G2 Esports’ caPs at the League of Legends European Championship 2022 Spring Final in Berlin, Germany.
© Michal Konkol/Riot Games
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『リーグ・オブ・レジェンド』:G2 Esports のMSI戦歴

ヨーロッパ最強チームはLoL Mid-Season Invitational でどのような結果を残してきたのだろうか? Worldsに次ぐインターナショナルタイトルでの戦いの歴史を振り返っていく。
Written by Jack Ridsdale
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『リーグ・オブ・レジェンド』の“キングス・オブ・ヨーロッパ” ことG2 EsportsはLEC 2022 スプリングシーズンのプレイオフを制して、ヨーロッパ最強の称号を取り戻した。また、この結果を受けて、彼らは世界各地の最強チームが集まる招待制トーナメント【League of Legend Mid-Season Invitational 2022】(【MSI 2022】)の出場権を手にした。
【MSI 2022】でのG2 Esportsは北米のEvil Geniuses、オーストラリアのORDERと同じグループCに振り分けられたが、本原稿執筆時点(5月17日)で彼らはこのグループを全勝で突破し、ランブルステージへ駒を進めている。しかし、彼らが頂点に立てるかどうかは誰にも分からない。
そこで今回は、優勝予想の参考資料としてMSIにおけるG2のパフォーマンスを振り返っていくことにする。
G2 Esportsはチーム創設1年目に【MSI 2016】の出場権を獲得したが、残念なことにグループステージで敗退した。しかし、【MSI 2017】でリベンジに成功し、グループステージを突破したあとセミファイナルで中国チームTeam WE(元World Elite)と対戦。G2 Esportsはこの試合を3-1で勝利し、ファイナルへ駒を進めた。
そのファイナルで、G2はLCKの絶対王者として知られるSK Telecom T1(現T1)と対戦した。G2は素晴らしいプレイを随所で披露したが、T1に一歩及ばず2位でフィニッシュした。
2018年のG2 EsportsはMSI出場権を惜しくも逃してしまったが、その翌年、彼らはMSIでのベストパフォーマンスを記録することになる。
【MSI 2019】に出場したG2は、台湾のFlash Wolves戦に勝利して幸先良くトーナメントをスタートさせた。次の中国代表Invictus Gamingとベトナム代表Phong Vũ Buffalo戦は落としたが、彼らがここで気落ちすることはなかった。4戦目でT1と再戦した彼らはここで不可能を可能にすることになる。
Luka “Perkz” PerkovićがCho 'Mata' Se-hyeongからファーストブラッドを奪った時点で結果は見えていたが、G2はT1に勝利し、Lee "Faker" Sang-hyeokのようなレジェンドプレイヤーたちでもヨーロッパ最強チームの最高のパフォーマンスには対処できないことを証明したのだ。
大きな勝利を手にしたG2はここから無双だった。自信と勢いを得ていた彼らはグループステージ最終戦Team Liquid戦も勝利し、通算成績5勝5敗、T1とInvictus Gamingに続く3位でグループを突破した。そして、G2はノックアウトステージ初戦でT1と再戦する。BO5のこの対戦は激しい内容になったが、クリエイティブなドラフトを見せたG2が内なる悪魔を退け、LCK王者に再び土をつけた。
【MSI 2019】を制したG2 Esports

【MSI 2019】を制したG2 Esports

© Yicun/Riot Games

この時点で、MSIの優勝トロフィーとG2 Esportsの間に存在するのは米国代表のTeam Liquidだけとなった。そして、このファイナルでもG2 Esportsはドラフトで冴えを見せたのだが、それよりも素晴らしかったのはチームファイトでの連携力だった。
Rasmus “caPs” WintherMihael “Mikyx” Mehlenのミッドレーンでのコンビネーションは強力で、Perkzはボットレーンでワンマンアーミーとして立ち回った。結果、G2は3-0で完勝し、【MSI 2019】王者となった。
2020年はパンデミックで開催中止となり、2021年はMAD Lionsに出場権を奪われたため、3年ぶりの【MSI】出場となった今年のG2は、インターナショナルステージでの王座奪還を目指している。【MSI 2019】での成功を知っているベテランプレイヤー2人(caPsとジャングラーMarcin “Jankos” Jankowski)に、トップレーナーSergen “Broken Blade” Çelik、ボットレーナーVictor “Flakked” Lirola、サポートRaphaël “Targamas” Crabbéを加えたチームはその準備が整っている。
新メンバー3人の中でインターナショナルレベルの経験があるのは、Worlds 2020に出場したBroken Bladeだけだが、チーム全員が非常に高い順応力を備えており、誰が相手でも完全勝利を収められるはずだ。
彼らの能力の高さはLEC 2022 スプリングシーズンのプレイオフでのローワーブラケットからの見事な勝ち上がりが証明している。彼らはトーナメント序盤でローワーブラケットに落ちたあと、圧倒的な強さで頂点まで駆け上がった。彼らはTeam Vitality、Misfits Gaming、Fnatic、Rogueを相手に1ゲームも落とさずにタイトルを手にしたのだ。
このような素晴らしいパフォーマンスを披露したG2 Esportsだが、インターナショナルタイトルからはしばらく遠ざかっている。とはいえ、【MSI 2022】は好調なスタートを切り、すでにランブルステージ進出を決めているため、【MSI 2019】を再現する機運は高まっている。
果たしてG2 EsportsはEvil GeniusesPSG TalonRoyal Never Give UpSaigon BuffaloT1を相手にノックアウトステージへ進出し、さらには頂点に立てるだろうか? 彼らのプレイに注目したい。
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