And Rule 8: Stay on the track!
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カート

【ドライブも学べる】カート初心者が犯しがちな7つのミス

カートを始めたが思うようにラップタイムが上がらない...。実は部分でミスを犯しているかも?そんなあなたは以下の点を意識して正せば確実に速くなれるはずだ。
Written by Piers Prior
読み終わるまで:6分Updated on
レーシングカート以上にスリリングなスポーツは中々ない。1度体験しただけでも、何度繰り返し体験してもその楽しさは変わらず、より速くなるたびに興奮の度合いは高まる。現代において、これほど魅力的なスポーツは極めて稀と言って良いだろう。
しかし、レーシングカートのドライブ方法は一般車のそれとは全く異なり、初心者が陥ってしまいがちな典型的なミスがいくつか存在する。これらを上手く回避すれば、確実に友人たちをぶっちぎることができる。モータースポーツ・キャリアに繋げることさえできるはずだ。
01

ステアリングを握る手がせわしない

一般車と違い、カートは非常に敏感なステアリング特性を持っている。したがって、両手の位置は時計で言うところの「2時45分過ぎ」のポジションで常にキープし、なるべくそこから動かさないようにしよう。両手の位置を一定にすることでより繊細なカートのコントロールが可能になる上に、タイヤがスライドした際の反応スピードも早くなる。
両手の位置は常に「2時45分過ぎ」のポジションに固定しよう

両手の位置は常に「2時45分過ぎ」のポジションに固定しよう

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02

ブレーキを踏む力が弱すぎる

カートのブレーキはリアホイールのみに効く構造になっているので、一般車で普段やっているようなブレーキングはまず通用しない。カートでの最善のブレーキ方法は、一般道のそれとは正反対だ。カートではまずタイヤがロックする寸前まで強くブレーキを踏み込み、コーナーのエイペックス(頂点部分)が接近するに従って少しずつスムーズに踏力を抜いていく。これに慣れたあと、「トレイルブレーキング」と呼ばれるテクニックにトライするのもグッドアイディアだ。コーナーの奥まで適切にブレーキを残すことで、コンマ数秒のラップタイム短縮が可能となる。
03

ターンインが早すぎる

これは初心者でもエキスパートでも一様に見られるものだが、ターンインするタイミングが早すぎるドライバーがいる。コーナー出口で膨らんでいる、またはスピードを失っていると感じているなら、ターンインの速度を少しだけ落とし、コーナーのより深い位置にあるエイペックスをターンインの目安にしてみよう。正しくコーナーにエントリーできればエイペックス通過の時点で加速に移れるので、出口で外側に膨らむことはなくなるだろう。
04

コース幅を使い切っていない

サーキットの路面は白線と縁石で区切られている。イメージを活用して路面をできるだけ有効に使い、cm単位を最適化してラップタイム短縮につなげよう。各コーナーの入口と出口でできるだけワイドにラインを取りつつ確実にエイペックスを押さえるよう心がけて走れば、より速いスピードでコーナーリングできるはずだ。
コース幅は可能な限り全て活用する

コース幅は可能な限り全て活用する

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05

ステアリング操作がアグレッシブすぎる

カートを速く走らせるには正確な操作がカギで、スムーズさが正確性を高める助けになる。経験の浅いドライバーを見ていると、彼らの多くはステアリングを急激に操作してフロントをスライドさせてしまっている。これがいわゆるアンダーステアで、こうなるとカートは思うように曲がってくれなくなる。カートを効率的にコーナーリングさせるには、ステアリングをスムーズかつリニアに操作し、急激な入力を与えないことが大事だ。
水を入れたコップをカートに乗せ、その水をこぼさないようなドライビングをイメージしてみよう。
ステアリングは「スムーズ」を心がけて

ステアリングは「スムーズ」を心がけて

© Getty Images / Red Bull Content Pool

06

遠くを見ていない

初めてレーシングカートに乗ると、感覚のオーバーロードに陥りがちだ。カートは路面に対して乗車位置が非常に低いため、全てが実際の2倍の速度に見える。しかし、初心者はカートのほんの少し先しか見ていないせいでより恐怖感を助長させてしまっている場合が多い。視線をもっと遠くへ向ければ、脳内にこれから起こることを予測するプロセスに余裕ができるため、全てがよりゆっくりと起きているように感じられるようになる。
レースの鉄則として、ドライバーは現在起こっている出来事の常に一歩先を予測する習慣を身につけなければならない。したがって、ブレーキングの際にはその先のエイペックスを見て、エイペックスを通過する際にはコーナーの出口へ目を向けなければならない。コーナー出口を立ち上がったら、次のコーナーに目を向ける。視線の良し悪しは取るに足らないことに見えるが、実はとてつもなく大きな差を生むのだ。
07

道を譲ることに気を取られすぎている

新人ドライバーにとって、カート用サーキットはなかなか手強い場所だ。しかも、より豊富な経験を積んだ速いドライバーたちが猛スピードで追い越していく。しかし、彼らは自分よりも先にカートを始めただけであり、練習を積みさえすれば彼らと同じくらい速く走れるようになるはずなので、速いカートに抜かれても気にしないでおこう。道を譲るために慌てるよりも、自分のドライビングに集中したほうがはるかに安全だ。速いドライバーにとっても、自分のラインに集中できているドライバーの方が抜きやすい。さらに言えば、速いドライバーと比べて自分がどこでタイムを失っているかをチェックすれば、素早く上達できるだろう。
仮にF1ドライバーに追いかけられてもパニックにならないこと!

仮にF1ドライバーに追いかけられてもパニックにならないこと!

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というわけで、より速くカートを走らせるためには以下のヒントを参考にしてみよう。

  1. 両手の位置を「2時45分過ぎ」のポジションに固定し、ステアリングから手を離さない
  2. ブレーキはホールロック寸前まで強く踏み込んだあと、スムーズに弱めていく
  3. ステアリングを早く切り込みすぎない
  4. コース幅を1cm単位まで活用する
  5. ステアリング操作はスムーズに
  6. 常に一歩先を予測して視線を前方に向ける ― コーナーのエイペックスを通過する時はコーナー出口へ視線を向ける
  7. 速いドライバーに対して道を譲る心配をせず、自分自身の走行ラインに集中する。そして、どこで彼らが速いのか、なぜ彼らが速いのかを学ぶように心がける
あくまでも我々の意見だが、カートは誰もが楽しめる最高に気分爽快なアクティビティだ。ドライビングの興奮、より速く走りたいという思いが、人々をもっと深くカートにのめり込ませる。覚えておいてほしいのは、速いドライバーの基礎にあるのは質の高いドライビング技術であり、力任せなドライビングではないということだ。だからこそ、サーキットにいる時は興奮を前面に押し出しすぎることなく、着実にスピードを上げていくよう心がけてほしい。何よりも大事なのは、まず楽しむこと。誰もがF1ワールドチャンピオンになれるわけではないので、がむしゃらに1番を目指すよりもカートそのものを楽しむことの方がはるかに大事だ。

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