Yvng Patra
© Suguru Saito
ミュージック

Yvng Patraインタビュー『“サスい”ダークヒーローに自分はなりたい』

Red Bullがキュレートするマイクリレー《RASEN》EP14 参加ラッパーたちのプロファイル ②
Written by Tetsuro Wada
読み終わるまで:4分Published on
今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
これまでもサイファーは数えるくらいしかやったことがなくて、すごく緊張したけど楽しかったですね。オファーをもらったときもうれしくて、やるからには絶対ぶちかまそうと思って来ました。
自分のバースで気に入ってるのは父親について歌った“暴力ばっか、憎んだよパパ/強くなったよ、いまはまだ/似るならまだ死にたいと思うから”っていうライン。実の父が暴力的なひとで、自分自身がそんな父に似たくないと思って書いたリリックですね。
RASEN EP14

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ラップをはじめたきっかけを教えてください。
ラップをはじめたのは去年の1月くらい。それまでは見てる側だったけど、やる側になりたいと思ったんですよね。最初はiPhoneのガレージバンドのアプリを使って試行錯誤しながらやってましたね。
haku fiftyとはクロスジヒトリに入る前からの知り合いで、いっしょに東京で遊んだときにその場にいたのも現在のクロスジヒトリのメンバーたちで。最初はひとりでやってたんですけど、誘われたのも嬉しかったし、気も合っているのでいっしょにやろうと思って。
Yvng Patra

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自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
ラップが上手いだけじゃなくて、意味が通っててカッコいいものというのを意識してます。声のトーンの低さも特徴だと思ってるので、それが武器かなと。
RASEN EP14

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性格的に自分は客観視しすぎちゃうタイプだと思っていて、周囲の目線も気にしちゃう性格だから、曲を作っても何回も聴き直して、ミックスもすごい細かいところまで気にしてしまう。でもそれは音楽に妥協したくないってことだし、本気で向き合ってるってことかなって。
これまで発表した楽曲で、自身の代表曲を挙げるなら?
"KERBEROS"ですね。自分はキリスト教を信じていて、リリックに神や悪魔って言葉がよく出てくるんだけど、この曲は冥界の番犬になりきって歌った曲。彼女がロシアとのハーフで、母親から宗教についていろいろ教えてもらったみたいで、そういう話を彼女から聞いて曲にしたんです。
彼女が飼ってる犬がなにもしてないのに変な方向に引っ張られて壁に叩きつけられたことがあったみたいで、それを神様に祈りを捧げることで収めたって話を聞いて、キリスト教にすごく興味を持ったんです。
RASEN EP14

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影響を受けた人物は?
1番影響を受けたのはXXXTentacionです。
中学生の時、生きてる心地をあまり感じない時期がありました。その頃ちょうどSoundCloudで彼の代表曲“Look at me”を聞いてのめり込んで、今でもすごくよく聞いているアーティストです。
あの時の自分を救ってくれたような存在で、ファーストタトゥーは彼の1st Albumの「Revenge」を彫りました。彼自身すごく愛情深いし、亡くなった今でも僕のヒーローです。
あとはGhostemaneですかね。リリックも刺さるし、MVもすごく凝ってて。
クロスジヒトリのなかで“サスい”って言葉が流行ってて、これはGhostemaneのような、怪しくてカッコいいって意味の言葉なんだけど、そういう“サスい”ダークヒーローみたいな存在に自分はなりたいと思ってます。
Yvng Patra

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今後の予定と将来の展望について教えてください。
自分たちがカッコいいと思う概念を開拓していきたいです。ヒップホップだけじゃなくて違うジャンルの音楽も聴くし、ひとつのジャンルに囚われたくない。悲しいときも、上がりたいときも、いろんな感情に訴えかけるアーティストになりたい。“Yvng Patraっていろんなことをやってるよね”って言われる存在でありたいです。
いまはSoundCloud用に3〜4曲収録のEPを制作中なので楽しみにしてもらいたいですね。
RASEN EP14

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