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MotoGP
MotoGP:数字で学ぶ2024シーズン
3月10日のカタールGPで開幕したMotoGP 2024シーズン。2輪モータースポーツ最高峰としての地位を裏付けるスタッツをまとめた。
MotoGP 2024シーズンは、FIMロードレース世界選手権の76年目にあたる。そして、その歴史の中には有り余るほどの驚異的なスタッツが存在する。
今シーズンは、3月10日のカタールGPで開幕し、11月17日のバレンシアGPで閉幕する全21戦を経て新たなMotoGPワールドチャンピオンが決定する。2022シーズン・2023シーズンのタイトルを連覇したフランチェスコ・バニャイア(イタリア)を倒す次の王位継承者が現れるか否かが目下の注目ポイントだ。
世界選手権が創設された1949年以来、ワールドチャンピオンの栄光を手にしたライダーはわずか30名しか存在しない。MotoGP最高峰クラス6冠(2013 / 2014 / 2016 / 2017 / 2018 / 2019)を誇るマルク・マルケスは、2024シーズンも参戦を継続。
一方、マルケスと並ぶ6度のワールドチャンピオン(2002 / 2003 / 2004 / 2005 / 2008 / 2009)に輝いたバレンティーノ・ロッシは2021シーズンを最後に現役を退いた。
01
2024シーズンの参戦ライダー
MotoGP 2024シーズンでは、11チーム・5メーカー(ホンダ / KTM / ドゥカティ / ヤマハ / アプリリア)総勢22名のライダーたちがタイトルを争う。
この22名のうち10名がスペイン出身で、6名がイタリア出身だ。2024シーズンに最高峰クラスデビューを飾るルーキーは1名のみで、2023シーズンのMoto2王座を獲得したペドロ・アコスタ(スペイン)がレッドブル・ガスガス・テック3からデビューした。
世界選手権最高峰クラスで歴代最年長優勝記録を保持しているのが、ファーガス・アンダーソンだ。この英国人ライダーは、1953シーズンのスペインGPを44歳237日で制した。一方、歴代最年少優勝記録はマルク・マルケスの20歳63日となっている(2013シーズン アメリカズGP)。
02
進化を続けるスピード
MotoGPの最高速度記録はドゥカティがほしいままにしている。イタリアを代表するこのマニュファクチャラーはMotoGPの最高速度記録を2015シーズン以降塗り替え続けており、数多のライダーたちがスピードの限界を押し上げてきた。
2015年5月、アンドレア・イアンノーネが350.8km/hのトップスピードを記録すると、2016年3月にイアンノーネが351.2km/hまで更新。同年5月には354.9km/hに到達した。この記録をアンドレア・ドヴィツィオーゾがさらに塗り替え、2019年にイタリア・ムジェロで356.7km/hのトップスピードを叩き出した。
その後、2021シーズン カタールGPフリープラクティスでエネア・バスティアニーニのスリップストリームを利用したヨハン・ザルコが驚異的な362.4km/hをマークして、初めてモーターサイクルが時速360km/hの壁を破った。
しかし、これの記録も長く維持されることはなかった。現在のMotoGP最高速度記録を保持しているのは、ムジェロで開催された2022シーズン イタリアGPで363.6km/hをマークしたホルヘ・マルティンだ。
レッドブル・リンクの公式ラップレコードもドゥカティが記録している。2021シーズン オーストリアGP予選Q1で、ホルヘ・マルティンが平均時速187.300km/h、ラップタイム1分22秒994を叩き出し、同サーキットで初めて1分23秒台の壁を破った。
レッドブル・リンクでは翌2022シーズンからMotoGP用レイアウトが改修されて平均速度がやや低くなった。現行レイアウトでのラップレコードはフランチェスコ・バニャイアが記録した1分29秒840となっている。
これらのスタッツを総合すると、レッドブル・リンクは世界最速のMotoGPサーキットと言える。
03
極限の僅差バトル
2016シーズン イタリアGPはMotoGP / Moto2 / Moto3の全クラスの1位と2位のタイム差が0.087秒以内だったレースとして歴史に刻まれている。
日曜日最初のレースとなったMoto3 決勝レースは、ファイナルラップの驚異的なバトルの末にライダー5名がわずか0.077秒以内に収まる僅差でフィニッシュラインを越えた。
04
強烈なパワー
MotoGPマシンは157kgと軽量ながら300馬力前後のパワーを備えており、トップスピードは350km/h以上に到達するが、その気になれば一般人でも購入できる。
KTMはポル・エスパルガロが実戦で使用したレースバイクを2019年から販売しており、スペイン出身のエスパルガロは2019シーズン仕様のKTM RC16を駆ってトップ10フィニッシュ8回・計100ポイントを獲得している。しかし、エスパルガロの実績をアマチュアライダーが真似しようと試みるのはオススメできない…。
05
高温・大音量
MotoGPマシンは最大128dBもの轟音を響かせながらターマックを疾走する。これに比べれば、削岩機の104dBなどは静かなものだ。調理用グリルは約250ºC程度まで達するが、MotoGPマシンのブレーキディスクは最高750ºCに達する。
また、家庭用洗濯機は平均1,000rpm程度しか回らないが、MotoGPマシンに搭載されたエンジンの最高回転数は19,000rpmとなっている。
06
テクノロジーと物理法則の限界を追求する
タイヤの空気圧やフロント / リアのホイール回転速度など、レース中の様々なパラメーターを確認するため、MotoGPマシンには40個から50個前後のセンサーが取り付けられている。ライダーたちは1レースあたり500〜800回ものギアチェンジを行い、レース全体の30%でブレーキレバーを操作している。
そして、あの陽気なレジェンドであるマルク・マルケスは、2019シーズン ドイツGPザクセンリンクのターン3でそれまでの記録を破る66°のリーンアングル(傾斜角度)を実現して歴史を打ち立てた。
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