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ラリー
【ダカール・ラリー2024】観戦ガイド:注目ドライバー&ライダー紹介
「完走するだけでも勝利に値する」とされる2週間の過酷なラリーで優勝を目指す各カテゴリーのトップドライバー&ライダーたちをチェック!
サウジアラビアにそびえる砂丘を舞台にした【ダカール・ラリー2024】は間違いなくあらゆる限界を試すレースになる。この “世界で最も過酷なレース” に挑むのは、過去複数回の優勝経験者や新世代のチャレンジャーたちを含めた勇敢なデザートレーサーたちだ。
サウジアラビアで5回目の開催を迎えるダカールの難度は格段に上がっている。ルートの約60%が一新され、さらには全長766kmの48時間クロノステージが新たに設けられた。未知のルートと革新的な新フォーマットにより、【ダカール・ラリー2024】の予測不能さはまさしく桁外れとなっている。
【ダカール・ラリー2024】は2024年1月5日に開幕し、ドライバー&ライダーたちの群れは合計約5,000kmに及ぶ全12ステージに立ち向かう。その中で最も勇敢でタフな者だけが1月19日のヤンブーでのフィニッシュラインに辿り着ける。
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【T1アルティメット部門】
弱冠21歳のセス・キンテロ(米国)が、前年優勝チームのTOYOTA GAZOO RacingからT1アルティメット部門(前年までのT1+部門)に参戦する。
レッドブル・オフロード・ジュニアチームに所属するキンテロは、2023シーズンのFIA世界ラリーレイド選手権T3部門優勝を経て最高峰クラスへステップアップする。キンテロとともにGRダカールハイラックスEVO T1Uのコックピットに収まるのはコ・ドライバーのデニス・ゼンツだ。
キンテロと並んでTOYOTA GAZOO Racingの強力なドライバーラインアップに加わるのは、ルーカス・モラエス(ブラジル)とジニール・ドゥビリエ(南アフリカ)だ。
モラエスは前年のダカール初挑戦で総合3位を獲得しており、コ・ドライバーのアルマンド・モンレオンがナビゲーションを担当する。2009年にアフリカ出身ドライバー初のダカール総合優勝を記録したドゥビリエは、同じ南アフリカ出身のデニス・マーフィをコ・ドライバーに迎える。
プライベーターとしてエントリーし、オーバードライブ・レーシングのトヨタ ハイラックスを駆るのはギヨーム・ド・メビウス(ベルギー)。2023年のダカールでT3部門総合3位を獲得しているド・メビウスは、2024年に4輪部門デビューを飾る。
ダカール3連覇を目指すのは、“砂漠の王” ことナサール・アルアティヤ(カタール)だ。
アルアティヤは前年まで所属したTOYOTA GAZOO Racingを離れ、自チームのナサール・レーシング・チームを率いてプロドライブ・ハンターのステアリングを握る。コ・ドライバーは引き続きマチュー・ボーメルが務める。2024年のアルアティヤは「4つの異なるマニュファクチャラーでダカール総合優勝を記録した史上初のドライバー」として歴史を打ち立てる可能性がある。
セバスチャン・ローブ(フランス)にはダカールでまだやり残している仕事がある。総合優勝を手にするまで彼の気が済まないのは明らかだ。過去2年連続で総合2位を獲得しているWRC9冠王者は、再びファビアン・ルルキンをコ・ドライバーに迎え、バーレーン・レイドXtremeチームから参戦する。
T1アルティメット部門の興味深い総合優勝争いをさらに盛り上げるのが、チーム・アウディ・スポーツの3組だ。
カルロス・サインツ(スペイン)/ ルーカス・クルス組、ステファン・ペテランセル(フランス)/ エドゥアール・ブーランジェ組、そしてマティアス・エクストローム(スウェーデン)/ エミール・ベルクヴィスト組が、3台のアウディRS Q e-tronに乗り込んでダカールに帰ってくる。ちなみに、サインツとペテランセルのダカール総合優勝回数は合計17に及ぶ。
シリーズハイブリッド(エンジンを発電専用に使う方式)を採用したこの革新的なEVマシンが前回のダカールからどのように進化を遂げているのか、ビバークでかなり注目を集めるはずだ。
