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2023年は格闘ゲームにとって素晴らしい1年になる。『ストリートファイター6』が夏にリリースされる他、『鉄拳8』のリリースも予定されている。さらに、Riot Gamesが手がける完全新作『Project L』も開発が進行中で、名作『餓狼 MARK OF THE WOLVES』の続編も決定している。
このジャンルのファンが楽しめる作品が多く用意されているが、欲望が尽きることはない。というわけで、今回は開発決定アナウンストレーラーが待ちきれない格闘ゲームシリーズ続編5本を勝手にリストアップしてみた。
01
『Capcom vs. SNK 3』
格闘ゲーム黄金時代、SNKはカプコン最大のライバルだった。カプコンが『ストリートファイターII』でアーケードに格闘ゲーム革命を起こすと、SNKが『龍虎の拳』で対抗した。その後、SNKの格闘ゲーム作品リストは伸びていき、『King of Fighters』や『サムライスピリッツ』などは近年でも最新プラットフォームに対応した新作がリリースされている。
話を戻すと、この黄金時代にカプコンとSNKが両陣営のキャラクターたちを借用してお互いに作品をリリースするという試みが行われた。その中で最もポピュラーだったのが『Capcom vs. SNK 2』だ。この作品には特徴がいくつもある。
まず、キャラクターは44体も収録されており、グルーヴと呼ばれるシステムが6種類用意されている。グルーヴとはカプコンまたはSNK製格闘ゲームの対戦システムを組み合わせたもので、ゲージの使用や移動や回避などがグルーヴごとに異なる。また、プレイヤーは豊富なキャラクター陣から3体を選択してチームを編成できる。
『Capcom vs. SNK 2』は今でも格闘ゲームコミュニティ内で人気が高く、加えてSNKが近年華麗なる復活を遂げていることから、続編『Capcom vs. SNK 3』へのニーズは当然ながら高まっている。
SNKが近年の作品群で他のシリーズからゲストキャラクターを迎え入れていることを考慮すれば、この伝説のコラボレーションシリーズの復活の可能性は低くないはずだ。
49分
Street Fighting -ストリートファイティング-
世界最強の格闘ゲームプレイヤーたちが集結する、Red Bull Kumite。『ストリートファイターV』のプレイヤー、Xiao Hai、Daigo、Gamerbee、Tokido、Luffyらが決死の覚悟で大会に備える。
02
『バーチャファイター6』
かつて3D対戦格闘ゲームシーンではアップル vs. Windowsレベルの論争が起きていた。その中身は “最高は『鉄拳』シリーズか『バーチャファイター』シリーズのどちらなのか?” だ。
最初に対戦格闘ゲームに3Dを持ち込んだのは1993年に『バーチャファイター』をリリースしたセガだった。1994年にはゲームプレイを調整した『バーチャファイター2』がリリースされ、3D対戦格闘ゲーム初のヒット作となった。
同年、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)が『鉄拳』をリリースしたが、両作品の最大の違いはアクセシビリティだった。『バーチャファイター』シリーズは基本的にパンチ、キック、ガードの3ボタンだったが、『鉄拳』シリーズよりも複雑とされていた。
現時点のシリーズ最後のナンバリングタイトルは『バーチャファイター5』で、のちにその最終バージョン『バーチャファイター5 ファイナルショーダウン』がリリースされている。さらに、2021年にはこのバージョンがリメイクされ、『バーチャファイター eスポーツ』としてリリースされた。
このようにセガがこのシリーズを忘れておらず、まだ捨てていないという事実がファンに希望を与えている。また、『バーチャファイター』シリーズは『龍が如く』シリーズなどでミニゲームとして収録されるなど、比較的頻繁に私たちの前に姿を現していることにも触れておきたい。
03
『ブラッディロア5』
3D対戦格闘ゲームジャンルのハードコアファンたちの間で長年人気を維持しているのが『ブラッディロア』シリーズだ。PS1世代ならドンズバのシリーズだろう。
『ブラッディロア』シリーズの特徴は、各キャラクターが “獣化” できるところにある。ゲージを溜めてボタンを押せば獣人に変身できるのだ。プレイヤーがウサギ、ゾウ、ライオン、モグラなどになって戦えるというのは非常に “ワイルド” なコンセプトで、デベロッパーらしさに溢れている。
