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ドリフト
MADMAC:マッド・マイクがドリフト仕様ハイパーカーをグッドウッドで公開!
ニュージーランドが生んだドリフトレジェンド、マッド・マイク・ウィデットがマクラーレンP1 GTRをドリフト仕様に変貌させたニューマシンを世界最大のモータースポーツの祭典で初公開した!
オラクル・レッドブル・レーシングが世界で最も先進的なサーキット専用ハイパーカー「RB17」を披露している裏で、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのレジェンド、マッド・マイク・ウィデットも “MADMAC” と命名したハイパーカーのドリフト仕様マクラーレンP1 GTRを公開した。
雨天では派手に振り回し、晴天では全輪からスモークを吐き出したMADMACで世界最大のモータースポーツの祭典に集まった数千人のファンを驚かせたマッドマイクは、今から10年前、無防備なグッドウッドの観衆の眼前でドリフトを披露して、瞬く間にこの伝統のフェスティバルのビッグスターのひとりとなっていた。
MADMACは、1995年ル・マン24時間レースでマクラーレンF1を擁して総合優勝(関谷正徳 / JJ・レート / ヤニック・ダルマス組)を飾ったモータースポーツスペシャリスト企業Lanzanteと、米国のラグジャリーカースペシャリストO'Gara Coach Companyによる共同プロジェクトだ。
ニュージーランドのハンプトン・ダウンズに構えるマッド・マイクのワークショップ「MADLAB」で組み上げられたMADMACは、かつてグッドウッド・サーキットでのテスト中に事故死した同郷オークランド出身のブルース・マクラーレン(マクラーレン創始者、F1通算4勝 / 1966年ル・マン24時間総合優勝)に捧げたマッド・マイク流トリビュートでもある。
過去にマッドマイクが手掛けたドリフト仕様のランボルギーニ・ウラカン “NIMBUL” と同じように、MADMACのアイディアもグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードから始まった。
「彼(マッド・マイク)が私たちのスタンドを訪ねてくれて、展示車両を見てくれたのです。そこから、一緒にどのようなことができるか検討し始めました」と語るのは、Lanzanteを率いるディーン・ランザンテだ。
この会話はやがてマッド・マイクの夢のドリフトマシンへと発展し、マッド・マイクはマクラーレンP1 GTRとマクラーレン650S GT3のカスタムミックスを提案した。ランザンテは続けてこのように語る。
「私たちはただ過激なマシンを作れば良いと思いがちなのですが、マイクは限界を1、2段階引き上げるチャレンジとして捉えていました」
誇り高きニュージーランド人として、このマクラーレンのプロジェクトを限界までプッシュして、世界各地でドリフトさせまくりたい
さらに困難なことに、マッド・マイクとその “共謀者” であるメカニックのアレック・ベルが、元々は直線でのトップスピード重視で設計されたマクラーレンを “横向き上等” のドリフトマシンへ改造するのに与えられた時間は、たった100日しかなかった。マッド・マイクは次のように振り返る。
「このプロジェクトは個人的にこれまでで一番クレイジーなチャレンジになった。LanzanteがカスタムしたマクラーレンP1 GTRを、たった100日間で世界一獰猛なドリフトハイパーカーに変貌させなければならなかった」
「数百万ドルもするマクラーレンをルール無用で切り刻んで、しかもそれを大好きなイベントのひとつ、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで披露できるなんて、夢にも思わなかったよ」
マクラーレン純粋主義者は顔を背けたくなってしまうかもしれないが、MADMACのステアリングやブレーキをチューニング&交換する過程で、マッド・マイクは元々搭載されていたマクラーレン製3.8ℓ V8ツインターボエンジンを1,000馬力仕様の2ℓトリプルローター・ターボロータリーエンジンに換装した。
ロータリーエンジンはドリフトシーンで一大勢力を誇っており、マッド・マイクは最も熱心なロータリー信奉者だ。なぜなら、この高回転エンジンは彼の右足下に1,000馬力を生み出しながら回転数とギアチェンジ、空転をさらに増やして観客を喜ばせることができるからだ。
この大胆なエンジン換装の効果は非常に大きく、マッド・マイクはグッドウッド名物のヒルクライムコースを駆け上がりながら火を吐き、タイヤを激しく擦り付けて観衆を盛り上げると、焦げ付いたラバーで自身の伝説にもうひとつのチャプターを記したのだった。
マッド・マイクによるドリフト仕様マクラーレンP1 GTRの製作過程を彼のYouTubeチャンネルでチェック!
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