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© Suguru Saito
ミュージック

swettyインタビュー『高校卒業したら海外もいい。リスナーにちゃんと響く曲をつくりたい』

レッドブルがキュレートするマイクリレー《Red Bull RASEN》EP28 参加ラッパーたちのプロファイル③
Written by namahoge
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—今回のマイクリレーを振り返ってみていかがでしたか?
最初、大丈夫かなぁって思ってたけど、みんなが“よろしくお願いしまーす”っていった瞬間にブワーって緊張がなくなって。めちゃくちゃ楽しかったし、みんな優しかったです。自分はバチバチなのも好きなんですけど、今日みたいな引き締まりもあって柔らかい感じの雰囲気がよかったですね。
“I'm not afraid like CJ・コリンズ”ってラインは自分でも気に入ってます。CJ・コリンズっていうスケーターは自分の1歳か2歳上なんですけど、ストリート攻めて、通行人に注意されたら中指立てるみたいなひとで。ぶっちゃけストリート滑ってるわけだから悪いのそっちやけど、そのくらいのマインドでいきたいなって。あと、EVISBEATSさんと田我流さんの"夢の続き"って曲に“神様ありがとう/笑いがないと物語は残酷で退屈な内容”っていうラインがあるんですけど、そのサンプリングもしてます。自分が“ラップってめっちゃいいな”って思ったきっかけがそのラインなんですよ。
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—ラップをはじめたきっかけを教えてください。
子供のころに聴いていたのはボカロとお父さんが家で流してたロックでした。THE BLUE HEARTSやRadiohead、Oasisなんかをめっちゃ流してたっすね。で、美容室で"夢の続き"がたまたま流れて、ラップも聴くようになって。あとははじめるきっかけとして大きかったのはLEXさん。“こんな電子音っぽいラップあるんや”と思ってめっちゃ聴いて、そこからUSにもハマっていって。
SoundCloudに曲を上げはじめたのは中学3年生のときでした。そこで音楽作ってる同世代と知り合って、最初はインスタライブで話してたんですよ。でも“ここで話さなくてもいいか”ってなって、そのメンツでDiscordのグループ作って、みたいな感じでだんだんコレクティブっぽくなっていったのがVANDE GEEKっすね。
Red Bull RASEN EP28

Red Bull RASEN EP28

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—これまで発表した楽曲で自身の代表曲を挙げるなら?
再生数的には"junkie"ですね。やっぱONE OK ROCKのTakaさんのおかげです。バズった日、熱で寝てたんですよ。そしたら電話かかってきて、普段落ち着いた先輩なのに“yo bro!”っていきなり言われて、“どうしたんすか?”って言ったら“ヤバいよ!”みたいな。インスタ見たら2000人くらいストーリー見てるひといて。熱なんでめっちゃボーっとしてたんすけど、やっと理解して頭真っ白なって。でも本当にありがたいです。
自分が思う代表曲は、EP『about me』に入ってる"disconnect"ですね。ビートをJ1rockが作ってくれて、ミックスはfiendboiがやってくれてるんすけど、自分がやりたい感じをあらわせているっていうか。あと聴いてほしい曲として、同じEPに収録されてる"I don’t care anymore but how about you?"。これはミッドウェストエモってジャンルをやってて、自分も好きな感じです。
—自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
ボーカロイドとかロックとか、いろいろ影響受けてるんでその混ざった感じが特徴かなと思います。ラップもめちゃくちゃ聴きますけど、めっちゃできるかっていわれたらそんなことないんで、普通に気持ちいい音楽作ろうと思ったら現在の歌っぽいスタイルになりました。
あと、自分はしゃべってるときの声がめっちゃきらいなんですよ。動画とかで自分が話してるの見ると“きらいやなー”って。ガキっぽい声やから。歌ってるときの声はそうでもないんで、だからラップっていうより歌かなと思うっす。
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—影響を受けた人物は?
いっぱいいるんですけど、LEXさんは昔からいちばん大好きですね。あとハイパーポップ系だとAViT、glaiveとか。USアングラのPluggだとCorey Lingoってアーティストもめっちゃ好きっすね。Pluggやのに“うっま!”みたいな歌を歌うんですよ。
アーティスト像として憧れるのはJojiです。めっちゃオルタナティブのアーティストやけど、ちゃんとヒップホップのひとともやる、みたいな。それからmidwxst。めちゃくちゃ有名になってきてるのに、アングラのジャンルにも手を出して、そっちのアーティストともやってるのがおもしろいし、自分もそうなりたいなって思います。
Red Bull RASEN EP28

Red Bull RASEN EP28

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—今後の予定と将来の展望について教えてください。
ぼくがリスナー時代から聴いてたような人たちと作った曲がこれから出る予定です。あと、今年中にアルバムは出したいっすね。それから英語学びたいんで、高校卒業したら海外行きたいなとも思ってます。
あとはギリ生活できるくらいのお金がもらえて、リスナーに救いというか、ちゃんと響くような曲を作れればなって。“デカい会場に立ちたい”とかっていうのはあんまりなくて。もちろんやらせてもらえるんやったら全然出たいけど、自分からガツガツいきたい感じでもない。
いまって一発当たっただけなんで、オレを知ってるひとってまだ少ないと思う。TikTokとかでめっちゃ使われてるっすけど、アプリ消したし、そこまで“やった!”みたいなのはあんまないんですよ。うれしいっすけど、なんだろう、自分がリスナー時代にひねくれていたから(笑)。アングラで名を轟かせたいとか思ってたころとは違う方向にいってますね。でも、カッコいい曲作ってみんなに認めさせたいとは思ってます。一発屋として消える可能性もあるやろうし、頑張り次第ではめっちゃ上にのぼったりもするやろうし。ぶっちゃけ運がよかったのと、まわりがよかったからいまこうなってるんで。だからこそ、ここで気を抜いたら終わるな、って思ってるっすね。
 
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