このシリーズの開発を担ってきたデベロッパーはエイティングで、格闘ゲームファンの間では『MARVEL vs. CAPCOM 3』や『TATSUNOKO vs. CAPCOM』、『Fate/unlimited codes』などで知られている。これらと『ブラッディロア』を含めてエイティングが手がけてきた対戦格闘ゲームはどれもクリエイティブで、キャラクターが立っており、シンプルで楽しい。バランスが悪いときがあるのも愛嬌で片付けられる。
そして2022年、エイティングはアークシステムワークスと共同で『DNF Duel』を開発しており、この事実からは彼らがまだこのジャンルにリソースをつぎ込んでいることが理解できる。以上を踏まえると、近い将来での『ブラッディロア』シリーズの復活が見えてくるのではないだろうか。
04
『鉄拳タッグトーナメント3』
今や誰もが『鉄拳8』の開発が進んでいることを知っているが、実は、格闘ゲームコミュニティ内では、『鉄拳』シリーズの次作は『鉄拳タッグトーナメント』シリーズ最新作になるのではという期待が大きかった。何しろ、前作『2』のリリースは2011年なのだ。
『鉄拳タッグトーナメント』シリーズと『鉄拳』シリーズの最大の違いは、言うまでもなく “タッグ” システムにある。プレイヤーはキャラクター2体を選択してタッグを組ませ、対戦相手のタッグのいずれかをKOすれば勝利となる。この “2体のうち1体をKOすれば勝利” という仕様が、“相手チーム全員をKO“ を勝利条件に設定している他のチーム制対戦格闘ゲームとの大きな違いになっている。
キャラクター2体はほぼ制限なく交代させることが可能で、コンボ中でも問題ない。この自由度の高い交代システムが『鉄拳タッグトーナメント』のゲームプレイでは非常に重要で、上手く活用することでダメージを重ねられる。
ファンの『鉄拳タッグトーナメント』シリーズのどこに魅力を感じていようとも、このシリーズは『鉄拳』シリーズのストーリーとは無関係であり続けている。つまり、このシリーズは『鉄拳』ユニバース名鑑として楽しめるようになっており、たとえば『鉄拳タッグトーナメント2』には、カンガルーのロジャーやエンジェルなど、過去作品のエキセントリックなキャラクターたちが参戦している。
05
『MARVEL vs. CAPCOM 4』
『MARVAL vs. CAPCOM INFINITE』が2017年にリリースされたが、素晴らしいシステムがいくつか用意されていたものの、この作品は多くのファンを失望させることになった。厳密に言えば、ファンの期待からほど遠く、キャラクター陣も最高だった『MARVEL vs. CAPCOM 3』のあとでは惨めに思えた。
キャラクターラインアップは当時のマーベル・シネマティック・ユニバースのヒーローとヴィランにかなり偏っており、『MARVEL vs. CAPCOM』シリーズを支えてきたウルヴァリン、マグニートー、ストームのようなクラシックなキャラクターたちを見つけることはできなかった。
もちろん、このシリーズの開発にはディズニーとマーベルの権利争いが必ず絡んでくる。使用できるキャラクターが制限され、ストーリーへの影響も加味される。さらなる権利関係からリリース後にプレイできなくなる可能性もある。たとえば、『MARVEL vs. CAPCOM 2』は2023年現在デジタル版をダウンロードできない。PS2またはXbox用ディスク、またはPS3またはXbox 360用ディスクを手に入れるしかないのだ。
もう少し踏み込めば、『MARVAL vs. CAPCOM INFINITE』は、カプコンの格闘ゲームへの風当たりが強いときにリリースされた間の悪い作品でもあった。この頃にリリースされた『ストリートファイターV』は当時多くのファンから批判されていた。開発途中で適当にリリースされたと判断され、多くのキャラクターが似ているように感じられた。また、オンラインへの対応も不十分だった。
しかし、その後カプコンは見事に問題点を解決して復活しており、次作『ストリートファイター6』のルックスは美しく、格闘ゲームコミュニティとカジュアルファンの両方から大きな期待を寄せられている。カプコンがこのポジティブなムードを活かし、彼らの最重要シリーズのひとつ『MARVEL vs. CAPCOM』の最新作の開発を進めるのはグッドアイディアのはずだ。
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