Running, swimming, cycling. Let's try sitting.
© Red Bull Content Pool
フィットネス

ランナー用ジムエクササイズ 10選

ランニングは身体に良いが、デスクワーク中心の人には悪影響を与えるおそれがある。英国人パーソナルトレーナーがバランス・安定性・強さを備えたランナーになるために必要なジムエクササイズを紹介する。
Written by Ben Longley
読み終わるまで:6分Updated on
ランニング(またはジョギング)はフィジカルとメンタルに素晴らしい効果をもたらしてくれるが、あらかじめ注意しておくべき一連のリスクもある。
多くの人がフィットネスと筋力アップのためにランニングを始めているが、現実を言えば、ランニングを始める前にその状態になっている必要がある。
体重が増えすぎている、またはランニングやジムからしばらく遠ざかっているなら、ランニングで背中・腰・膝・足首・足などに相当なストレスをかけるおそれがある。
また、デスクワーク中心の仕事による全身の筋肉における硬化・弱体化や姿勢の問題が、ランニングによってそれらの問題をさらに悪化する危険性もある。
そこで今回は、全ランナーとこれからランニングを始めようと考えている人のために、バランスが整っていて強く安定した、ランニングプログラムの負荷やストレスを許容できる身体を手に入れるためのエクササイズプログラムをリストアップした。
《注意:各エクササイズの正しいやり方はこの記事では説明していません。フォームが乱れていると身体を痛めてしまうので、ジムで実際にトライする際は、必ずコーチやトレーナーから指導を受けてください》

1:デッドリフト

デッドリフトは身体の後側全体の筋肉を鍛える

デッドリフトは身体の後側全体の筋肉を鍛える

© David Tittle/Red Bull Content Pool

多くのランナーがオフィスワーカーと同じ姿勢の問題(猫背・硬化した大腿四頭筋・股関節屈筋)に悩まされているが、対立筋群“ポステリアル・チェーン”(頭からつま先までを繋げている身体の後側の筋群の総称)を鍛えるデッドリフトはそのパーフェクトなソリューションになる。
デッドリフトは全身の筋肉バランスの調整正しい姿勢の維持、ランニングによる筋肉の不均衡や酷使による怪我の緩和の助けになる。

2:スクワット

スクワットは大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリング・上背部を刺激する

スクワットは大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリング・上背部を刺激する

© Jan Kasl

スクワットは正しく行えば可動性ストレングスに効果的なあらゆるムーブメントを同時にこなせるので、誰もがプログラムに加えるべきエクササイズだ。
大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリング・腰の強化に向いているスクワットは、痛み・怪我知らずで走れるストレングスを身につける助けになる。

3:ランジ

Joe Canning hamstring exercises – lunges with weights.

Like running, lunges require a great amount of strength and stability

© Dan Sheridan/INPHO

ランジとランニングは動きがかなり似ている。ランジは優れたランニングに必要な身体部分にかなり近い部分に働きかける。
ウォーキングランジは基本的には動作が大きいスローモーションランニングと同じで、通常のランニングよりもストレングス可動性・安定性が必要になる。
ウエイトを加え、尻・膝・足首・足が正しく安定している状態でランジが行えるようになることは、あらゆる定期的なランニングトレーニングを始める前の必須条件と言える。

4:フェイスプル

誰もが悩まされる猫背の解消に効果的な定番エクササイズがフェイスプルだ。フェイスプルは上背部や肩にあるすべての姿勢筋を強化し、上半身を起こしたランニングフォームを実現する助けになる。

5:モンスターウォーク

モンスターウォークでは大臀筋の燃焼が感じられる

モンスターウォークでは大臀筋の燃焼が感じられる

© Ben Longley

両方の足首にレジスタンスバンドをかけて左右に歩くだけのモンスターウォークは簡単なエクササイズに思えるかもしれないが、大臀筋が極めて速やかに燃焼しているのが感じられるはずだ。
座っている時間が長い現代人の多くは大臀筋を使う機会が少なくなっているが、大臀筋や臀部の補助筋群に効果があるこのアイソレーション・エクササイズは大臀筋を鍛えるのに最適だ。強い大臀筋は腰・膝・足首・足をサポートしてくれる。

6:ファーマーズウォーク

ウエイトを手で持ち運ぶエクササイズカテゴリー “ローデッド・キャリー” に含まれるファーマーズウォークは、中程度のウエイトを両手にひとつずつ持って歩くだけのエクササイズだ。
この非常にシンプル(だが簡単ではない)エクササイズはどのスポーツにも大きな波及効果が見込める。
ファーマーズウォークは歩行パターンで使うあらゆる部分の強化・安定化に役立つため、より優れたランニングとより高負荷・長時間に耐えられる身体作りの助けになる。

7:ベアクロール

クロールはフィジカルへの要求度が高いエクササイズだが、神経系にもメリットがあり、回復効果が高い。
人体は神経系によってコントロールされており、腕と尻ををクロスパターンで動かして進むベアクロールによって、我々人間は歩行(とランニング)に必要なストレングス運動制御を手に入れた。
四つん這いになりながら進めば、身体を効率的に動かしてランニングするために必要な脳と神経系の “回路” の維持と強化に役立つ。
(赤ちゃんの “はいはい” とは異なり)床から膝を浮かすことで必要なストレングスやコントロール、安定性がレベルアップするので、ランニングのパフォーマンスとキャパシティに大きな波及効果をもたらすことができる。

8:スレッドプッシュ&プロウラープッシュ

このエクササイズはかなりハードで、脚のストレングスやパワーだけでなく、心臓血管系のフィットネスも鍛える。ランニングで坂を攻略する必要があるなら、スレッドプッシュは優れたトレーニングツールになるだろう。

9:ハンギング&ハンギングレッグレイズ

バーに掴まってぶら下がるだけでも、ランナーのフィジカルにいくつものメリットがある。たとえば、脊椎を伸ばして間隔を調整し、肩の運動性と安定性を高め、腕の筋肉と握力を鍛えられる。
数セットに分けても、1日で分けても良いので、5分ハンギングできるか試してみよう。膝や脚をリフトすれば難度が高まり、腹筋や股関節屈筋の強化にも役立つ。

10:ワールドグレイテストストレッチ

今回のリスト中で唯一のストレッチエクササイズがその名もワールドグレイテストストレッチ(「世界最強ストレッチ」)だ。運動性や柔軟性を向上できるエクササイズは数多く存在するが、一石二鳥の効果を持つワールドグレイテストストレッチは最も優れている。
脚を前後に大きく開いたランジポジションは後脚側の股関節屈筋を伸ばすのに最適で、前脚側のワイドスタンスは内転筋鼠径部と大臀筋を伸ばしてくれる
このポジションから胸椎(上背部)を伸ばしながらひねりを加えれば、可動性が大きく高まる。このストレッチはランニングと同じ筋肉群と筋膜に働きかけるので、ランニングの可動性にそのまま反映される。

ベン・ロングリー:プロフィール

ベン・ロングリーはパーソナルトレーナーとして12年の経験を持ち、メルボルンのセントキルダでパーソナルトレーニング&グループトレーニング施設The Fit Stopのオーナーを務めている。専門分野はストレングストレーニング / ファンクショナルムーブメント / 体脂肪燃焼。
詳しくはこちら>> The Fit Stop(英語サイト)
▶︎新たにランニング生活をスタートする・させた初心者ランナーを全力サポート。【トレーニング方法・リカバリー方法・アドバイスなど】を知っておきたい情報をまとめたページは こちら>>