German ultrarunner Florian Neuschwander runs in the countryside.
© Phil Pham / Red Bull Content Pool
ランニング

【ランナー必読】膝の強化に役立つエクササイズ おすすめ8選

日常のトレーニングへの取り入れが簡単で、ランナーの安定性向上と怪我予防に役立つ膝強化エクササイズ8種類を解説!
Written by Aimée Lister
読み終わるまで:7分Published on
オーストラリア出身のトライアスリート、コートニー・アトキンソンはトロフィーや名誉のために走っているわけではない。アトキンソンは次のように切り出す。
「私が走る理由の多くは皆さんと同じです。第一に、ランニングは気持ちが良いですよね」
アトキンソンのこの考えは、今年は5月5日に世界同時スタートする世界最大のチャリティーランイベント【Wings for Life World Run】で毎年参加者間で共有されているものだ。
もちろん、彼らの大半はアトキンソンのようにハイレベルなイベントで競っているわけではない。しかし、それでも「限界を試す」と「身体を労わる」の間でバランスが取れたルーティンを構築することは重要で、ビギナーレベルからストレングスと可動性の向上に意識を向ければ、あとでその効果を大きく実感できる。
コートニー・アトキンソン

コートニー・アトキンソン

© Adam Weathered for Wings for Life World Run

ランニングがアスリートの膝にかける負荷は、しばしば見過ごされがちだ。トレッドミル100km世界最速記録を樹立したドイツ人ウルトラランナー、フローリアン・ノイシュヴァンダーは骨・靭帯・腱の健康状態を維持するために舗装路や砂利道、林道など様々な路面を切り替えながら走るようにしている。
今回紹介する8種類の膝強化エクササイズも、膝周りの筋肉を強化し、怪我のリスクを最小限に抑える絶好の方法となる。

ランナー向け膝強化エクササイズ おすすめ8選

今回紹介するエクササイズは、ウォームアップおよびクールダウンのルーティンに取り入れることができる。膝に怪我を負った経験がある人は、これらのエクササイズを試す前に必ず専門医のアドバイスを仰いでおこう。
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01

ニーベンド

ニーベンドは膝周りの筋肉強化に役立つ単純明快なエクササイズだ。また、ニーベンドは腸脛靱帯のストレッチにも役立つ。10レップを1セットとして、合計3セット行おう。
  1. 両足を腰幅に開き、つま先を外側に向け、壁に背を向けて立つ。
  2. 背中を壁につけたまま、ゆっくりと両膝を曲げて下がっていく。
  3. 膝と臀部周辺の筋肉を刺激が入っているのを感じながら、両膝を元の位置に戻していく。
02

レッグリフト

レッグリフトは大腿四頭筋・腰・腹筋に働きかけるシンプルだが効果的なエクササイズだ。体幹に刺激を入れることでバランスが向上し、膝に必要なサポートが得られるようになる。
トム・エヴァンスのようなウルトラランナーにとっても膝のケアは不可欠

トム・エヴァンスのようなウルトラランナーにとっても膝のケアは不可欠

© Ian Corless / Red Bull Content Pool

  1. 仰向けに寝そべる。
  2. 右脚の膝を曲げ、右の足裏を床につける。左脚は伸ばしたままにする。
  3. 左腿が右腿と揃うまで左脚を持ち上げ、揃えた状態をキープしたあと左脚を下ろす。肩甲骨から下は床につけた状態をキープする。2回繰り返したら反対側の脚も同じ動きを2回繰り返す。これを合計10セット行う。
03

シングルレッグ・ボックス・ステップダウン

シングルレッグ・ボックス・ステップダウンは膝のサポートと安定に役立つ。このエクササイズは大腿四頭筋・腰・ハムストリングスを連動させるため、バランスが向上し、関節可動域が広がる。
このエクササイズを行うには、1段以上のステップが必要となる。10レップを1セットとして、合計5セット行う。
  1. 自分の右横にステップを置き、右足だけでステップの上に立ち、スタートポジションにつく。右肩はステップに対して平行。左脚は浮いた状態をキープする。
  2. 右膝を使って左脚をゆっくりと床に向けて下ろしていき、足裏が軽く床に触れるようにする。左足で蹴り上げず、右膝の力だけで元の位置に戻る。10レップを1セットを終えたら脚を入れ替える。
04

ダンベルを使ったフォワードランジ

膝の強化を意識していない人にとってもランジは馴染みのあるエクササイズだろう。ここで紹介するランジは大臀筋とハムストリングスにフォーカスしており、膝を守るこれらの筋肉を強化する。フォワードランジでは大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋・ふくらはぎに刺激が入る。
【Red Bull Trail Heads】に挑むコートニー・アトキンソン

