『マドリカ不動産』は一緒に遊ぶと距離が縮まるゲーム!?【Nintendo Switch】
© Munetatsu Matsui
ゲーム
『マドリカ不動産』は一緒に遊ぶと距離が縮まるゲーム!?【Nintendo Switch】
紙と鉛筆を使いながら謎を解いてくNintendo Switch用のゲーム『マドリカ不動産』は、気になる人と一緒に遊ぶと"仲良し"になれる!?
Written by 松井ムネタツ
読み終わるまで:10分Published on
ゲームの「マルチプレイ」といって、パッと思い浮かぶのは「対戦」だが、もちろん「協力」して楽しめる作品も多々ある。
2018年10月に発売されたNintendo Switch用ソフト『マドリカ不動産』もそのひとつ。
ゲームモードはひとつで、ひとり用・複数人用の区別はないものの、"リアル脱出ゲーム"風の謎解きゲームがゆえに、みんなで協力しながら楽しむことができる
このゲームを一緒に遊んだ者同士は「仲良くなれる」との触れ込みだが、みんなでワイワイではなく、異性とふたりきりで遊ぶと、そこに恋愛感情は生まれるの……!?

◆開発者いわく「一緒に遊ぶと仲良くなれるゲーム」

気が付けばすっかり忘れていたことがある。「恋」だ。唐突だが、筆者は久しくときめいていない。そんな感情はもう自分にはなくなってしまったのだろうか。
なんてことを考えていたある5月某日、ボードゲーム即売会イベントゲームマーケット2018春」にて、Nintendo Switch向けダウンロードソフト『マドリカ不動産』に出会った。
さきほども少しお話したが、この作品はリアル脱出ゲームデジタルゲーム化したもので、ペンを使ってメモをしながら謎を解いていく、というもの。
デジタルとアナログが見事に融合した、素晴らしいゲームとなっている。
メーカー公式素材のため顔にボカシが入っているが、左手前が開発途中の『マドリカ不動産』をプレイする筆者。
メーカー公式素材のため顔にボカシが入っているが、左手前が開発途中の『マドリカ不動産』をプレイする筆者。© 2018, GIFT TEN INDUSTRY.K.K
イベント会場にいた『マドリカ不動産』の開発者いわく、「このゲームは一緒に遊ぶと仲良くなれるんですよ」とのこと。
この言葉がずっと引っかかっていたのだが、なぜこれが気になっていたのかわかった。「一緒に遊べば仲良くなれる」なんていうのは、筆者にとっては夢のゲームでしかない。
……そして先日(2018年10月11日)、ついに『マドリカ不動産』が発売されたので、最近知り合ったばかりで気になる女性に、記事協力としてこのゲームを一緒に遊んでもらうよう頼んでみた。
このゲームで、本当に仲良くなれるのかどうか? それを実証実験してみよう、というのが今回の企画である。
ちなみに、その女性には本来の企画趣旨は詳しく伝えず、あくまで「記事執筆のため、一緒に遊ぶ相手がほしい」と説明して協力してもらった。
名前はリカさん(仮名)。とくに海外ゲームが好きらしく、先日も人気作『Fallout76』のために有給を3日間とってガッツリ遊び込んだというガチ勢だ。
「ゲーム好き!」……これは仲良くなるんだったら、絶好の相手ではないか。さらに距離が縮まりでもしたら嬉しいかぎり。
なんてことを考えているうちに、待ち合わせ場所にリカさんが到着。『マドリカ不動産』で遊ぶべく予約しておいたカラオケBOXに向かった。

