今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
楽しかったっすね。あんまりこういうシチュエーションもないんで。Howlin’ Bearのビートもカッコよかったし。もともと彼の名前はKojoeさんから聞いてたんですけど、こういう機会にいっしょにできてよかったなと。
ラップをはじめたきっかけを教えてください。
気づいたらラップやってたってとこあって、きっかけはあんまり覚えてないんですよね。たぶんラップをはじめたのが15歳とかそのくらいで、はじめてステージに立ったのはその1年後くらい。もともとは3人でグループをやってたんすけど、1曲だけの出演で1ヴァース蹴るだけでも緊張はしたっすね。
自分の中で手応えを感じたのは『ラップスタア誕生』で勝ち進んでる途中でしたね。まぁ、結局ラップしかやりたいことないし、ここでダメだったらちがうことするかって思ってました。
これまで発表した楽曲で、自身の代表曲を挙げるなら?
最近だと“Wow Wow Wow”ですかね。自分たちの仲間でTo The Top Gangっていうのを作っていっしょに住んでるんですけど、その仲間に向けた曲で。これからどうしていくかとか、いまの状況とか全部踏まえたリリックかなと思うし。
フックのメロディーもオートチューンなしでバッチリできた曲だし、実際の反応もよかったんですよね。YouTubeのコメントもヘイトな感想はほぼなかったっすね。いまの俺がわかる曲っていうならこれっすね。
自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
なんだろうな……。スタジオこもって曲ばっか作って街にも出ん、みたいなのはいくらでもいるじゃないっすか。それでヒップホップとか言われても“は?”としかならんし。俺は名古屋に住んでてクラブにも遊び行くし、全然関係ないローライダーの界隈とも遊ぶし。自分で遊び方も生き方もヒップホップだと思うっすね。
とはいえギャングスタになる気もない。田舎生まれだし、穏やかな性格なんで。悪いことするだけがヒップホップじゃないと思うし、自分にとっては自分の状況をリアルに歌うことがヒップホップだと思ってるんで。そういう意味で自分の取り柄は、生き様が全部ヒップホップだってことじゃないかな。
影響を受けた人物は?
AK-69には本当に影響受けたと思います。ベタとかミーハーとか言われそうっすけど、俺は単純にはじめてあのひとのラップを聴いたときに衝撃を受けたし、それがきっかけでヒップホップの中毒になったんで。あとは地元の先輩のラッパーもでかいっすね。
それにTOKONA-X。自分でも“ヤングトウカイテイオー”って名乗ってますけど、実際はあのひとのライブは見れないままだったんですよ。でも曲聴いてて、ストリートの事情とかしがらみ関係なしによくこのリリック書けたなって思うことが多いし、単純にすごいと思う。だから自分も“ヤングトウカイテイオー”って名前に恥じないようにやっていきたいですね。
今後の予定と、将来の展望について教えてください。
いまはDJ RYOWさんといっしょにEPを作ってる感じなんで、それが近いうちにリリースされるんじゃないかな。そこでいい流れを作って、1stアルバムを2020年中には出せると思います。将来的には海外にも行きたいし、向こうの名のあるプロデューサーとも曲を作ってみたいし。それで海外のラッパーからも“日本には¥ellow Bucksおるから”みたいに言ってもらえるようになったら最高っすね。
でも順調に行くとも自分自身あんま思ってないですね。しがらみとかも出てくるだろうし。結局、ラップうまいだけじゃラップゲーム勝てないんで。だからこそラップのスキルだけじゃなくて、人間性みたいなところも成長させていけたらいいなと思いますね。
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