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『No Man’s Sky』とそのクリエイター、Sean Murrayのリリース後の沈黙をどう捉えるかはさておき、このゲームが宇宙と惑星をプロシージャル生成するというアイディアを一般的に認知されるまで押し上げたことは否定できない。最近はこのアイディアを形にした様々な新しいゲームが姿を現し、新しいプレイヤーたちが続々とそこに参加しているように見える。
そのような『No Man’s Sky』のライバルゲームの中には、戦闘よりも探索に力を入れたものや、宇宙船の建造よりも貿易に力を入れたもの、または他のゲームよりも時間を注ぎ込む価値があるものなど、様々な種類が存在する。そこで今回は、正規版がリリースされているものから、早期アクセスのもの、または近日リリース予定のものの中から、特に面白いと思えるタイトルをいくつかピックアップしてみた。
以下の7タイトルで新しい宇宙を探索してみよう!
『Rodina』
宇宙よりも個々の惑星の大きさにフォーカスしている『Rodina』で探索できる惑星の岩は実に大きく描かれている。開発者によれば、このゲームには地球よりも巨大な惑星も存在するらしい。しかし、それよりも素晴らしいのは、このゲームが生み出すナラティブのクオリティの高さだ。
このようなゲームには、全プレイヤーがしっかりと練られた脚本を求めているわけではないが、この作品が用意しているクオリティの場合、その存在を不要として片付けるのは難しい。世の中には「我々が人間である理由とは?」や「AIやロボットの進化が人間の哲学的な疑問をどう変えていくのだろうか?」など、人間の本質を問いたくなるような魅力的なストーリーがいくつも存在するが、『Rodina』はそれらの疑問を非常に知的で思慮に富んだ形で提示してくれる。
『Rodina』は2年ほど前からSteamの早期アクセスリリースのステージのままだが、たったひとりで開発していることを踏まえると、開発に時間がかかっていることを批判するのは失礼というものだ。
『Osiris: New Dawn』
このジャンルでは数少ないマルチプレイヤー完全対応としてリリースされた『Osiris: New Dawn』は、『No Man’s Sky』のアイディアをよりリアルで骨のある形で表現しているゲームのように感じられる。今から30年後の未来にエイリアンが住む惑星へ不時着したプレイヤーは、そこで基地を建造して生き残らなければならない。
このゲームでは、戦闘したり、飼い慣らしたりできる未知の生物、建造できる様々な建物、移動用の宇宙船、調査すべきテクノロジーなどが、少人数の開発チームによってディテールの細かい美しいグラフィックスで表現されている。長時間のプレイが楽しみたい人にオススメの1本だ。
『Starbound』
2Dで描かれている『Starbound』は、一見しただけでは『No Man’s Sky』と同じアイディアを用いているゲームであることは分からないが、見た目と中身が違うというのは、往々にしてあるものだ。このゲームも『No Man’s Sky』と同じく、建造や貿易、生物の利用や戦闘が自分の住む惑星から他の惑星までの至る場所で楽しめるが、『No Man’s Sky』と大きく異なるのは、自分の手で環境を自由に変えられるという部分だ。
たとえば、建造に関してはもはや無限に近い選択肢が用意されており、その豊富さは、建造の自由度を売りしている他のゲームの大半が自分たちを恥ずかしく感じてしまうほどだ。自分の好きな形に建造できるというこの特徴が、『Starbound』を非常にパーソナルで快適なゲームプレイが楽しめる作品にしている。
『Empyrion: Galactic Survival』
プロシージャル生成される宇宙を舞台にしたサンドボックス型サバイバルゲームの『Empyrion: Galactic Survival』は『No Man’s Sky』に非常に似ているゲームに思えるかも知れないが、実際にプレイしてみれば、両者が大きく異なっていることが理解できる。最大の違いは、『Empyrion: Galactic Survival』は自分の好きな部品を使ってイチから宇宙船を組み立てられるという点で、部品をどう組み合わせるかによって、宇宙船のルックスや飛行スタイルが変わってくる。
また、徐々に高くなっていくこのゲームの難易度は、他の同系統のゲームと比較するとかなりキツいと言われているため、このゲームをしっかりと理解してプレイできるようになるためには、それなりの献身と時間が必要になる。
『Astroneer』
2016年12月にSteamで早期アクセスとしてリリースされる予定の『Astroneer』は、遠く離れた惑星にニューフロンティアを求める宇宙旅行の可能性に興奮している生命体が、実によく練られた魅力的なヴィジュアルで描かれているのが特徴だ。その生命体を操作するプレイヤーは、エイリアンが住む惑星で新しい生活をスタートさせ、その惑星の資源を活用しながら、他者よりも裕福な生活を築き上げることが目的となる。
公開中のトレーラーでは、複数の惑星や、チームワークの必要性、また徒歩とビークルによる探索が用意されていることが理解できる。尚、このゲームを開発しているSystem Era Softworksは、美しいヴィジュアルの裏にはダークな秘密が隠されている可能性があることを示唆している。
『Planet Explorers』
自分の好きなようにプレイできる『Planet Explorers』は、プレイヤーが自分の好みに合わせたゲームプレイが楽しめるように複数のモードが用意されている。たとえば、アイテムの生成や建物の建造だけにフォーカスしたい人には「Building Mode」、のめり込めるナラティブを楽しみたい人には「Story Mode」、プロシージャル生成される世界の探索を楽しみたい人には「Adventure Mode」などが用意されている。
建造・生成のオプションが豊富に用意されている『Planet Explorers』は、そのパワーろ利用して、似たようなスタイルの他のゲームでは滅多に見られないレベルまで作り込まれた、ディテールの細かい豊かな世界を提供してくれている。『Planet Explorers』は約3年間の早期アクセスを経て、2016年11月にリリースされたばかりだ。
『Out There』
『No Man’s Sky』よりもミニマリストなアプローチが光る『Out There』は探索や資源確保よりも、孤独感や喪失感という感情を提供することに重きを置いているゲームだ。言ってしまえば、このゲームは、自分が体験するイベントや自分が到着するエリアよりも、その旅自体をテーマに据えている。
『Out There』はゲームアプリとしてリリースされたあとPC版の開発が進められた作品であり、ヴィジュアルがクリーンでハッキリとしているのはこの経緯が大きな理由だ。しかし、ゲームアプリ発だからと言って、ゲームエクスペリエンスが薄いと考えるのは大間違いだ。想像力を解放できれば、楽しめる部分が数多く確認できるはずだ。