Grand Theft Auto V
© Rockstar Games
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数字で見る『グランド・セフト・オート』:驚くべき 10 のデータ

史上最大のゲームが間もなく解禁になる。だが実際のところ僕らはその大きさを理解できているだろうか?というわけで、今回はその全体像を見てみたい。
Written by Red Bull UK
読み終わるまで:9分Published on
A still from Grand Theft Auto V, a helicopter flies over the city.

Grand Theft Auto V

© Rockstar Games

もう間もなくだ。待つこと5年、『 グランド・セフト・オート V』がついに10月10日に発売となる。Rockstar 社が生み出したオープンワールドクライムシリーズは15年のあいだに進化を遂げ、ゲームだけでなくエンターテインメント全体で最もビッグなシリーズとなった。そして今回の 5 作目も記録という記録を塗り替えることになりそうだ。そして実は、発売前の段階でもう凄まじい数字が明らかになっている。この記事では、世界最大級の予算をかけて作られた世界最大級の問題作について 10 個の数字を紹介していこう。

1.最新作のゲーム世界面積はマンハッタンの 2 倍

過去作で最大の面積を誇っていたのは 2004 年の『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』で 36 平方 km だったが、『グランド・セフト・オート V』ではその規模がさらに凄まじいことになっている。Rockstar 社の情報によればマップの大きさは『 レッド・デッド・リデンプション』と『GTA IV』、『GTA サンアンドレアス』をすべて合体させたよりも大きいというのだ。つまり『GTA V』のロスサントスは最低でも 126 平方 km の広さということになる。サッカー場 17,665 個分、PS3 を並べた場合は 1,416,422,409 台以上が並べられる計算だ。最高なのは、初めてゲームをロードしたその瞬間から街のどこへだって行けるということだろう。わざとらしい障害物などは置いてないのだ。では次に「世界」との関係について話してみよう。

2.『GTA』シリーズ全体の販売本数をつなげると地球を半周する

2012 年の時点で、『 グランド・セフト・オート』は全世界累計 1 億 2500 万本が販売されている。すべてが標準的な DVD ボックスで販売されたと仮定した場合、パッケージを隙間なく縦に並べていくとその長さは 23,750km 以上、すなわち地球半周以上にもなる。また積み上げた場合には高さ 1,750 kmになるが、これはエッフェル塔 5,401 個を積み重ねた高さと同等だ。

3.『GTA V』以上の予算がかけられた映画は、歴史上 1 本しかない

ゲームの制作予算はもちろん安くない。それが世界トップクラスの期待を背負ったタイトルとなればなおさらだ。しかし Rockstar 社は恐れることなく一歩先へと進み続ける。『GTA V』の製作予算はハリウッド映画の制作費用よりも多い 2 億6730 万米ドル(約 270 億円)と報じられている。史上、これ以上の予算をかけて制作された映画は2007 年の映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(約 302 億円)だけだ。

4.『GTA』に登場する車の台数は Gumball 3000 ラリー出場台数の 5 倍

車の出てこない『グランド・セフト・オート』は『グランド・セフト・オート』じゃない。これまでのシリーズ作で登場した(盗める)車の種類は 519 種。これは初代『Gran Turismo』の 5 倍、ル・マン 24 時間レース平均出場車数の 10 倍にもなる。登場するのは公式ライセンス提供を受けた車両ではないが、Dodge Viper 風の Bravado Banshee(この車両は米国で Rockstar 社が行なったキャンペーン賞品として実際に制作された)をはじめとして、各車両は実在する車にインスパイアされたものばかりだ。しかも最新作では、車についてもこれまでの限界を大きく超えてくる。運転できる車は 200 種以上、各車両のカスタマイズ項目は 1,000 以上というから凄まじい。ファンとしては大歓迎、ぜひ試乗したいところだろう。

5.『GTA V』のミッション数は過去作全部のミッション数合計の 2 倍

『GTA』はマップ上に散らばるミッションの豊富さでも知られるシリーズだ。
シリーズ過去作では、シングルプレイヤー用メインミッションが累計 450 個も登場したが、『GTA V』ではさらにギアを上げてきた。シングルプレイヤーミッションが 80 個と、 オンラインミッションが 700 以上も登場するのだ。オンラインミッションは最大 15 人の仲間と挑むことができ、おまけに自分だけのミッションを作ることも可能だ。

6.『GTA IV』中の会話ボリュームは『ハリーポッター』以上

本シリーズのモットーは「やりすぎ感」だ、というのはある意味正しいが、本シリーズを現実的にするべく機能している要素も複数存在しているのもまた確かだろう。そのひとつがセリフ音声だ。これまでも William Fichtner や Samuel L Jackson、Ray Liotta といった有名人が声優として『GTA』世界の住人に命を吹き込んできたが、最新作ではなんと実際のギャングメンバーを声優に抜擢し、そのリアルさに磨きをかけている。また『GTA V』はセリフのボリュームも相当だ。『グランド・セフト・オート IV』の会話セリフ数は 80,000 個以上と言われている。『ハリーポッター』第一作が約 77,000 単語だったことを考えると、そのボリュームの凄まじさがわかるかもしれない。

