最良の薬なのだ。そしてピステの上に立てば、30分前にベッドから這い出た自分に感謝するはずだ。さあ、あとは純白の世界を思い切り楽しむだけだ!
スキートリップはアフタースキーも魅力のひとつ

スキートリップはアフタースキーも魅力のひとつ

© Adam Klingeteg

◆Information
・トップアスリートの「心・体・技」を学んでパフォーマンスアップ! 知られざるプロの裏側に迫る『Red Bull Behind the Pro』の特設ページはこちら >> Red Bull Behind the Pro ―プロの裏側―
・ウィンタースポーツ系コンテンツの最新&注目情報を、レッドブル流に発信するプロジェクトが始動。特設ページはこちら >> 違いを生み出せ、この熱い冬。