Carissa Moore does a frontside air
© Trevor Moran
サーフィン
知っておくべき海外女性サーファー 10選
現役からレジェンドまで、1990年代から2020年代のサーフ史に燦然と輝く女子サーファー10人をピックアップ! 彼女たちを抜きにサーフシーンは語れない!
Written by Red Bull Editorial Team
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当然の話だが、どんなときもランキングの作成は大変だ。なぜなら、満場一致にはなることはないからだ。そこで、先に明確にしておくが、今回の『女性サーファー10選』にはいくつかのルールがある。今回の選出基準は影響力で、対象期間は過去30年だ。また、掲載順に意味はない。
とはいえ、今回ピックアップした女性全員がそれぞれサーフィンというスポーツを大きく変えたことは確かだ。彼女たちを知り、讃え、サーフィンを楽しもう!
01

ベサニー・ハミルトン

  • スタンス:グーフィー
  • 生年:1990年
  • 身長:180cm
  • ホームタウン:ハワイ州カウアイ島(米国)
ベサニー・ハミルトン
ベサニー・ハミルトン© Rip Curl
カウアイ島出身のベサニー・ハミルトンのようにサーフシーンを遙かに超えた知名度を獲得しているトップサーファーは男女問わず多くない。
少女時代からアマコンペシーンで成功を収めていたベサニーは、2003年に体長4.3mの巨大なサメに左腕を食いちぎられ、病院搬送時には血液の60%を失っていたほどの大怪我を負ったが、なんとか一命を取り留めた。以上が彼女のストーリー… ではない。
2004年に自伝『ソウル・サーファー』を上梓したベサニーは、片腕でのパドリングとライディングを学ぶとプロサーフシーンへ復帰したのだ。この大復活でオプラ・ウィンフリーとエレン・デジェネレスのトークショーや人気番組『Tonight Show』などへ出演した彼女は、さらには映画版『ソウル・サーファー』もヒットさせた。
また、現在は妻・母でもあるベサニーは、最新映画『Unstoppable』で地球最大のビッグウェーブ “ジョーズ” に挑んでいる。彼女は真の “リビングレジェンド” なのだ。
02

カリッサ・ムーア

  • スタンス:レギュラー
  • 生年:1992年
  • 身長:170cm
  • ホームタウン:ハワイ州オアフ島(米国)
2分RISS(トレーラー映像)
見る
スペイン語 +2
ハワイ・ホノルル出身のWSL現女王カリッサ・ムーアはキャリアピークを迎えている… いや、実はピークはまだ先かもしれない。すでに5回WSLのワールドチャンピオンに輝いている彼女は、あと2回、いや、3回はタイトルを獲れる可能性がある。また、彼女は初代オリンピック女王でもある。
カリッサは、00年代に圧倒的な強さを見せて女子ワールドチャンピオンに7回も輝いてきたステファニー・ギルモアの牙城を崩し、自分が女子史上最強のパワーを備えているサーファーであることを証明した。
コンペの実況席を和ませる笑顔と強烈なライディングが魅力のカリッサは真の「ハワイ」のアンバサダーだ。常に優しい口調で話す彼女には慈悲深くて温厚な性格が伝わる雰囲気が備わっている。もちろん、これは彼女が海で全開のサーフィンをしていないときの話だ。
03

キアラ・ケネリー

  • スタンス:グーフィー
  • 生年:1978年
  • 身長:168cm
  • ホームタウン:ハワイ州カウアイ島(米国)
キーラ・ケネリー
キーラ・ケネリー© Adam Carbajal
強い信念を持ち、ブレと恐れを知らないキアラ・ケネリーはビッグウェーブサーファーとしての知名度が高いが、元々はコンペシーン出身で、2003年にはASP Women’s World Tour総合2位に入り、ワールドチャンピオンまであと一歩に迫ったこともある。
しかし、彼女(現在はDJとして成功を収めている)が真の才能を発揮したのは、その後に取り組んだビッグウェーブサーフィンだった。チョープーでのBillabong Pro2回制した彼女は、Triple Crownも制覇しており、さらにはBillabong XXL Girls Performance Awardにも2回輝いた。
また、ケネリーは高身長ではないにもかかわらず、2016年にチョープー女子最大のビッグウェーブを乗りこなして女子サーフシーンにその名を永遠に刻みつけることにも成功している。
04

