01
ジェッダ市街地コース(サウジアラビア)
ジェッダ市街地コースは現行F1カレンダーでは最も歴史が浅い部類かもしれないが、このサーキットはすでに世界有数の高速コースとしての地位を確立している。
約2.5kmの長大なメインストレートではドライバーたちが320 km/hを上回るトップスピードで疾走する。2021シーズンのサウジアラビアGPでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が約335km/hのトップスピードを記録した。
しかし、ジェッダではスロットルを踏み込む勇気だけではなく、ドライバーたちのテクニカルスキルも問われる。3つの超高速右コーナーでは、各ドライバーの極限の精確さとコントロールが要求される。
ジェッダ市街地コースが最も平均速度の高いサーキットのひとつであることはラップタイムが物語っている。奇しくも2023シーズンの決勝レースはマックス・フェルスタッペンがファステストラップと2位を獲得し、チームメイトのセルジオ・ペレスが優勝を飾った。
02
アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ(イタリア)
モンツァがなければ、F1はどうなっていただろう? 誰もが認める “テンプル・オブ・スピード(スピードの殿堂)” はF1カレンダーで最もアイコニックなサーキットのひとつであり、当然ながら世界有数の高速サーキットと見なされている。
トップスピードに達する長いストレートを終えたドライバーたちは悪名高きバリアンテ・レティフィーロ(第1シケイン)の攻略を強いられ、フィニッシュライン直前にはパラボリカ・コーナーが待ち受ける(このコーナーはかつてのフェラーリドライバー、故ミケーレ・アルボレートを偲んで2021年にクルヴァ・アルボレートへ改称)。
スピードを追い求める者にとってモンツァはいつの時代もパーフェクトなプレイグラウンドであり続けている。
2020シーズンのモンツァで1分18秒887のコースレコードを記録したルイス・ハミルトンは264.362 km/hという驚愕の平均速度で周回した。それまでのコースレコードホルダーはキミ・ライコネンだった。
さらに遡ると、2005シーズンに行われた非公式テストではファン・パブロ・モントーヤ(当時マクラーレン)がエイドリアン・ニューウェイ設計のMP4-20を駆って372.2km/h、2021シーズンにはセルジオ・ペレスもスプリントレースで360km/hを叩き出している。伝統のモンツァはこれからもスピードの興奮を私たちにもたらしてくれるはずだ。
03
スパ・フランコルシャン(ベルギー)
ベルギーGPの開催が迫ると、ファンたちはトップクラスのハイスピードアクションに満ちたスリリングなレースを期待する(豪雨によって短縮された2021シーズンのレースは例外だが)。
このサーキットを走るF1マシンは有名なケメル・ストレートで300km/hオーバーまで加速する。
そのため、毎年各チームは低ドラッグとストレートでの最高速の伸びとの間でパーフェクトなバランスを見出さなければならなくなる。また、マシンはオー・ルージュやラディオン、プーオン、ブランシモンなどの高速コーナー群でスライドを抑えられるグリップも備えている必要がある。
「F1に上がる前から、僕にとってスパは常にお気に入りのサーキットだ。それは今も変わらない」とマックス・フェルスタッペンは明言している。スパの素晴らしさを説明するのに、これ以上の言葉は不要だろう。
04
鈴鹿サーキット(日本)
三重県にある鈴鹿サーキットはおそらく世界最速のジェットコースター・サーキットだろう。特徴的な8の字型レイアウトを備えた鈴鹿はユニークでテクニカルな要求度の高いコーナー群で知られ、毎年ドライバーたちに相当なチャレンジを課している。
鈴鹿で最も象徴的なセクションのひとつがパドック裏のS字だ。F1ドライバーたちはこの複合コーナー群を限りなく高いスピードで駆け抜けていく。多数のコーナーを擁している鈴鹿だがその平均速度は240km/hと信じがたいほど高い。
しかも、これだけではない。鈴鹿はかの有名な130Rを擁しており、この超高速の左コーナーは針に穴を通すような精確なドライビングを要求する。このコーナーはカレンダー屈指の重要ポイントと見なされている。
このように多くのコーナー群を擁する鈴鹿だが、全長1.2kmの西ストレートを抜きには成立しない。スクーデリア・アルファタウリに所属する角田裕毅は2022シーズンにこの直線区間で305.7km/hのトップスピードをマークしている。
05
イスタンブール・パーク・サーキット(トルコ)
平均速度232km/hを誇るイスタンブール・パーク・サーキットは見応えのあるハイスピードアクションを提供してきた。このサーキットの高評価の一部は、スタート直後に控える下り坂のターン1(別名 “ターキッシュ・コークスクリュー”)が担っている。
しかし、このサーキットの魅力はそれだけではない。セクター2で待ち構える4つのエイペックスを擁するコーナー(ターン8)はこのサーキットのエキサイティングでハイスピードな連続コーナー群を象徴している。
ターン8をクリアしたドライバーたちは最初のストレートへ向かい、シケインを挟んでさらに長い2本目のストレートへ抜けていくが、このストレートでのトップスピードは優に315km/hを超える。このサーキットに見掛け倒しの部分はない。
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