◆本当に仲良くなれるのか? 『マドリカ不動産』をプレイ

プレイヤーは、とある町の不動産屋の新入社員となり、各物件に住み着いたオバケを退治することが、ゲームの目的。
あらためてとなるが、ゲームシステムは、リアル脱出ゲームをNintendo Switch(テレビゲーム)に落とし込んだような作りになっている。
(※詳しいゲーム内容は下の動画を参照!)
ゲームが始まるとプレイヤーは間取り図内のどこかの部屋に降り立つこととなる。しかし、この部屋のなかでは、プレイヤーは自由に動くことはできない。
プレイヤーができる操作は、基本的に部屋の中を「見渡す」ことと、「魔法を唱える」こと。最初は壁などに書かれたヒントを元に「部屋を移動する魔法」を見つけ出すことになる。そう、部屋の移動もすべて魔法で行うのだ。
魔法は、コントローラーのボタンの組み合わせとなっており、まずは部屋を移動するための魔法を探すところからスタートする。
壁などに書かれたヒントをもとに、謎を解いていく。
壁などに書かれたヒントをもとに、謎を解いていく。© 2018, GIFT TEN INDUSTRY.K.K
そして、ステージをクリアするには、物件の各所にいるオバケを退治すればオーケー。
もちろん、このオバケを退治するには、専用の魔法があるので最終的には攻撃魔法を見つけることが肝心となる。最初のステージ3までは基本的なチュートリアルだが、ステージ4からいよいよ本番、ここから俄然難しくなってくる。
物件の中に隠されている謎を解いて魔法コマンドをゲット。そのコマンドを入力することで、移動や攻撃などの魔法が発動する。
物件の中に隠されている謎を解いて魔法コマンドをゲット。そのコマンドを入力することで、移動や攻撃などの魔法が発動する。© 2018, GIFT TEN INDUSTRY.K.K
各部屋にはボスともいうべき謎の敵キャラが1体づついて、そいつらを倒さないと部屋を出ることができない。
各部屋にはボスともいうべき謎の敵キャラが1体づついて、そいつらを倒さないと部屋を出ることができない。© 2018, GIFT TEN INDUSTRY.K.K
またこのゲームの最大の特徴は、「紙と鉛筆を使う」という点だ。
物件内の各部屋に書かれたヒントをひと通り見て、そこで初めて「あっ!」とわかるような謎解きや、どの位置(壁)にどんなヒントがあったのかが重要になってくる場合もあるため、物件のどこに何と書かれていたかを記しておく必要がある。
たとえば部屋の壁に「A」と書かれていたとする。壁越しのその裏側の通路へ出てみると、ちょうどその「A」と書かれた反対側には「3」と書かれていた。
これはつまり、その部屋に隠された魔法の呪文の3番目のコマンドが「A」である、ということに繋がる。同様に他の部屋も調べていき、移動の魔法が「↑、↓、A、B」だとわかる……といった感じだ。
ゲーム画面を見ているだけでは気が付きにくく、ちゃんと間取り図にメモをしてこそひらめく謎解きも多い。さらには間取り図を折ったり切ったり(!)して解くようなステージもあって、非常にユニークな作りになっているのだ。
なお、紙は専用の間取り図が用意されており(公式サイトよりPDFのダウンロードが可能)、間取り図にしか書かれていないヒントや、間取り図とゲーム画面を組み合わせて解く謎もあるので、ちゃんとプリントアウトして用意したうえでゲームを進めよう。
このように間取り図とペンを用意して遊ぶ新感覚のゲームだ。
このように間取り図とペンを用意して遊ぶ新感覚のゲームだ。© 2018, GIFT TEN INDUSTRY.K.K
Nintendo Switchと紙とペン、これらすべてを駆使して解いていくのだから、面白くないわけがない。ボードゲームが好きな筆者としては大好物なタイプだ。
「リアル脱出ゲームは遊んだことないんですが、ボードゲームは大好きなんです。ボードゲームカフェにもよく行ってました」
Nintendo Switch本体と専用シート、ペンを机に広げて準備を進めていると、リカさんは目をキラキラさせながら、そう話した。
……「じつは僕もボードゲームが大好きで500個以上持っているんですよ! でね……」と食い気味に話そうとしたのだが、逆に引かれそうだったのでぐっとガマン。
筆者のボードゲーム棚。こんな棚が数個……。
筆者のボードゲーム棚。こんな棚が数個……。© Munetatsu Matsui