レイン・ビーチリー

  • スタンス・レギュラー:
  • 生年:1972年
  • 身長:165cm
  • ホームタウン:ニューサウスウェールズ州マンリー(オーストラリア)
レイン・ビーチリー
レイン・ビーチリー© [unknown]
コンペでは勇猛果敢だが普段は冷静で気品に溢れるオーストラリア出身のレイン・ビーチリーのように女子プロサーフシーンを圧倒したサーファーはいないに等しい。
1990年代を通じてシーンを支配していたリサ・アンダーセンを倒したレイン・ビーチリーは、1998年から2006年にかけてASPワールドチャンピオン7回も輝いた(6連覇を含む)。
また、サーフィンの真のアイコンで、オーストラリアの国宝でもあるビーチリーは地域社会と様々なチャリティー団体への貢献が評価されてオーストラリア勲章を受勲している他、2000年にはオーストラリアスポーツメダルも授与されている。
05

リサ・アンダーセン

  • スタンス:レギュラー
  • 生年:1969年
  • 身長:170cm
  • ホームタウン:フロリダ州オーモンドビーチ(米国)
リサ・アンダーセン
リサ・アンダーセン© Roxy
『スポーツ・イラストレイテッド』誌が選ぶ “20世紀最高のスポーツウィメン” のひとりに選ばれていることからも分かる通り、女子サーフィンは “リサ・アンダーセン前・後” で区切られる。簡単に言えば、リサ・アンダーセンは女子サーフシーンを完全に変えたのだ。
柔らかい口調とスタイリッシュなルックスで知られる彼女は1990年代半ばにASPワールドチャンピオン4回輝いており、1997年のキャリアピークでは、ASPツアー4勝をマークした。
1990年代のサーフ雑誌の表紙を飾ったアンダーセンの美しいテールスライドは、当時のサーフシーンが男性主体だったことを踏まえると、非常に印象的で強烈なメッセージだった。当時のサーフ雑誌の女性は広告専門の存在であり、しかもほぼ全員がビキニ姿だった。
このような時代におけるリサ・アンダーセンのサーフィンとスマートでクールな出で立ちはRoxyのようなブランドの誕生に繋がり、サーファーガールのイメージを一新することになった。
06

ジャスティン・デュポン

  • スタンス:レギュラー
  • 生年:1991年
  • 身長:178cm
  • ホームタウン:ナザレ(ポルトガル)
ジャスティン・デュポン© Fred Pompermayer/Red Bull Content Pool
現在、ジャスティン・デュポンは地球で最も優れている女性チャージャーだ。世界ジュニア選手権2位に入った彼女はマルチタレントティーンライダーとして活躍した経験を持ち、SUPのワールドチャンピオンロングボードの世界2位を手にしている。
その後、2012年にビッグウェーブに魅了されたフランス出身の彼女は、間もなくしてヨーロッパ最大のビッグウェーブサーフポイントとして知られるナザレへ移住。デュポンは移住後に大きな成長を遂げ、Nazaré Tow Challenge2回制した他、いくつものXXL / ビッグウェーブサーフ関連の賞を受賞した。
また、2021年にはハワイのジョーズでキャリア最大のビッグウェーブをクリアした週にカリフォルニアのマーベリックスで同サーフポイント最大級のスウェルを制覇している。恐ろしいのは、デュポンのキャリアはまだ始まったばかりということだ。
07

