フリースキー
『Black Canvas』:ニコ・ポーティアスの摩訶不思議CGIフリースキー動画
牧草地に雪山が出現?? 北京2022金メダリストのニュージーランド人フリースキーヤーの最新動画と撮影秘話をチェック!
ニコ・ポーティアスの動画『Blank Canvas / ブランク・キャンバス』にはいくつかの "初" が含まれている。まず、この動画にはスキーシーン初のCGIアニメーションが使用されている。また、ニュージーランド・南島の南端に位置するサウスランドの牧草地で初めてフリースキーをした作品でもある。
では、この動画はどのように制作されたのだろうか? ポーティアスをキャッチして、撮影秘話や本人が “クリエイティブ・プロセス” と呼ぶスキーと音楽・アートの関係、そしてこの動画がきっかけで生まれた新たな情熱などについて語ってもらった。
ページ最上部の動画をチェックしたあと、ポーティアス本人による『Black Canvas』の解説を読み進めてもらいたい。
『Black Canvas』は自分とスキーに対する考え方を表現した作品
『Black Canvas』は僕自身、そして山をキャンバスに見立てている僕の視点を表現した作品です。僕は毎日スキーをするために山へ向かっています。そして、駐車場に車を停めたあと、目の前にそびえる山を見て、「このプレイグラウンドで何ができるだろう?」と考えるのです。
僕はスキーを “クリエイティブ・プロセス” として捉えています。アーティストが絵を描く前にキャンバスを眺めるのと同じです。スキーは僕のクリエイティブなアウトプットなのです。
『Black Canvas』はこの考えがベースになって生まれました。そして、制作を担当したHunt Cinemaと一緒にCGIアニメーションをスキーエディットに持ち込むというアイディアを思いつきました。
スキーエディットに本格的なCGIアニメーションが持ち込まれたことはこれまでなかったので、視聴者の皆さんはショックを受けるかもしれません。地表から雪がせり上がってくる様子や、サウスランドの農場の牧草地でスキーをしている様子は皆さんを驚かせるでしょう。
直面したチャレンジ
1カ所で撮影をしていて、さらにそこが都市部から200kmも離れていて雪もないなら、様々なチャレンジに遭遇します。たとえば、ライティングがそのひとつです。僕たちは山でも正しいライティングが得られるようにする必要がありました。山と牧草地のライティングレベルを合わせたかったのです。
また、1シーンにつき1時間しか使えなかったので、パーフェクトなスキーをする必要がありました。ハーフパイプの撮影は特にストレスが大きかったですね。かなりナーバスになりました。ビッグトリックをたった1時間でメイクして、しかも他のシーンと整合させる必要があったからです。
撮影はクレイジー
圧倒されましたね。すべてのシーンのすべてのディテールを追求しなければなりませんでした。撮影対象からの距離、地面からの高さ、角度などすべてをきっちり決める必要がありました。この作品は、関わったすべての人たちの多大な努力の結晶です。全員が大きく貢献してくれました。
Fat Freddy’s Dropとの仕事は最高
Fat Freddy’s Dropはニュージーランドを代表するバンドですし、彼らのジャンルにおけるレジェンドです。彼らと一緒に仕事をして楽曲を使用したことで、究極のニュージーランドプロジェクトになりました。『Blank Canvas』には農場、スキー、そしてFat Freddy’s Dropと彼らのアイコニックな楽曲が含まれています。最高の作品になりました。
音楽は生活の大きな一部
僕はいつもイヤフォンで音楽を聴きながらスキーをしていますし、その日の気分に合わせた楽曲を選ぶのが得意です。音楽はスキーを助けてくれるツールのようなものですね。僕は音楽からインスピレーションを得て、スキーに活かしています。音楽はとてもクールだと思いますし、音楽抜きの人生は考えられません。
新しい情熱
自分がスキーをどう捉えているのかを皆さんに少しでも理解してもらいたいと思っているだけです。僕は雪山をまっさらなキャンバスとして捉えています。スキーは自分を表現するための手段なのです。
視聴者の皆さんに僕たちがスキーに取り組んでいる理由とフリースキーの魅力を少しでも理解してもらえれば有り難いですね。フリースキーにルールはありませんし、好きなように楽しめます。雪山へ向かってスキーで自分らしく自分を表現するだけです。