Gaming
「ビデオゲームにおける人工知能(AI)は、コンピュータアルゴリズムやプログラミング技術を使用して、ゲーム内の非プレイヤーキャラクター(NPC)の知的行動や意思決定能力を作成することを指します。目的は、NPCがより人間らしいプレイヤーのように振る舞い、より没入感のあるゲーム体験を提供することです」
これは「ビデオゲームにおける人工知能とは?」という質問に対するChatGPTの回答の一部だ。現在、いくつかの単語やフレーズから記事や詩、メールなどを記述できるこの人工知能プラットフォームを取り巻く盛り上がりは留まるところを知らない。
しかし、ビデオゲームシーンではAIは黎明期からトピックとなってきた。NPCの行動のコントロールや環境の変化など、様々なタスクを完了するゲーミングAIは長い時間をかけてその知性に磨きをかけている。そこで今回は優秀なAIが実装されているビデオゲームを5本選んで紹介する。
01
『シャドウ・オブ・モルドール』
2014年にリリースされたアクションRPG『シャドウ・オブ・モルドール / Middle-Earth: Shadow of Mordor』は、『ロード・オブ・ザ・リングス』シリーズと『ホビット』シリーズのファンにとって最高の作品であると同時にその優れたAIによって今も人気を維持している作品だ。
『シャドウ・オブ・モルドール』には “ネメシスシステム” と呼ばれる敵キャラクター専用のAIシステムが実装されており、敵キャラクターがゲームを通じて進化する上に、ゲームそのものも変わっていくようになっている。敵のエリートキャラクターはそれぞれ個性を備えておりゲーム中に階級が上下する他、勢力争いによって敵同士のライバル関係や味方関係も築かれていく。
プレイヤーはこのような関係や成長を上手く利用して、敵キャラクターたちが自分のために敵組織内で行動を取るように仕向けることができる。また、敵キャラクターたちは、プレイヤーと戦ったり、プレイヤーを追ったりしていないときは、ゲーム内で自分の好きなように行動を取るようになっている。
続編『シャドウ・オブ・ウォー / Middle-Earth Shadow of War』は “ネメシスシステム” をさらに進化させているが、このユニークなAIシステムが初めて実装された作品という理由で『シャドウ・オブ・モルドール』は今でも知名度が高い。
26分
第6話: Atari
第6話: ノーラン・ブッシュネルは人を惹きつける魅力とエレクトロニクスの才能を備えている。そしてこのビジネスマンは、ビデオゲーム『Pong』を開発したことで世界のエンターテインメントを永遠に変えた。人間にとっての “ゲーム” に革命を起こしたシリコンバレーの父と呼ばれる人物に焦点を当てる。【世界に衝撃と革命を起こした創造主たち(シーズン1/日本語字幕)】
02
『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』
小島秀夫が監督を務めたレジェンドステルスアクションゲームシリーズの最終作は今も最高のオープンワールドタイトルのひとつに数えられているが、その評価の理由には、ゲーム内世界の素晴らしさだけではなく、敵キャラクターの先進的なAIも含まれている。
このゲームの敵キャラクターたちはプレイヤーの行動に反応して行動を取るため、プレイヤーは常に新しいタスクに挑まなければならなくなる。敵基地への侵入を夜間に繰り返していれば、敵キャラクターたちは暗視ゴーグルを装着するようになる。また、彼らを気絶させる回数が増えれば、気絶している仲間を起こすと同時に警報を鳴らすようになる。
このゲームでは複数のシステムが連動するようになっているため、プレイヤーは何回もプランを練り直さなければならない。
03
『Forza Motorsport』&『Forza Horizon』
レーシングゲームにおけるAIと言われれば、通常なら自分と表彰台を争うライバルマシンか自分のすぐ後方でまるでゴムひもに引かれているかのように理想のラインを走り続けるゴーストマシンを思い浮かべるはずだ。
XboxとPCで展開されてきた『Forza』シリーズはそれら以外のAIの可能性を示してくれている。このシリーズには “Drivatar” と呼ばれるAIシステムが第5作から実装されているのだ。先進的なAIと機械学習、クラウドによって、このAIドライバーはプレイヤーのドライビングのクセをリアルに再現してくれる。
両シリーズでは、自分や他のプレイヤーが特定のマシンで特定のルートを走ればどうなるのかをリアルタイムで計算し、それを挙動として再現できる。
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7分
【ベルギー】ゲームの世界でVRドライブ
ベルギーGPの準備を進めるマックス・フェルスタッペンが、VRゲームで多彩なゲストたちと様々なチャレンジに挑む。
04
『Red Dead Redemption 2』
Rockstar Gamesが西部時代を描いた『Red Dead Redemption 2 / レッド・デッド・リデンプション2』は2018年のリリース以来いくつもの賞を受賞してきた。しかし、このオープンワールドタイトルのAIの活用方法が称賛される機会は少ない。
この作品でプレイヤーが出会うキャラクターはそれぞれ独自の生活を営んでおり、家事をこなし、仕事へ向かい、買い物に出掛ける。同時に、NPCはプレイヤーのルックス(洋服やその清潔さ)に基づいた行動を取り、プレイヤーとの直前の出会い(会話)を考慮する。
このような挙動はゲーム内の動物にも当てはまり、熊や狼、鹿、ワニなどもリアルな行動を取る。これらの機能により、『Red Dead Redemption 2』は全体的に非常にリアルな雰囲気を携えることに成功している。
05
『BioShock Infinite』
ビデオゲームでAIが活用されているのは敵キャラクターやNPC、ゲーム内世界だけではない。一部のゲームでは、プレイヤーの味方キャラクター(相棒)にも活用されており、例としては『The Last of Us』のエリー、『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』のアトレウス、『プレイグ テイル -イノセンス-』のユーゴなどが挙げられる。
しかし、最高に賢いAI味方キャラクターは『BioShock Infinite / バイオショック インフィニット』のエリザベスだろう。2013年にリリースされたこの作品の中で、プレイヤーは彼女と一緒に浮遊都市コロンビアを探索することになる。
他のいわゆる “相棒” とは異なり、エリザベスはその優秀なAIでプレイヤーを本当の意味で助けてくれる。プレイを進めていくとすぐに彼女が「プレイヤーが助けなければならない一般的な可哀想な少女」とは異なり、「自分で自分の面倒を見ることができる少女」であることが分かる。
エリザベスは時間と空間を上手く活用して役に立つアイテムを入手してくれる上に、銃撃戦では自主的にプレイヤーを援護してくれる。そのリアルな描写とアニメーションによって、彼女はまるで生きているように感じられる。
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