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6歳の頃、Mehmet Yağiz “cNed” İpekはトルコ・イスタンブールの自宅で15歳の兄Alihan “deNC” ipekが『カウンターストライク』シリーズをプレイするのを見るたびに、一緒にプレイしたいとせがんでいた。
「最初は相手にしてもらえなかったんだけど、頼み続けたら一緒にプレイしてもらえるようになったんだ」とcNedは話を始める。
「当時の思い出のひとつは、兄の操作していたキャラクターが死んだあと、マウスを操作するのを許してもらえた時だね。でも、困らせてはいけないと思って何もできなかったんだ」
その後、兄弟は対戦するようになった。兄のdeNCがトルコのプロレベルでプレイしていたため、幼い頃から同国のeスポーツシーンの最高峰レベルに触れることができたcNedはすぐにのめり込んだ。そして、兄が、自分たち兄弟がeスポーツに長けており、時間を割く価値は十分にあると両親を説得すると、cNedも『カウンターストライク:グローバルオフェンシブ』(以下、『CS:GO』)のセミプロレベルで活躍するようになった。
しかし、cNedが18歳になった2020年、『VALORANT / ヴァロラント』(以下、『VALORANT』)がeスポーツシーンを席巻すると、彼はメインタイトルをこの最新作に切り替え、そのトップを目指すギャンブルに出ることにした。
自分のゲーミングセンスを信じていた。『CS:GO』時代のスナイピングで培ってきたエイムや反応、経験をね
「自分のゲーミングセンスを信じていた。『CS:GO』時代のスナイピングで培ってきたエイムや反応、経験をね」と19歳になったcNedは語る。「『VALORANT』のトッププレイヤーになれると思ったんだ」
この直感は正しかった。
2021年3月、cNedはプロチームAcendのメンバーとして【VALORANT 2021 Champions Tour ヨーロッパ ステージ1】で優勝すると、トーナメントMVPにも選ばれたのだ。本人は次のように語っている。
「『VALORANT』がリリースされた直後から、メインタイトルを切り替えるビッグチャンスだと思っていた。急速に人気を獲得していたし、世界中でファンを集めていたからね」
また、パンデミックによって多くのトーナメントがキャンセルになっているが、cNedは自宅からのライブストリーミングによって多くのファンを獲得することにも成功している。現在、cNedは4〜8時間をトレーニングに割いており、今年後半にドイツ・ベルリンで開催される【VALORANT 2021 Champions Tour ヨーロッパ ステージ3】へ向けて準備を進めている。
しかし、このようにプロプレイヤーがメインタイトルを変更するのはレアケースだ。本人も、『CS:GO』で大きな成功を収めているプレイヤーの『VALORANT』への転向は非常にリスキーであることを認めているが、次のように続けている。
「でも、自分と自分のスキルを信じているなら、転向すればビッグチャンスが得られると思う」
『VALORANT』は、2020年で最も話題となり、最も視聴され、最もプレイされたゲームだ。この強大な地位を脅かす新作はしばらくリリースされないだろうと予想しているcNedは、今後もこのゲームをプレイしていく予定だ。
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