SRT Buggyを駆るライア・サンツにとってダカール4輪部門への挑戦は今回で3度目となる。ダカール2輪女王として知られるサンツは、これまで参戦したダカール・ラリー計13回すべてで完走しており、そのうち11回は2輪部門で記録している。
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【2輪部門】
ケビン・ベナビデス(アルゼンチン)が見せた完全無欠のパフォーマンスによって、2023年のレッドブル・KTMファクトリー・レーシングは2019年以来のダカール総合優勝を手にした。
オーストリア・マッティクホーフェンに本拠を置くKTMは2001年から2019年にかけてダカール2輪部門18連覇を記録していたが、ベナビデスが優勝する2023年までサウジアラビアでの勝利の美酒を味わえずにいた。
2024年も引き続きKTMから参戦するベナビデスのチームメイトが、ダカール参戦10回目を迎えるトビー・プライス(オーストラリア)だ。
プライスがこれまでダカールで記録した総合優勝2回はどちらも南米開催時代に挙げたもののため、本人は中東でのダカール初優勝を求めている。2023年のダカールでは、プライスは5,000kmを走破した末にベナビデスからわずか1分以内の差で総合2位に終わった。
兄のケビンと並んで、弟のルチアーノ・ベナビデス(アルゼンチン)も2024年のダカールに挑む。2023シーズンのFIM世界ラリーレイド選手権でタイトルを獲得したばかりのケビンは、再びハスクバーナのバイクを駆って参戦する予定だ。
レッドブル・ガスガス・ファクトリー・レーシングのサム・サンダーランド(英国)とダニエル・サンダース(オーストラリア)にとって、2023シーズンは怪我に見舞われる厳しい1年となった。しかし、4月のソノラ・ラリー(メキシコ)でのサンダース優勝と2017年・2022年ダカールでのサンダーランド総合優勝は、彼らがサプライズを起こす実力を依然として備えていることを意味する。
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【T3チャレンジャー部門】
オースティン・“AJ”・ジョーンズ(米国)はダカールの軽量マシン部門で3年連続優勝を狙う。レッドブル・オフロード・ジュニアチームUSA presented by BFGに所属するジョーンズはコ・ドライバーのグスターヴォ・グージェルミンと組んで、T4部門を制した2022年、T3部門(現チャレンジャー部門)を制した2023年に次ぐ優勝を目指してサウジアラビアに戻ってくる。
2023シーズンのFIA世界ラリーレイド選手権を素晴らしい成績で終えたのがミッチ・ガスリーJr.(米国)とそのコ・ドライバーを務めるケロン・ウォルチだ。
ジョーンズと同じくレッドブル・オフロード・ジュニアチームUSA presented by BFGに所属するこのコンビは、メキシコとアルゼンチンで開催されたラリーで勝利を飾り、チームメイトのキンテロに次ぐ選手権総合2位で2023シーズンを締め括った。
開催国サウジアラビア出身の女性ドライバー、ダニア・アキールはウィーヴァース・スポーツからタウラスT3 Maxを駆ってダカール・ラリー2024に臨む。前回の2023年にダカールデビューを飾ってクラス総合8位でフィニッシュしたアキールは、2024年はさらに上位を狙う。
ダカールでの優勝経験や、T3 / T4カテゴリーでのワールドタイトル獲得経験を持つペアはまだ3組存在する。2024年のダカールがフィニッシュを迎えるとき、チャレコ・ロペス(チリ)/ フアンパブロ・ラトラック組やロカス・バチュスカ(ポーランド)/ オリオル・ビダル組、そしてクリスティーナ・グティエレス(スペイン)/ パブロ・モレーノ組が優勝争いに絡んでいてもおかしくない。
サウジアラビアでは5回目の開催となる【ダカール・ラリー2024】は2024年1月5日に開幕し、2週間後の1月19日にフィニッシュを迎える。合計5,000kmに及ぶ12本の計時スペシャルステージは2,000年の歴史を持つオアシス都市ウラーから始まり、“空虚の一角(Empty Quarter)” とも呼ばれるルブアルハリ砂漠に向けてサウジアラビアを横断し、紅海沿岸部にある港湾都市ヤンブーでフィニッシュを迎える。
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