ペイジ・アームズ

  • スタンス:レギュラー
  • 生年:1988年
  • 身長:180cm
  • ホームタウン:ハワイ州マウイ島(米国)
ジョーズを攻めるペイジ・アームズ
ジョーズを攻めるペイジ・アームズ© Erik Aeder
ビッグウェーブサーフィンでは、マヤ・ガベイラのようなトーインに挑む女性サーファーにスポットライトが当たりがちだが、パドルインのビッグウェーブサーフィンが再び注目されている今、ペイジ・アームズもスポットライトが十分に相応しい存在と言える。
長い脚と美しい笑顔がトレードマークのマウイ島ノースショア育ちのこのチャージャーは、世界で最も恐ろしいビッグウェーブ(ペイヒ)でのパドリングの可能性を再定義したことで、シェーン・ドリアン、ビリー・ケンパー、イアン・ウォルシュをはじめとするジョーズのエリートサーファーたちの仲間入りを果たしている。
また、彼女は、ジョーズで開催されたWLS Big Wave World Tour全4回のうち3回を制しており、中でもcbdMD Jaws Big Wave Championshipsでのパフォーマンスは突出していた。
08

ソフィア・ムラノビッチ

  • スタンス:レギュラー
  • 生年:1988年
  • 身長: 165cm
  • ホームタウン:リマ(ペルー)
1分ソフィア・ムラノビッチ
見る
小柄だが恐れ知らずでスタイリッシュなペルー出身サーファー、ソフィア・ムラノビッチ史上初を記録した女子サーファーのひとりとして歴史にその名を残すだろう。ソフィアは2004年にレイン・ビーチリーの連勝記録を止めて、男女史上初の南米出身ASPワールドチャンピオンとなった。
のちの南米出身ワールドチャンピオンたち(アドリアーノ・デ・スーザ、ガブリエウ・メジーナ、イタロ・フェレイラなど)に扉を開くことになったソフィアは、サーフィンの進化とグローバル化の新章を記した。
当然ながら、ムラノビッチはこの功績によって地元ペルーでは瞬時にセレブリティのひとりとなったが、真のチャンピオンである彼女はその後もサーフィンを続け、謙虚かつ冷静に名声を扱っていった。
09

ステファニー・ギルモア

  • スタンス:レギュラー
  • 生年:1988年
  • 身長:180cm
  • ホームタウン:ニューサウスウェールズ州キングスクリフ(オーストラリア)
ステファニー・ギルモア
ステファニー・ギルモア© ASP
レイン・ビーチリーの7連覇を破ることは未来永劫不可能だと世界が考えていた2007年、もうひとりのオーストラリア人サーファーがシーンに颯爽と登場し、さらにはビーチリーの記録に並んだ(2022年4月現在)。
世界一スタイリッシュなサーファーと評価されることも多いWSL女子ワールドチャンピオン7回獲得しているステファニー・ギルモアのライディングは、観客全員の心を掴んで離さない。
快活な性格だがエレガントな雰囲気を備えているステファニーはタイトルを7回獲得したあとも、引退を考える余裕がないほど自分のサーフライフを楽しんでいるように思える。彼女なら8回目のタイトル獲得も十分に考えられる。
10

キャロライン・マークス

  • スタンス:グーフィー
  • 生年:2002
  • 身長:165cm
  • ホームタウン:フロリダ州メルボルンビーチ(米国)
3分キャロライン・マークス:Raw
2019年のワールドツアーをカリッサ・ムーアに次ぐ2位でフィニッシュしたフロリダ州出身のキャロライン・マークスは、ツアー2年目で早くも世界に自分の存在をアピールした。ちなみに、16歳でツアーデビューを飾っていた彼女はこのときまだ17歳だった。
非常に強力なバックハンドアタックを備えているパワフルなグーフィーライダーのキャロラインは、女子の次世代を担うサーファーと目されており、東京でも4位に入る活躍を見せた。
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