ベストラリーゲーム 7本
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ベストラリーゲーム 7本
ラリーゲームの歴史をコ・ドライバーとしてナビゲートしながら、ベストゲームを紹介していく。
Written by Curtis Moldrich
読み終わるまで:6分Published on
2015年はラリーゲームがメインストリームに大きく進出した年だった。『 Forza 6』や『 グランツーリスモSPORT』、『Project CARS』などのサーキットレーシングゲームと肩を並べるように、ステージやジャンプを擁し、自然を相手にしたドライビングスキルを試す『 DiRT Rally』や『 Sebastian Loeb Rally Evo』などのオフロードレーシングゲームが登場した。しかし、実を言えば、この人気は今日に始まったものではない。オフロードレースは、昔からレーシングゲームの重要な一部を担ってきたのだ。
ラリーゲームは、オールドスクールなアーケード筐体からPS4に至るまでのあらゆるプラットフォームで、記憶に残る最高のレーシング・エクスペリエンスを生み出してきた。過去20年に渡り、プレイヤーたちはドリフトやハンドブレーキ・ターン、スカンジナビアンフリックをしながら、数多のオフロードレーサーたちと戦ってきた。今回はその中からクラシックと呼べるタイトルを紹介する。
『リチャード・バーンズ ラリー』
英国が誇るラリーレーサー、リチャード・バーンズの名前を冠したこのゲームは、『コリン・マクレー』シリーズのライバルとして見なされていないのが現状だが、ライバルに値する実力を備えている。2004年にPS2、Xbox、PCでリリースされたこのゲームには、ラリー史上最高のグラフィック、リアルなハンドリング、見事な物理演算が組み込まれていた。リリースから11年が経ったが、このゲームは今でもプレイされており、熱心なオンラインコミュニティによって毎年何かしらのアップデートや修正が行われている。元々はオフライン限定のゲームとして開発されたが、長い時間を経たあと、モッダーたちの手によって充実したオンラインモードが追加されている。
『ラリークロス』
現在でもベストラリーゲームの1本に数えられる『ラリークロス』は、1997年にPS1でリリースされると、その当時は非常に革新的だったヴィジュアルと素晴らしいゲームプレイでゲーマーたちを感動させた。流麗なスタイルが売りだった後出の『セガラリー』とは異なり、『ラリークロス』はラリーのラフな魅力を前面に押し出していたため、プレイヤーは砂地や泥、水たまりなどに加え、様々な悪路に挑まなければならなかった。バンプでは車体が大きく振り回され、厄介な地形を上手くナビゲートしなければ1位でフィニッシュするのは不可能だ。エキサイティングなシーズンモードや対戦モード、そして美しいラリーカーを擁している『ラリークロス』はラリーゲームを代表する作品だ。
『セガラリーチャンピオンシップ』
一時期どのアーケードにも置かれていた『セガラリーチャンピオンシップ』は、ラリーを世間に紹介したゲームだ。『リッジレーサー』に代表される、当時の他の一般的なアーケードレーシングゲームとの差を付けるべく、『セガラリー』はダートを舞台に設定し、それが大ヒットの要因となった。1995年にリリースされたこの『セガラリーチャンピオンシップ』は革新的なゲームで、それぞれ異なるハンドリングが要求されるグラベル、ダート、ターマックがひとつのゲームにまとめて取り入れられたのは、このゲームが初めてだった。また、収録されていた車種も素晴らしく、プレイヤーたちはラリーのアイコンToyota Celica GT-Fourやカルト的人気を誇るLancia Delta HF IntegraleやLancia Stratos HFをドライブできた。のちにセガサターン、ゲームボーイアドバンス、PS2にも移植されたが、最もピュアな形でラリーの魅力を伝えているのはアーケード版だろう。
『コリン・マクレー ラリー』
1998年にPS1とPCでリリースされた『 コリン・マクレー ラリー』は今でもオールタイムベストラリーゲームの1本として高く評価されている。英国が誇るトップラリーレーサー、故コリン・マクレーからアドバイスを受けながら開発されたこのゲームは、ヴィジュアルこそお粗末だったが、持久力と忙しないドライビングが要求されるこのモータースポーツの特徴を見事に捉えていた。
マクレーの愛車Subaru Imprezaを始め、数々のクラシックラリーカーが登場するこのゲームで、プレイヤーはコ・ドライバーが音声で指示する中、好タイムを目指して難しい地形を走破しなければならない。ステージとステージの間に車体の修理もしなければならなかった『コリン・マクレー ラリー』は、今でもやり応えのある、最も完成されたゲームのひとつだ。
『Colin McRae: DiRT 2』
2009年にリリースされたこの『Colin McRae: DiRT 2』は、コリン・マクレーの名前を冠しているものの、それまでのシリーズとは大きく異なる方向性が打ち出された作品だった。今作では、それまでのシミュレーションを重視した方向性が破棄され、完全に新しい架空のステージが大量に取り入れられた。
また、プレイヤーたちは公式なラリーカーの代わりに、ラリークロスやデザートバギーなど様々な車両のドライブも可能になった。しかし、『DiRT 2』のハイライトはなんと言っても、そのキャリアモードだろう。新進気鋭のドライバーとしてプレイするこのモードは、正確なハンドリングと美しいヴィジュアルを斬新なストーリーと組み合わせており、この作品をユニークな存在にしている。
『WRC 3』
World Rally Championshipの公式シリーズの中で恐らくベストと呼べる『WRC 3』は、2003年にリリースされると同時にラリーゲームの基準を一気に引き上げた。公式ライセンスを取得していたこのゲームには、自分の名前を冠した他のゲームをリリースしていたコリン・マクレーを除くWRC参戦ラリードライバー全員と、14の開催地が実名で登場していた。
しかし、WRCをタイトルに冠していたにも関わらず、この作品はWRCをそこまで忠実に再現していない。WRCに参戦している全車種が収録されている一方で、その全車種には “エクストリーム” バージョンも収録されていた。この “最終形態” とも呼べるバージョンは破壊的なパワーが備わっており、プレイヤーは超高速ラリーが楽しめた。
『V-Rally 3』
Infogramesの『V-Rally』シリーズは、家庭用ゲーム機史上最高のラリーゲームという評価を得てきたが、その評価を決定的なものにしたのがこの『V-Rally 3』だった。
シリーズ初のPS2作品だった『V-Rally 3』は、コンソールのパワーを活かした大幅なスケールアップに成功しており、実在する6人を含む総勢80人のドライバーと大量の車種を誇った。また、4ステージ構成のコースが6種類、合計24ステージのスケール感も売りだった。連続ジャンプのフィンランドからスピーディーなアスファルトのドイツまで、各ステージが細部にまで拘って作られている『V-Rally 3』は、シリーズを通じて最も魅力的で本格的なタイトルだ。
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