MotoGP

MotoGP:歴史に残る大記録 11選

最高速、最多出走回数から最年少優勝、最多勝マニュファクチャラーまで、75年に及ぶMotoGPの歴史に刻まれてきた印象的な記録を紹介する。
Written by Alastair Spriggs
読み終わるまで:6分Updated on
Marc Marquez in action at the Thailand MotoGP™ on October 28, 2023.
© Gold & Goose/Red Bull Content Pool
F1レースの2輪版と言えるモーターサイクルレース最高峰クラスMotoGPの起源は1949年まで遡り、その歴史には興奮と驚異的な記録、有り余るほどのドラマが詰め込まれている。
3月10日に中東カタールで迎える2024シーズン開幕を前に、知っておくべき最も印象的な記録を選りすぐって紹介しよう。
※:記録はすべて2024シーズン開幕前時点
01

【最多タイトル獲得回数】ジャコモ・アゴスチーニ

MotoGPとその前身にあたる500ccクラスワールドチャンピオン獲得回数で歴代トップに君臨しているのは、“アーゴ”(イタリア語で「針」の意)の愛称で知られるジャコモ・アゴスチーニだ。アゴスチーニは1965シーズンに500ccクラスデビューを飾ると、同シーズンのフィンランドGPで初優勝をマークした。
350cc / 500cc合わせて15回ものタイトルを獲得したジャコモ・アゴスチーニ

350cc / 500cc合わせて15回ものタイトルを獲得したジャコモ・アゴスチーニ

© Getty Images/Red Bull Content Pool

アゴスチーニは14年のキャリアで通算122勝を記録し、複数のクラスにまたがりワールドチャンピオンに計15回輝いた。そのうち、8回が最高峰500ccクラス(現在のMotoGP)で獲得したものだ。
この目覚ましい功績により、アゴスチーニはMotoGPワールドチャンピオン獲得回数最多記録保持者となっている。同じイタリア出身のバレンティーノ・ロッシ(7回)とスペイン出身のマルク・マルケス(6回)がアゴスチーニの記録に続いている。
02

【最多出走回数】バレンティーノ・ロッシ

出走回数で他のライダーたちを大きく引き離しているバレンティーノ・ロッシをMotoGPの歴史から切り離すことはできない。2000シーズンのデビューから2021シーズンの引退まで、ロッシは最高峰クラスで通算372戦に出走。さらに印象的なことに、ロッシはそのうち199戦で表彰台を獲得し、89戦で優勝を飾っている。
バレンティーノ・ロッシを抜きにMotoGPの歴史は語れない

バレンティーノ・ロッシを抜きにMotoGPの歴史は語れない

© Yamaha Racing

出走回数でロッシに次ぐ歴代2位に位置しているのは、同じイタリア出身のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(2008シーズンデビュー / 2022シーズン引退)だ。ドヴィツィオーゾは最高峰クラスで248戦に出走した。
03

【最高速度記録】ホルヘ・マルティン

2022年5月、ホルヘ・マルティンはイタリアのムジェロ・サーキットMotoGP最高速度記録を塗り替え、MotoGPマシンの速さを世界に示した。
スペイン出身のマルティンはムジェロのスタート / フィニッシュストレートで363.3km/hのトップスピードを叩き出し、ヨハン・ザルコ(フランス)が2021シーズンにマークしたそれまでの記録をさらに1.2km/h上回った。
驚愕の最高速記録を保持するホルヘ・マルティン

驚愕の最高速記録を保持するホルヘ・マルティン

© Gold & Goose/Red Bull Content Pool

04

【1シーズン最多優勝回数】マルク・マルケス

2014シーズンは、ワールドチャンピオンに6度輝いているマルク・マルケスが18 戦中13勝を挙げたシーズンとして永遠に語り継がれるだろう。
フランスGP決勝スタートに備えるマルク・マルケス