◆一緒に解いていく協力感・達成感がたまらない

プレイ開始。チュートリアル含めてステージ4まで筆者はプレイ経験済だったので、それとなーく、リードしながらプレイ。ステージ5からいよいよ本格的な協力プレイが始まる。
ステージ5にもなると、専用シートのマップを見ただけで絶望的な難しさと感じてしまう。だが、ひとりではない。リカさんと協力しながらなら大丈夫、ちゃんと解けるはずだ。
とりあえず、すぐ見つかった移動魔法で、移動できる部屋には移動してみる。
『マドリカ不動産』のステージ5。
『マドリカ不動産』のステージ5。© 2018, GIFT TEN INDUSTRY.K.K
だが、すぐわかったのはここまで。その後、どうしたらいいのかわからなくなり、詰まってしまった。たぶんこのオブジェ(上の写真)が何らかのヒントになっているんじゃないかと思うのだが、どう考えたらいいのかイマイチわからない。
リカさんは人差し指の背部分を鼻に当てながら「うーん」と考え込んでいる。
いろいろメモをした(ボカしてます)ステージ5の間取り図。
いろいろメモをした(ボカしてます)ステージ5の間取り図。© Munetatsu Matsui
すると、リカさんは突然指をパチンと鳴らした。筆者がビクっとしていると……。
「わかった! きっとこうじゃない?」
と説明を開始。間取り図にあれこれメモを書き始めた。ふむふむなるほど、ああ、そうか! このオブジェが……!
「つまり、最後の魔法は……」
解読した呪文のメモをふたりで音読しながら、それぞれが持っているJoyーConでひとつずつボタンを入力していく。
ふたりが交互にボタンを押すような場面もあり、一緒に魔法を唱えるような感覚にもなる。こんなことは『天空の城ラピュタ』のバルスくらいだと思っていたのだが、『マドリカ不動産』でもできるのだ。
その呪文は正解、見事オバケを撃破した
「いえーい!」
なんて言いながらハイタッチ。一緒に考えて正解を導き出したときの協力感達成感は、他のゲームではなかなか感じられるものではない。確かにこれは盛り上がる!
そして、時間的にも、次で終わりにしようと迎えたステージ6。
ステージ6のスタート地点。
ステージ6のスタート地点。© 2018, GIFT TEN INDUSTRY.K.K
ステージ6の間取り図(ぼかしています)。
ステージ6の間取り図(ぼかしています)。© Munetatsu Matsui
上の写真はいろいろメモをしたステージ6の間取り図なのだが、この鬼メモっぷりからもわかるとおり、とにかく悩みまくった。壁にかかっている果物の絵がヒントになっているのはわかるのだが、どう解いたらいいのかまったく想像できない。
一度、脳味噌をリフレッシュしたほうがいいかもしれない。ひとまず他のゲームで遊んだり、カラオケBOXにいるんだし歌ってみたりするべきか……と考えていたら。
「現場百回ですよ。もう一度最初の部屋から見て回りましょう」とリカさん。
メモを取るリカさん。
メモを取るリカさん。© Munetatsu Matsui
そう言うならとことん付き合うしかない。3周ほど回ってみた段階で、「壁の絵を書き写していいですか?」と4周目はじっくりと図を別途書きながらプレイ。
描きながらリカさんは何かに気がついたようで「これ、もしかして……」と筆者に説明をはじめた。なるほど、たしかにそれで正解な気がする。だとすると、導き出されるオバケを退治する呪文はこうだろうか?
協力しながら呪文を入力、無事魔法が発動する。
「よし! 倒せましたよ!」
またもや思わず両手でハイタッチ。これはもうただならぬ盛り上がりだ。さすがにぶっ続けで遊び続けてさすがに脳が疲れたのでプレイはここまで。

◆みんなも『マドリカ不動産』で仲良くなろう

ひと段落したところで、本来の企画主旨をリカさんに説明する。
「このゲームを遊ぶとどれだけ仲良くなれるかっていう企画? なんだ、そういうことだったんですね!」
ここからがある意味今回のクライマックスだ。本ゲームを遊ぶまえ、筆者との関係値をリカさんから見た場合、好きでも嫌いでもない点数を50点だったとする。
そしてこのゲームをステージ6まで遊んだ今、仲良し度数はいくつになったのか、判定してもらった。50より大きな数字になっていれば仲良し度アップ、50より小さい数字になっていれば、仲良しからはどんどん遠ざかっていく。
「うーん、仲良し度かあ……難しいですね、じゃあ……これで!」
100点満点で点数をつけてもらいました!
100点満点で点数をつけてもらいました!© Munetatsu Matsui
95点! 100点満点で95点とな! 仲良しすぎるじゃないか。なぜだか、筆者の心臓はNintendo SwitchのHDD振動のごとく細かく激しく鼓動した。こ、こ、これはまさか……!
「100点だと嘘くさいですから、これくらいがちょうどいいですよね?」
って、空気読んだんかーーーーい。……いや、空気を読んだとしても、その気遣いに感謝です。
というわけで、"『マドリカ不動産』を異性と遊ぶとどれだけ距離が縮まるのか"を検証してみたが、確かに距離はグッと縮まった(のかな?)
ふたりで協力して謎を解き明かすことが、こんなに盛り上がるとは思わなかった。
距離が縮まりすぎて、ちょっとときめいてしまった感もあるが(笑)、それくらい一気に気持ちを盛り上げてくれるゲームだったのは間違いない。
本作は1人でも2人でも、もっと大勢でも楽しむことができるので、ぜひ遊んでみてほしい。
友情や恋愛、はたまた結束力を高めたいメンバーと遊べば効果あり、ですぞ!?
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