TOKYO世界
© Suguru Saito
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TOKYO世界インタビュー『だれでもワクワクするテーマパークみたいなアーティストになりたい』

レッドブルがキュレートするマイクリレー《Red Bull RASEN》EP28 参加ラッパーたちのプロファイル ①
Written by Keita Takahashi
読み終わるまで:4分Published on
—今回のマイクリレーを振り返ってみていかがでしたか?
超楽しかったですね。みなさんどこか共通点を感じるひとたちで、普段あんまり陽気にならない自分も、気持ちが弾みましたね。Red Bull RASENはずっと観てたコンテンツだったので“このスタジオ、本当に存在するんだ!”って思ったり。
Y ohtrixpointneverさんのビートがカッコよさもあるなかで異質さを感じるものだったので、自分のヴァースもどこか変だけど盛り上がる感じを意識して書きました。“くらべられた親戚やまわりの友達/いまじゃオレのほうが高学歴で有名”ってところは自分でも気に入ってますね。
Red Bull RASEN EP28

Red Bull RASEN EP28

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—ラップをはじめたきっかけを教えてください。
ずっと音楽をやりたい気持ちはあったんですけど、なかなか踏みだせなかったんですよね。でも大学時代にすごい好きだったひとがいて、一時的には付き合ったんだけど、結局フラれちゃって。それがきっかけっす。そのひとに対する承認欲求というか、振り向かせるためにやってやろうって。それまでもネットサイファーに参加してたりはしたけど、曲を作る環境ではなかったので、その機会をきっかけに本格的にはじめたって感じです。
Red Bull RASEN EP28

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—これまで発表した楽曲で自身の代表曲を挙げるなら?
そうっすねぇ……。いわゆるラップっぽい曲ではないんですけど、SoundCloudに上げた“dakishimete”って曲ですかね。自分がやるせなさを感じたときに多摩川を散歩してて“こういう綺麗な景色に包み込まれたいな”って気持ちになって作った曲で。TOKYO世界ってアーティストのイメージとして、自分はテーマパークをイメージしてて。どんなひとでもワクワクできる空間を作りたいっていうか。その意味で現状それを自分のなかでうまく形にできた曲なんじゃないかなって思います。
—自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
最初はワクワクするようなメロディーを書こうって意識をしてました。それにプラスして自分にしか言えないことを言おうって。ヒップホップから入って、いまはいろんな音楽……ポップス、インディーロック、昭和歌謡とかを聴くようになったので、メロディーラインはそういうものに影響を受けつつ、お笑いもめっちゃ好きなんですよ。ラップの部分はそういった好きなお笑いのエッセンス、それに母親がユニークかつ芯を食った言葉を言ったりするんで、そこからも影響はされてるかなぁ。
Red Bull RASEN EP28

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—影響を受けた人物は?
桑田佳祐さんですね。自分がやりたいことを音楽で具現化できてるかただと思うし、競争社会とは別のところに存在してるアーティストだと自分は思ってて。……これ、めっちゃキショい話なんすけど、桑田さんを知ったのもさっき話した好きだったひとがきっかけで。それまではJポップとかをちょっと下に見てたっていうか。でもサザンとか桑田さんを教えてもらって聴いたら“なんだこれは!”みたいな感じで、どんどんハマってって。そう思うと自分はそのひとに人生変えてもらってるなって。ほんと感謝ですね……。
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—今後の予定と将来の展望について教えてください。
いま決まってる予定では10月とか11月くらいにEPを出す予定で、来年にはアルバムが出せたらなって思ってます。アルバムではいろんなタイプの曲……アガれる曲だったり、苦しさや悲しさにマッチアップした曲だったりをいっぱい作れればなと思ってます。で、作品を作り続けて将来はウォルト・ディズニーや桑田さんみたいなひとになりたいなって。たとえば桑田さんとかも“この曲聴いたら夏だよね”って感じでみんなの思い出に寄り添った曲がたくさんあるわけじゃないですか。自分のバンドの名前がついたビーチがあったり、ファンのひとがサザンの曲名を子供の名前につけるみたいなことがあったり、それってすごいことだなって。そういうことが自分もアーティストとしてできたらいいなと。それで最終的に自分のテーマパークが作れれば最高ですね。
 
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