7.『グランド・セフト・オート V』は既に百万本単位で売れている

まだ発売日も迎えていない『GTA V』だが、ベストセラーになるのはまず間違いなさそうだ。本作のパブリッシャーも そう考えているようで、発売日には英国単体だけでも 300 万本が割り当てられている。もし初日に出荷分が売り切れることになれば、『コールオブデューティー ブラックオプス』が英国で叩き出した 140 万本という最高記録を倍以上の数字で塗り替えることなる。またこの傾向は世界的にも同じようだ。VGChartz は現在の予約数を 260 万本と見ているが、これは『Battlefield 4』と『Call of Duty: Ghosts』の 全プラットフォーム合計予約数よりも多い。2008 年に『グランド・セフト・オート IV』がリリースされた時は、エンターテインメント史上最大のローンチ記録を打ち立てたわけだが、続編となる本作は再び記録を塗り替えてくれそうだ。

8.『GTA V』の発売日が英国に与える経済的影響はオリンピックスタジアムの価値以上

Guardian 誌は英国男性の 14 %が『GTA V』のリリース日に仮病で休むかもしれないと 報じている。実際には休まないで欲しいものだ… 現在英国で職に就いている男性は 1460 万人だから、実に 240 万人が発売日に「ゴホンゴホン病欠します」と電話する可能性を秘めている。仮にこれを英国平均日給 72.60 ポンド(約 11500 円)と組み合わせて計算した場合、発売当日は 1 億 7420 万ポンド(約 277 億円)もの給与が自宅でコントローラーを握りしめるゲーマー達に支払われることになる。この額は 2012 年のオリンピック向けに建設された Stratford Velodrome スタジアムの資産価値 105 ポンド(約 167 億円)よりも多い。
1997 年、英国ダンディー市の DMA Design 社(『レミングス』の開発元でもある)が第一作をリリースして以来、『グランド・セフト・オート』は長い歴史を歩んできた。

9.『GTA』シリーズのあるボーナスコンテンツは史上最も「高額」なものである

最近出た『コールオブデューティー』のダウンロードコンテンツが高いと感じるゲーマー諸氏は多いかもしれない。しかし Rockstar 社とパブリッシャーの Take-Two 社が、ある追加機能のために支払うハメになった金額はあまりに高かった。おまけにその追加機能は、公開する予定もなかったのだ。2004 年にリリースされた『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』。そのコードの片隅には、成人向けミニゲームが隔離された形で隠されていた。しかしその後リリースされたホットコーヒー(Hot Coffee)という名の MOD(訳注:PC ゲームユーザー作成の改造/機能追加ファイル/プログラム)を適用すると、PC バージョンで実際にミニゲームが遊べるようになってしまったのだ。この MOD が各種政治団体や政治家の注目を集め、非難が集中。最終的にこのホットコーヒー訴訟は米国内での訴訟にて和解が成立し、パブリッシャーの Take-Two 社は 2000 万ドル(約 20 億円)を支払うこととなった。Ubisoft 社のヒットシリーズ『 アサシンクリード』の第一作がおよそ同程度の予算で開発されたといえば、その規模が分かりやすいだろうか。ゲーム業界のハイリスクさが実によくわかる逸話だ。

10.事実:GTA は世界一物議を醸すビデオゲームシリーズである

ここでは、『GTA』がいかに超暴力的なシリーズとして悪名を轟かせているかは周知の事実だが、ここで紹介したいのは、同シリーズがその世界記録を保持していることについてだ。冗談ではなく、同シリーズは本当にギネスブックに載っているのだ。「史上最も継続的に物議を醸すビデオゲームシリーズ」と記載されたその項目には、同シリーズについて問題提起する記事が 4,000 を超えることを記している。凄まじい記録だ。そして、この記録が破られるところは現在のゲームシーンを見ても想像すらできない。
では最後に、証明はできないもうひとつの事実?をひとつ…。

サンアンドレアスにビッグフットは実在するのか?(改造コンテンツなのか?)

『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』はもしかすると、世界で唯一神話的生物が棲むゲームなのかもしれない。サン・アンドレアスのフリント郡にある(ゲーム内の)森でビッグフットを見たと話すゲーマーは過去 10 年でほんの数名。注目が集まるにつれ、熱心なファンは証拠をつかもうと長大なソースコードを読み、過去には New Yorker 誌の調査も行なわれた。天才的マーケティング手法なのか単なる頑固さなのかは不明だが、Rockstar 社はリリースから 10 年経った今もこの「雪男」について否定も肯定もしていない。なお最近になり同社のスポークスパーソンは「神話は神話のままにしましょう」と述べている。なるほど…どうやら、「事実」ではなく神話のようだ。
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