フィットネス

フォームローラー：9つの効果

肩こりなどの痛みの軽減やフィットネスの維持と向上に効果的なアイテムをフィットネスメニューに取り入れるべき理由を専門家が解説する。

Written by Ashley Quinlan

読み終わるまで：5分Published on 2018年8月30日 · 7時16分(UTC)

ジムでフォームローラーを使用している人を見て、不思議に思った経験はないだろうか？

多くの人にとって、フォームローラーはトレーニングライフに不可欠なツールだが、その一方で痛さを伴うことから、なるべく使用したくないと考えている人も少なくない。

しかし、フォームローラーを活用すべき理由は数多く存在する。今回は、TriggerPointで上席研究員を務めるカイル・スタット博士に、フォームローラーが健康にもたらす9つのメリットを解説してもらおう。

1. 身体の動作パターンを改善する

「同じ動作を繰り返したり、椅子に座って長時間身体を動かさなかったりすると、体内の細胞組織が滞ってしまいます」とスタット博士は語り、次のように続ける。

「硬く感じるようになった筋肉をマッサージする代わりに、フォームローラーを使えば身体をより楽に動かせるようになります。たとえば、硬くなった股関節屈筋群をローリングすれば、大臀筋の活性化を助け、より理想的な動きができるようになります」

怪我の大半は衝撃障害ではなく、過度の使用によって生じることはよく知られている。動作パターンを改善すれば、これらの細胞組織にかかるストレスを低減できる。

Dr Kyle Stutt shows how to use a foam roller. — Dr Kyle Stutt helps a client get the benefits of a foam roller
© TriggerPoint

2. 細胞組織の修復を助ける

フォームローラーを活用すれば、ハードなトレーニングセッション後の回復率を高めることも可能だ。

スタット博士は、フォームローラーの活用は傷んだ筋肉への栄養供給を促進し、細胞組織の修復をスピードアップさせるとしている。

「体内を循環する水分と老廃物は滞りなく流れる必要があります。フォームローラーでこの流れを促進すれば体内の循環が活発になり、代謝老廃物の排出も良好になります」

3. 遅発性筋肉痛を軽減する

フォームローラーを活用すれば、疲労した筋肉や肉離れした筋肉を十二分にほぐしながら、遅発性筋肉痛も軽減できる。

「ハードなワークアウトのあとでフォームローラーを使用すれば、筋肉痛のピークが24時間後にやってくるようになります。フォームローラーを使用しなければ、通常、筋肉痛のピークは48時間後にやってきます」とスタット博士は説明する。

4. ワークアウトの準備を助ける

ワークアウト前にフォームローラーを使用すれば、特定のアクティビティでより優れたフィジカルパフォーマンスを発揮できるようになる。

「包括的なウォームアップで念入りな準備を行うほど、ワークアウトのリカバリーや怪我への心配が減ります。ワークアウト前にフォームローラーを使用すれば、より上手く身体を動かせるようになります」

5. ワークアウト前の集中力を高める

フォームローラーがワークアウトに役立つのは準備だけではない。スタット博士は、エクササイズ前に重要な筋群にローリングすれば、認識力と集中力も高まるとしている。

「一般的に、人間はカフェインやテンポの速い音楽、渋滞などのストレスから刺激を受けると言われています。ワークアウト前にフォームローラーを使用すれば、メンタルの準備に役立ちます」

「5分〜10分程度刺激を与えるだけでも身体認知機能が高まり、“ゾーン” に入る助けとなります」

6. リラクゼーション

仕事で長い1日を終えた時、ひときわハードなトレーニングセッションを終えた時に、なかなかリラックスできないと感じた経験はないだろうか？

硬くなった筋群を就寝前に60秒〜90秒ほどフォームローラーでほぐしてやると、リラックスして熟睡できるようになるとスタット博士は語る。

「細胞組織に一定の圧力をかけ、30秒〜90秒ほど維持すれば、神経系の反射作用が連動してリラクゼーション効果が高まります」

「さらには痛みの感覚も和らぐので、昼間の痛みや疼きのせいで眠れないという悩みを抱えているなら、この方法が効果を発揮するはずです」

7. 慢性的な痛みの軽減

痛みを和らげるという意味では、フォームローラーは慢性的な痛みの軽減にも効果的だ。

「慢性的に痛む場所に90秒〜120秒間ほどフォームローラーを使用すれば、一時的ではありますがすぐに痛みが引きます」とスタット博士は説明する。

10分も行えば快調に感じられるようになり、より良好な動作パターンに役立つだけでなく、長期的な改善に繋がる可能性もある。

8. 柔軟性と可動性の向上

ここまでで述べてきたような動作パターンの向上の他に、フォームローラーは可動性と柔軟性を大幅に高めてくれる可能性も備えている。

「このテーマについては数多くの研究がなされています。筋肉にフォームローラーを施すことで、表面の細胞組織と結合組織がより良好に滑り込むようになり、全体的な可動性が高まる可能性があります」

9. 朝の目覚めが良くなる

最後になるが、朝が弱い人には、フォームローラーが心地良い目覚めの助けになる可能性がある。

「フォームローラーは効率的なスモールコアワークアウトです。血流を良好にし、心拍数を上げ、筋群を活性化するので、身体を目覚めさせるのに役立ちます」

「また、前日の長時間労働などによって引き起こされる足裏の筋膜炎に悩まされている人は、足裏にフォームローラーを当てれば、その日の残りを快適に過ごせるようになるでしょう」