A picture of Rasmus ‘Caps’ Winther during the 2020 LEC Spring Split.
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『リーグ・オブ・レジェンド』:G2 Capsが振り返るLEC Spring Split 2020
不慣れな新ロールを担いながらG2を『LoL』ヨーロッパリーグ頂点へ導いたトッププレイヤーが春の激戦を振り返った。
Written by Matt Porter
読み終わるまで:6分Published on
G2 EsportsはヨーロッパチャンピオンとしてLEC Spring Split 2020に臨んだが、彼らは変化を加えることを恐れなかった。
Rasmus “Caps” WintherLuka “Perkz” Perkovicがロールスワップし、Capsがキャリア初のADキャリーを担うというその変化はハイリスクだったが、変化を加えてからわずか数ヶ月後、G2はLEC Spring Split 2020を見事制してリスクを負う価値があったことを世界に示した。
LEC Spring Split 2020のグランドファイナルはあっけないほど簡単に終了した。グランドファイナルはG2とFnaticというお馴染みのカードになったが、これまで以上に我慢強いプレイに徹したG2はFnaticを3-0で下して優勝した。Capsはグランドファイナル終了後、次のように振り返った。
「Fnaticとの対戦は毎回どちらが勝つか分からない接戦になる。総力戦になって最後の最後で決着がつく。お互いの足を引っ張り合うから、ゲームの内容が悪い時もあるね」
「でも、今日の僕たちはFnaticをリスペクトしたプレイに徹したし、ドラフトを上手く活かすことができたし、エゴを抑えてチームのためのプレイを重ねた。Fnaticがまったく知らない僕たちを彼らに見せることができた」
G2はゲーム1とゲーム2でドラフトから優位に立つと、あとはひたすら自分たちのストロングポイントを活かすことに徹しながらFnaticの疲れと焦りを待って着実に仕留めていった。Capsが続ける。
「負けないプレイを続けたってところかな。Fnaticはアグレッシブで常にファイトを仕掛けてくる。これまでの僕たちならそのファイトを買って出ていた。でも、今回は相手をリスペクトして下がって受けた。ファイトに応じなかった。だからFnaticは焦り始め、攻めすぎてしまったんだ。僕たちをいなす代わりにね」
グランドファイナルは簡単に決着がついたが、LEC Spring Split 2020を通じてG2は危機を数回迎えた。
レギュラーシーズンでいくつかの敗戦を記録し、さらにはCapsが不慣れなロールを担当していたため、一部のファンは、2020シーズンのG2はSpring SplitMid-Season InvitationalSummer Splitを制した2019シーズンほど強くないのではないかと訝しんだ。
「多くの人が僕を疑っていた。ADキャリーの僕のプレイを見たくないというファンもいたよ。今回のSpring Splitは僕の中ではベストではなかったのかもしれないし、僕がいくつかミスをしたのも確かだ。でも、僕はチームのためにプレイしていた」
ADCとしても素晴らしいプレイを連発しているCaps
ADCとしても素晴らしいプレイを連発しているCaps© Riot Games/Lolesports Flickr
こう語るCapsは、2020シーズンを通じていくつかの批判に晒されており、特にプレイオフ初戦のMAD Lions戦では戦犯扱いも受けた。しかし、そこから先のG2は見事に復活し、旧敵Fnaticとの対戦となったグランドファイナルではパーフェクト勝利を収めた。Capsは次のように語っている。
「Splitでは必ず何ゲームか落とすことになる。連戦するんだから当然だよね。例年はプレイオフ前にブレイクがあるけど今年はなかった。だから、MAD Lions戦は正しいマインドセットで臨めなかったんだ。僕たちは強いのかも知れない。でも、ベストを尽くさなければどこが相手でも敗戦する可能性がある」
「MAD Lionsに敗れたあと、自分たちが理想のレベルにまったく届いていないことに気が付いたんだ。でも苛立つチームメイトはいなかった。チーム全員が敗戦を恥じ、もっと上手くなろうという意識を持った。それで数週間ハードワークを重ねてトップレベルまで戻したんだ」
「敗戦後のチームの反応が苛立ちではなかったのはとても良かったと思う。未来へ向けてますます興奮を覚えたよ」
春を通じていくつかの問題に直面したCapsとG2だが、彼らが自分たちの実力を疑うことはなかった。
「勝てないと思ったことはなかった。5連続でタイトル獲得を狙っていたし、どのSplitもチャンピオンになるのは自分たちだという意識で臨めている。MAD Lions戦は、僕たちが無敵ではないということを気付かせてくれた。自分たちが思っているほど強くはないということが分かった。大きなターニングポイントになったよ」
「Spring Splitで優勝できて本当に嬉しいけれど、想定内の結果とも言える。Summer Splitに向けてリセットして、またトロフィーを勝ち取りたいね」
Capsは、自分とPerkzはSummer Splitでも同じロールを担うことになるとしているが、G2は常にプレイスタイルを変えているためどうなるかは分からない。Capsがボットレーンに満足しており、新しいロールで成長できていると感じていることだけは確かなようだ。
「多くを学ぶことができているね。ミッドレーンは熟知していたし、自信を持ってプレイできていた。他のミッドレーナーたちのプレイスタイルも分かっていたから、そこまで自分を合わせる必要はなかった。自分のプレイをするだけで勝てていた」
「でも、ADCでは新しいプレイヤーたちと対戦しなければならないし、これまで知らなかったロールとゲームに直面している。Spring Splitを落としても、自分にとっては大きな学びがあったから満足していたと思うけれど、優勝できたから満足度はさらに高いね」
「Spring Splitが終わってしまって少し残念な気持ちもある。G2はかなり好調だからね」
LEC Spring Split 2020を制したG2はSummer Splitに照準を合わせていくが、彼らの最終目的はWorlds 2020優勝だ。『リーグ・オブ・レジェンド』プロシーンの頂点に位置するこのトーナメントについて、Capsは次のように野望を語っている。
「Worldsだけはまだ勝ったことがない。このトーナメントの優勝が僕たちの最終目標だ。何としてでも勝ちたいね」
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