【Red Bull Trail Heads】に挑むコートニー・アトキンソン

© James Adams / Red Bull Content Pool

このエクササイズを行うにはダンベルを用意する必要がある。自分の能力に合った重さのダンベルを選ぼう。怪我をするリスクがあるため、重いダンベルで無理をするのはNGだ。左右10回ずつを1セットとして、合計2セット行う。
  1. 両手にダンベルを持って立ち、両腕は身体の側面に下げておく。
  2. 右脚を前に踏み出す。足裏が床についたら、腿が床に対して平行になるまで右膝を曲げていく。左脚は自然な形で曲げてランジの姿勢を取る。背筋は常に伸ばしておく。
  3. 踏み出していた右脚を元のポジションに戻し、左脚で同様の動きを繰り返す。
05

レジスタンスバンドを使ったクラムシェル

クラムシェルは腿の外側・大臀筋・股関節屈筋を鍛えられる。クラムシェルでこれらの筋肉を強化すれば膝をサポートできるようになる。
このエクササイズを行うには、レジスタンスバンドが必要になる。レジスタンスバンドは適切な強度から始め、無理をしないようにしよう。バンドを伸ばすほど、より強い抵抗が加わる。
  1. 膝の周りにレジスタンスバンドを装着する。
  2. 横向きに寝て両膝を直角に曲げる。両足は重ねておく。
  3. 両足が重なった状態のまま、上側の膝を天井へ向けて開いていく。膝が開ききったら、しばらくその姿勢をキープしたあと最初のポジションに戻していく。
  4. 片側10レップを行ったあと、反対側に切り替える。これを1セットとして、合計3セット行う。
06

スプリットスクワット

大腿四頭筋・ハムストリング・大臀筋に刺激を入れるスプリットスクワットは膝の強化に役立つ。可動性とバランスが向上し、脚のストレングスが高まる。以下のステップをフォローしよう。
英国人ウルトラランナーのトム・エヴァンスはジムトレーニングもルーティンに加えている

英国人ウルトラランナーのトム・エヴァンスはジムトレーニングもルーティンに加えている

© Markus Berger / Red Bull Content Pool

  1. 立ち上がったランジの姿勢から始める。右足を前へ踏み出し、右膝は軽く曲げ、左脚は真っ直ぐ伸ばす。
  2. 上半身のフォームを意識し、背筋を伸ばしたまま目線は正面を見続ける。
  3. 体重を右脚側(前方)へ移動させていく。右膝を深く曲げながら、ゆっくりと身体全体を斜め前方へ沈めていく。左脚は伸ばしたままで、両足のつま先は床につけておく。
  4. 右脚で身体を押し上げて最初のポジションに戻していく。左右6回ずつ繰り返し、3セット行う。
07

ラテラルバンドウォーク

ラテラルバンドウォークは腰回りを強化するエクササイズと思われがちだが、特に中臀筋のコンディションは膝関節へ直接影響するため、膝の強化と安定にも役立つ。
  1. 両脚のくるぶし上あたりにレジスタンスバンドを装着する。両足を肩幅に開いて立つ。
  2. 膝を軽く曲げてハーフスクワットの姿勢を取る。背筋を伸ばしたまま、目線は前へ向ける。
  3. 上記の姿勢を保ち、横方向へ歩いていく。体重を左脚に移し、右脚を開いて右方向へ踏み出す。左脚をその動きについていかせる。左右10回ずつ繰り返す。
08

シングルレッグ・デッドリフト

シングルレッグ・デットリフトをマスターするには、ある程度の練習が必要になる。シングルレッグ・デッドリフトはルーマニアン・デッドリフトの高難度バージョンだ。片脚だけで立つこのエクササイズの不安定さが腰と腸腰筋を効果的に強化する。これらの筋肉もすべて連動して膝をサポートする。
ケトルベルあるいはダンベルがこのエクササイズに適切なウエイトだ。ウエイトを使うのが初めてなら、4ポンド〜22ポンド(約2kg〜10kg)のウエイトを選ぼう。
  1. 直立して右手にウエイトを持つ。左膝を軽く曲げ、右脚を後方へ伸ばす。
  2. 上半身は自然に前方へ傾く。ウエイトを持っている右手に導かれるように上半身を沈めていく。上半身が床に対して平行になったところで止める。
  3. 最初の姿勢に戻り、左右6レップずつを1セットとして3セット行う。

膝の強化がもたらすメリット

膝の強化の長期的なメリットは自明の理だ。今回紹介したエクササイズは慢性的な膝痛の軽減に役立ち、膝の負担や怪我を回避し、安定性を向上させる。これらのエクササイズは次のランニングイベントに向けてコンディションを維持してくれるはずだ。
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