フランスGP決勝スタートに備えるマルク・マルケス

© Gold & Goose/Red Bull Content Pool

05

【同一GP最多優勝回数】ジャコモ・アゴスチーニ

2013シーズンから2021シーズンにかけてザクセンリンクで合計8勝をマークしているマルケスは “キング・オブ・ドイツGP” と見なされている。しかし、この目覚ましい記録を上回る大記録が存在する。
1965シーズンから1973シーズン、さらには1975シーズンと、アゴスチーニはタンペレとイマトラで開催されたフィンランドGPで合計10勝をマークし、同一GP最多優勝記録を手にしている。
06

【シーズン1勝以上を最も長く続けたライダー】ジャコモ・アゴスチーニ&ダニ・ペドロサ

アゴスチーニは1965シーズンから1976シーズンの12シーズンに渡ってシーズン1勝以上を記録し続けた。また、ダニ・ペドロサ(スペイン)も2006シーズンから2017シーズンにかけて同一の記録を達成し、アゴスチーニの記録に並んでいる。
電撃復帰するダニ・ペドロサ

電撃復帰するダニ・ペドロサ

© Philip Platzer/Red Bull Content Pool

07

【最年少優勝記録】マルク・マルケス

最高峰クラスデビューシーズンのマルケスは、それまで30年間破られていなかった記録を更新した。20歳63日という若さでアメリカズGPを制したことで最年少MotoGPウィナーになったのだ。
マルク・マルケス

マルク・マルケス

© Gold & Goose/Red Bull Content Pool

それまでは1982シーズンのベルギーGPを20歳196日で制したフレディ・スペンサー(米国)が最年少優勝記録を保持していた。
マルケスはこのMotoGPデビューシーズンでさらに5勝を挙げ、ルーキー最多優勝記録も更新した。
08

【最年長優勝記録】ファーガス・アンダーソン

ファーガス・アンダーソン(英国)が1953シーズンスペインGPで優勝したとき、彼は44歳237日だった。
44歳にして最高峰クラス優勝を果たしたファーガス・アンダーソン

44歳にして最高峰クラス優勝を果たしたファーガス・アンダーソン

© Moto Guzzi

09

【最多優勝マニュファクチャラー】ホンダ

MotoGPの長い歴史を通じて数多のマニュファクチャラーがマシンを送り込んできた。しかし、その中で最大の成功を収めてきたのが日本のホンダだ。2023シーズン中盤の時点で、ホンダ製マシンに乗るライダーたちは合計313勝を挙げている。
通算優勝回数で歴代2位につけているのが同じく日本のヤマハ(245勝)で、イタリアのMVアグスタ(139勝)が歴代3位に続いている。
10

【1シーズン最多優勝マニュファクチャラー】ドゥカティ

ドゥカティ17勝をマークした2023シーズンは、このボローニャ産の弾丸マシンを愛するファンたちにとって忘れられない1年となった。この17勝は、ライダー6名(ペッコ・バニャイア / エネア・バスティアニーニ / ホルヘ・マルティン / マルコ・ベツェッキ / ヨハン・ザルコ / ファビオ・ディ・ジャンアントニオ)によって達成された。
肘を擦りながらコーナーを攻め立てるホルヘ・マルティン

肘を擦りながらコーナーを攻め立てるホルヘ・マルティン

© Gold & Goose/Red Bull Content Pool

11

【最少優勝回数でのチャンピオン獲得】ジョアン・ミル

2020シーズンのMotoGPワールドチャンピオンに輝いたジョアン・ミル(スペイン)は、その王座獲得の過程で2つの記録を樹立した。
わずか1勝で2020シーズンのタイトルを勝ち取ったジョアン・ミル

わずか1勝で2020シーズンのタイトルを勝ち取ったジョアン・ミル

© Philip Platzer/Red Bull Content Pool

このシーズンのミルはリカルド・トルモ・サーキットで開催されたバレンシアGPでわずか1勝を挙げただけで、シーズン最少優勝回数でワールドチャンピオンになった。また、同時に彼は最少キャリア優勝回数でワールドチャンピオンに輝いたライダーにもなった。
優勝にはなかなか恵まれなかった2020シーズンのミルだったが、全14戦中7戦で表彰台フィニッシュを記録したことでタイトル獲得へ突き進んだ。合計171ポイントを稼ぎ出したミルは総合2位フランコ・モルビデリ(イタリア)の158ポイントを大きく引き離してシーズンを終えた。
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