PIE Smug(ダッドリー) vs. EG PR Barlog(バイソン)
© Red Bull eSports
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CEO 2015はかずのこが優勝!

フロリダで開催されたビッグイベントでかずのこが優勝。Capcom Cup出場権を獲得した。
Written by Michael Martin
読み終わるまで:5分Published on
CEO 2015

CEO 2015

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先週末は「これがゲームをプレイする理由だ」という言葉が見事に当てはまる内容となった。米国・フロリダで開催されたCommunity Effort Orlando 2015(CEO 2015)では、トップ8に残ったプレイヤーたちの中で既にCapcom Cupへの出場権を得ているのはマゴだけだったため、結果を問わず、新たなプレイヤーが出場権を獲得することが早々に明らかになった。
素晴らしいCapcom Pro Tourプレミアイベントとなった今回のトーナメントでは、Infiltration、ときど、ももち、ウメハラというCapcom Cup出場権を獲得している強豪プレイヤーたちがトップ8を前に米国人プレイヤー相手に敗退。一方、Bryant “PIE Smug” Huggins、Gustavo “801 Strider” Romero、Eduardo “EG|PR Barlog” Perez、Kevin “Dieminion” Landonと米国人プレイヤーがトップ8に4人残る活躍を見せ、米国人初のCapcom Cup出場権を目指した。

米国期待の星

801 Striderほど、リマッチを望んでいたプレイヤーはいなかっただろう。彼はゲームのバージョンが違っていたというミスが影響し、NorCal Regionals 2015では悔しい敗戦を2度喫しており、CEO 2015はその雪辱を晴らす絶好のチャンスだった。801 Striderのアベルはウメハラの殺意リュウとウィナーズトップ16で対戦。ラウンドを奪い合う激戦となり、2015年で最もエキサイティングなマッチのひとつとなった。ウメハラが3本目のラウンド2で五分五分に持ち込み、マッチポイントとなったラウンド3に有利な状況で臨むと、そのまま前半を押し込んだため、ウメハラ勝利かと思われたが、この日のウメハラにはここ数週間のキレを感じることはできなかった。結局ウメハラが隙の大きな昇竜拳を数回放ったミスを801 Striderが見逃さずに猛攻してウメハラに逆転勝利。椅子から飛び上がり、ケンとリュウのコスプレイヤーたちと抱き合って喜ぶ801 Striderの姿に会場からは「U.S.A」コールが生まれた。
米国期待のプレイヤー801 Striderは、続くトップ4でヤン使いのマゴにも逆転勝利して、マゴをルーザーズに送り込むと、集まった観客の応援を背に、そして自国の誇りを胸にウィナーズファイナルに進出。かずのこと対戦した。
801 Strider(アベル) vs. マゴ(ヤン)

801 Strider(アベル) vs. マゴ(ヤン)

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引退撤回にふさわしい活躍

『ウルトラストリートファイターIV』のエキシビションで20連勝以上と好調なPR BarlogもCEO 2015でルーザーズ上位に残った。今年初めに引退を表明していたPR Barlogだったが、その後引退を撤回していたため、CEO 2015では優勝も予想されていた。自分が使うバルログにふさわしいパワフルなプレイが売りのPR BarlogはZhuojun “Qanba Xiaohai” Zengとマゴに全力で挑むと、手に汗を握るシーソーゲームを展開。最終的には両者に3-2で勝利した。
その後は同じ米国出身のPIE Smugと対戦。PR Barlogはここでは余裕のある戦いを見せて3-1で勝利。マッチ終了後にPIE Smugと言葉を交わしていたが、恐らく優勝してくれという激励をされたのだろう。しかし、PR Barlogはその後ウィナーズファイナルでかずのこに敗れた801 Striderと顔を合わせ、ここで801 Striderに敗れた。
PIE Smug(ダッドリー) vs. EG PR Barlog(バイソン)

PIE Smug(ダッドリー) vs. EG PR Barlog(バイソン)

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日本対米国

これまでCapcom Pro Tourのトーナメントを含む数々のメジャーイベントでタイトルを逃してきたかずのこ。しかし、この日は宿敵ももちが早々に姿を消していたため、彼の前に立ちはだかったのは米国人プレイヤーたちと、先週のSEAM 2015で活躍したMad Catz勢のみだった。
そのかずのこはウィナーズトップ4でPIE Smugと対戦。前半は大量のコンボとミスが入り混じる派手な試合となったが、かずのこが徐々に調子を上げて、プレイ精度の高さと読みの良さを発揮。最終的には3-1でPIE Smugに勝利して、ウィナーズファイナルに進出。ここで801 Striderと対戦した。
自国におけるトッププレイヤーとしての評価にふさわしいプレイを見せつつ、Capcom Cup出場権を獲得したいプレイヤー同士の対戦となったこのマッチは、まず801 Striderが押し込み2本を先取。かずのこには悪夢再びという疑念が脳裏をよぎったはずだ。しかし、素晴らしい読みを見せてかずのこを困惑させた801 Striderに対し、かずのこが粘りを見せて2-2に持ち込むと、流れは一気にかずのこに。そのまま押し切ってウィナーズファイナルを制し、グランドファイナル進出を決めた。そのグランドファイナルは801 Striderとの再戦となった。
ついにビッグイベントを制したかずのこ

ついにビッグイベントを制したかずのこ

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日本対米国という構図となったCEO 2015。しかし、グランドファイナルでの再戦はウィナーズファイナルとはまったく違う展開となった。いつも通りRenzo “iPeru” Vigoをコーチングスタッフとして従えていた801 Striderに対し、いつもはひとりのかずのこもRazerのふ~どをコーチングスタッフで起用。マッチ中は数回に渡りかずのこへアドバイスするふ~どの姿が確認できた。そして、ウィナーズファイナルほど接戦にはならなかったにせよ、十分魅力的な戦いとなったそのグランドファイナルはかずのこが勝利してCapcom Cup 2015の出場権をついに獲得。米国人プレイヤー初の出場権獲得プレイヤーは生まれなかった。