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パデル vs. ピックルボール vs. テニス:違いと共通点
パデル、ピックルボール、テニスはどれも世界中で楽しまれているラケットスポーツだ。それぞれの特長、違い、共通点を簡単に解説する。
近年、テニスに加えて、パデルとピックルボールも人気を獲得してきている。それぞれが異なる理由でファンを獲得しているこの3種類のスポーツの違いと魅力について解説していこう。
01
ピックルボールとは?
ピックルボールは、米国を中心に近年非常に大きな人気を獲得しているスポーツだ。1960年代中頃に誕生したピックルボールは、瞬く間に米国内に広まった。ピックルボールはバドミントンサイズのコートにテニス用を少しアレンジしたネットを組み合わせてプレーする。
プレーヤーたちは木製または複合素材製の固いパドルとウィッフルボールのような穴の空いたプラスティック製ボールを使用する。シングルまたはダブルスが可能で、いくつかのルールがあるにせよ、基本的には味方コートでボールを打ち、ネットを越えて相手コートに落としたらポイントを獲得するだけだ。
ピックルボールは簡単に学べるので、初心者に最適なスポーツだ。コートが比較的小さいので会話や交流がしやすく、社交性が高くて仲間ができやすいスポーツとして人気が高い。また、テニスのように激しくないが適度に身体を動かせるので高齢者や低負荷の運動がしたい人に向いている。
02
パデルとは?
パデルは1969年にメキシコ人エンリケ・コルクエラによってテニスとスカッシュのハイブリッドスポーツとして考案された。
このスポーツは壁に囲まれた空間でプレーするようにデザインされており、テニスのようなストリングを張ったラケットではなく、小さな穴がいくつも空いている固いパドルを使用する。スペインで最初に人気を獲得したあと、ヨーロッパと北米に広まった。こちらも社交性とアクセシビリティが高いスポーツとして知られている。
03
テニスとは?
テニスは高尚なルーツを持つスポーツで、手でボールを打つスポーツ “ジュ・ド・ポーム” としてフランスで12世紀に誕生して貴族階級で楽しまれたあと、今のようにラケットを使うスポーツへと進化して大衆に広がった。
テニスにはシングルスまたはダブルスがあり、ラケットを使って黄色い専用ボールをネットの先の相手コートへ打ち返す。相手がそのボールを打ち返せないとポイントになる。グラス、クレイ、ハードコートと複数のコートで楽しまれているこのスポーツは、特定のセット数を先取した側が勝利となる。
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パデル / ピックルボール / テニスの違い
コート
テニスは四角形(基本的にはシングルスで長さ23.5m x 幅8m)のコートでプレーする。その中央には高さ0.9mのネットが張られる。プレーヤーはストリングを張ったラケットを使いフェルトで覆われたゴムボールを相手側コートへ打ち返す。ピックルボールはバドミントンサイズのコート(長さ13.5m x 幅6m)を使用する。ネットはテニスとほぼ同じだが、弱冠低い。
パデルはより小さい壁ありのコート(長さ20m x 幅10m)を使用し、プレーヤーは壁でボールをバウンドさせることができる。パデル用ラケットは固くて穴が開けられている。ボールはテニスボールに近いが、テニスボールよりも柔らかい。
05
用具
テニスではストリングを張ったラケットとフェルトで覆われたゴムボールを使う。パデル用パドルは固くて複数の穴が空いている。ボールはテニスボールに似ているが、テニスボールよりも柔らかい。ピックルボールも固いパドルを使用するが、複数の穴が空いているプラスティック製ボールを打つ。
06
ルール
テニス、ピックルボール、パデルの基本コンセプトは同じだが、コートサイズやスコア方法、サーブ、ボール、ネットの高さなどが異なる。
どれもラケット(パドル)でボールを打ち、ネットを越えて相手側のコートへ入れることが目的で、ポイント制で勝者を決める。しかしながら、デュースやアドバンテージなどを含むポイントのカウント方法が異なる。テニスとパデルは伝統的なポイントシステムを採用しているが、ピックルボールはよりシンプルでアドバンテージは存在しない。
テニスのポイントは0(ラブ)・15・30・40・1ゲームと進んでいく。両プレーヤーまたはチームが40で並んだ場合(デュース)、どちらかのチームが連続でポイントを取ると1ゲームになる。
パデルはテニスと同じポイントシステムを採用しているが、アドバンテージが存在せず、デュースのあとは、次のポイントを取った側が1ゲームを取る。ピックルボールは独自のポイントシステムを採用しており、サーブ権を持つプレーヤーまたはチームのみがポイントを獲得できる。
07
主な違い
パデルのコートはテニスコートよりも狭く、強化ガラスと金網の壁で囲まれている。ピックルボールのコートはパデルのコートより小さく、ネットも低く、コートを区切るラインはバドミントンに似ている。
パデルとピックルボールはどちらも固いパドルでボールを打つが、パデルのボールはテニスボールよりも柔らかく、バウンドしにくい。ピックルボールは穴の空いたプラスティック製ボールを使用する。
これら3つのスポーツの大きな違いは、パデルは壁が使えるため、角度やバウンドを考えた作戦を立てられるところだ。テニスはコートが広いため、作戦よりも走力、さらにはパワフルなサーブやストロークが重要になってくる。
08
主な共通点
どれもボールとラケット(パドル)を使用し、ラケット(パドル)でボールを打ってネットを越えて相手コートへ入れることが目的だ。また、どれもネットがコートの中央に置かれている(コートのサイズとネットの高さは異なる)。コートが一番広いのはテニスで、次がパデル、その次がピックルボールだ。また、どれもポイント制で、ゲーム・セット・マッチが採用されている。
09
必要な運動能力
どれも心臓血管系運動で、アジリティとハンドアイ・コーディネーション(手と目の協調性)の強化になる。また、上達のためにはこれらの他に戦略的思考と持久力、スピードが必要になる。
テニスでは、パワフルなサーブとストロークのために上半身のストレングスが求められる。また、広いコートで素早く反応しつつ安定して打ち返すためには下半身のストレングスも必要だ。ピックルボールでは、水平方向のクイックな動きとアジリティが必要になる。
10
まとめ
「パデル、ピックルボール、テニスのどれが優れているのか?」という質問は、自分で答えを出す必要がある。どれも独自の魅力と長所を備えているからだ。
テニスは伝統と運動能力、個人目標に挑むスリルが楽しめる。ピックルボールはアクセシビリティ、スピード、社交性に優れている。そしてパデルは大胆な戦略とチームワーク、リラックスした環境が特長だ。
簡単にまとめると、テニスの優雅さ、ピックルボールのダイナミズム、パデルの多様性のどれに興味を持ったとしても、ラケットまたはパドルを振る楽しさは同じだ。興味があるものから試してみよう!
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