渋谷=音楽の街というイメージに、タワーレコードの存在が大きく寄与していることは、多くの人が認めるところだろう。そんなタワレコ渋谷店をライブハウス化、ロック勢から、アイドル、女性ボーカルまでが縦横無尽に入り乱れる一日となった。
タワーレコード渋谷店の4F、新しい学校のリーダーズからイベントはスタート。同フロアには、Tシャツやキャップなど「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017」オリジナルグッズの販売ブースやドリンクカウンターも設置され、フェス気分が高まる。通りに面した1Fトークブースには、ライブ出演したアーティストから4組が登場。自身もライブパフォーマンスを披露したAishaが司会を務め、出演者の素顔が垣間見える場となった。
さまざまなコンテクストとの融合を提案するこのイベントらしさを感じたのは、ROOFフロアで行われたMURASAKIによるライブペイントだ。小雨模様の天候とシンクロするような「雨と雫」を披露した東京女子流や、夢みるアドレセンス、RIRIといった女性グループやシンガーが盛り上げたこのフロア。彼女たちのパフォーマンスと呼応するように、強い眼差しを持つ女性がMURASAKIによって描き上げられた。
ステージ上にレッドブルのネオンサインが輝くB1Fは、NOTHING TO DECLAREのMasによるアコースティックセットからスタート。MC中にはレッドブルの缶を高く掲げ、オーディエンスと乾杯する場面も。Red Bull Music Academy卒業生のHAIOKAも、雨足が強まったROOFフロアから急遽こちらにステージを移動。ゲストボーカルに、やなわらばーの石垣優を迎えて、エレクトロニック・ミュージックに琉球民謡的なテイストが溶け合ったライブを展開した。
ライブの感想を述べ合いながら、タイムテーブルをチェックし、フロアを移動する人の姿が印象的だった「渋谷摩天楼」。タワーレコードをジャンルレスに回遊する、このカオスな試みを存分に楽しんでいる様子が伝わり、渋谷が今後も音楽の爆心地であり続けるであろうことを確信できるイベントとなった。