鎮座DOPENESS
© Yusuke Kashiwazaki
ミュージック

鎮座DOPENESSインタビュー『長く音楽をやりたい。ラップや歌は健康にいいから』

Red Bullがキュレートするマイクリレー《RASEN》EP9 参加ラッパーたちのプロファイル ③
Written by Tetsuro Wada
読み終わるまで:4分公開日:
今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
おたがいの緊張感を共有できたよね。今回はフリースタイルでやったけど、思考はこういうふうに会話してるのといっしょの速度感。しゃべってたら普通に言葉が出てくるのとおなじ感覚でラップしてる。だから考えてるという感じではないかな。
これまでのRASENに関しても、dodoくんはフリースタイルだろうなと思ってたし、自分もチャレンジしたくなっちゃったんだよね。それで、これまでの出演者がやっていないことを考えていて。あらかじめリリックも書いてはいたんだけど、この4人特有の緊張感を生かして、その空気感を残したいと思ってフリースタイルでやった。
言葉を出そうとする意識を退けるのが大事で、その意識を持ってしまうと緊張は絶対高まってしまうから、そう意識しないことが大事。結局、それに対してどうリアクションするかなんだよね。つねにリラックスしてできたらいいなと思ってる。
RASEN EP9

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現在の日本のヒップホップ・シーンについてはどう考えていますか?
うーん、ヒップホップ・シーンって曖昧な言葉だからむずかしいけど、フリースタイルバトルだけとっても昔といまじゃ全然認知のされ方が違うし。昔になかったのは観るということが前提のひとがいるってことだよね。昔のバトルはプレイヤーとお客さんが渾然一体となってたけど、いまはお客さんが視聴者って状態だと思うので、その点は全然違う。
自分はいっしょに制作するひとたちも多様で、年齢もスタイルの幅も広いし、個人的にはすごく楽しく感じてるかな。ラップもつねに上手くなりたいと思ってる。“上手く”っていうのはテクニックとかじゃなくて、もっと演奏を自然にできるようになりたいってこと。
いいものを作りたいのはもちろんなんだけど、それって関係性次第だと思うから、ラッパーだけに関わらずいろいろなひとと関わっていくことで、よりよくなると思ってる。もちろんひとりでやることも重要なんだけど、スタジオワークをみんなでいっしょにやるのは全然違う作業というか。
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影響を受けた人物は?
なかなかむずかしい質問っすね。
自分自身で全部段取れるひとはすごい。音楽を作ることを自然にできるような状態にしているひとたちはすごいよなぁと思います。
RASEN EP9

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今後の予定と、将来の展望について教えてください。
いまも昔も将来どうなっていたいとかは思っていないんだよね。考えたところでコントロールできないし、そういうことにあんまり思いを馳せなくなった。それよりはいまの自分の気持ちに近いことをつねづね探してる。そうじゃないと実感が湧かないから。だから“場”が必要なんだよね。
スタジオじゃなくても、いまはインターフェイスとPCとマイクがあればどこでもスタジオになるから、公園とかでもレコーディングしてる。みんなそうやって生き方をチョイスしてると思うけどね。
いろんなものが溢れてるなかで自分が肯定できるものを探してる。洋服みたいに似合うものと似合わないものってあるからさ、そこを真剣に考える。そういう選択をそのときどきでしつつ、長く音楽をやれたらいいですけどね。ラップや歌は好きだからね。なんせ、健康にいいから。リリースして、それに対して反応があるってことがいちばん健康にいい。
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