Gaming
『リーグ・オブ・レジェンド』(以下『LoL』)は最も権威のあるeスポーツタイトルだ。
過去14年間でこのタイトルはいくつもの世界記録を打ち立てており、今も様々な記録やレガシーが生まれている。今回はその偉大な歴史の一部として未来永劫その名を残すことが約束されている6つのレジェンドチームを紹介しよう。
01
T1
SK Telecom T1としてスタートし、多くのタイトルを得てきたT1の長く輝かしい歴史を支えてきたロースターの中からベストを選ぶのは難しい。
しかし、Worlds連覇を達成した2015シーズンと2016シーズンに所属していた天才ジャングラーBengi、神ミッドレーナーFaker、そして無双ボットコンビBangとWolfは突出している。また、両シーズンはトップレーナーも素晴らしく、2016シーズンはDuke、2016シーズンのMaRinがチームを支えた。
02
Samsung
SamsungはT1と同じく韓国のチームだ。ここでは複数のSamsungをひとつにまとめて、Worldsを複数回制したチームとして紹介する。
2014シーズン、当時のSamsungはSamsung WhiteとSamsung Blueという2チームで構成されており、この2チームがWorldsのセミファイナルで激突することになった。しかし、蓋を開けてみると強力なボットコンビImpとMataを擁するWhiteが3-0で完勝。次のファイナルもStar Horn Royal Clubを3-1で下して優勝した。
その後、WhiteとBlueはSamsung Galaxyとして統合され、2016シーズンにはWorldsのファイナルに進出。このときは連覇を狙うSK Telecom T1(当時)を相手に大接戦を演じたあと3-2で敗れたが、2017シーズンのWorldsのファイナルではSK Telecom T1に3-0で完勝して雪辱を果たし、Fakerにキャリア初の “Worldsファイナル敗退” を手渡した。
03
EDward Gaming
韓国勢と同じくらい長い歴史を持つEDward Gamingは2013シーズンから『LoL』のプロシーンで活躍しており、今もトップに位置している。『LoL』の中国シーンは非常にレベルが高いことで知られているが、EDGはなんとLPLを6回も制しており、これはLPLのライバルチームを寄せ付けない大記録となっている。
国内リーグでは圧倒的なEDGだが、インターナショナルシーンでは長年成功を収められていない。Worldsではクォーターファイナル敗退を4回記録しており、2017シーズンはグループリーグで敗退した。
2015シーズンのWorldsでの対Fnatic戦での3-0完封負けは、同年のMid-Season Invitational(MSI)でSKTを3-2で破って優勝したあとだっただけに、特に苦い記憶として残っている。
しかし、インターナショナルシーンでの成功が難しいと考えられていた中、2021シーズンにEDGは遂に長年の夢を現実に変えた。優勝候補のDplus Kiaに3-2で勝利してWorldsを制したのだ。
この勝利を支えたのは過小評価されてきたミッドレーナーScoutの活躍だったが、彼よりも褒めるべきは、9シーズンに渡ってこのチームに残り続け、前述のMSIとこのWorldsの両方で活躍したレジェンドサポートMeikoだろう。
04
G2 Esports
次はヨーロッパで最も大きな成功を収めているG2 Esportsだ。『LoL』のヨーロッパシーンの “王” はおそらくFnaticで、実際Fnaticは2011シーズンに記念すべき第1回Worldsを制しているが、eスポーツはこのときから大きく変わっている。G2はLCS(現LEC)に2016シーズンから参加しているが、すでにFnaticの2倍のタイトル獲得数を誇っている(LEC優勝14回)。
しかし、G2最大の偉業は、北米のTeam Liquidに完勝(BO5最速勝利記録更新)してMSIを制覇し、東と西の実力差を詰めることに成功した2019シーズンだろう。
Wunder、Jankos、Caps、ミッドからボットへコンバートしたPerkz、そしてMikyxを擁していたこのときのロースターはG2史上最強ロースターのひとつだったが、同時に最も革新的なロースターのひとつでもあり、Spring Splitのプレイオフファイナルでのファンネリングや《パイク》のトップレーン配置などの意外な戦術を次々と披露して対戦相手の裏をかき続けていた。
残念ながら、同年のWorldsは、ファイナルでホームチームのFunPlus Phoenixに3-0で完敗したが、G2の2019シーズンは多くのファンの記憶に残り続けるだろう。
05
Cloud9
北米で頭ひとつ抜きんでているのがCloud9だ。Cloud9は残念ながらすでに『LoL』から撤退しているTeam SoloMidよりもタイトル獲得数がひとつ少なく、Team LiquidやCounter Logic Gamingのようにインターナショナルレベルでのファイナル進出経験もないかもしれないが、“安定感” はどのチームよりも優れている。
2013シーズンのSummer SplitでCloud9が参戦したことで、LCSは大きな変化を迎えた。Balls、Meteos、Hai、Sneaky、LemonNationのロースターは25-3という圧倒的な戦績でレギュラーシーズンを終えると、プレイオフファイナルでもTSM相手に3-0で完勝した。
北米チームはWorldsで成功を収められていないが、Cloud9は常に下馬評を覆してきた。彼らが北米最後のチームとしてトーナメントに残り続けたことは少なくなく、クォーターファイナル進出5回を記録しており、2018シーズンには北米チーム最高成績となるセミファイナル進出を果たしている。
06
Taipei Assassins
今回のリストの最後を飾るのは、『LoL』史上最も “意外な” チームだ。Taipei Assassins(TPA)は上記の他のチームのように安定した結果を残してきたチームではないかもしれないが、その漫画のようなサクセスストーリーはリスト入りに値する。
『LoL』の大ファンなら、Worlds 2012以前のTPAが優秀だったことを知っていたが、多くのファンは彼らの存在をほとんど知らず、Azubu FrostやMoscow Fiveのようなトーナメントの常連には遠く及ばないと思っていた。
多くのファンがToyzの伝説的な《オリアナ》を覚えているはずだが、TPA最大の特長は素晴らしいチームワークと高い戦術理解度にあった。実際、彼らの戦術の多くは、現在のマクロの基礎となっている。TPAの『LoL』に与えたインパクトの大きさは無視できない。
▶︎RedBull.comでは世界から発信される記事を毎週更新中! トップページからチェック!