The new Oracle Red Bull Racing 2024 RB17 Hypercar designed by Adrian Newey.
© Getty Images/Red Bull Content Pool
F1

RB17:オラクル・レッドブル・レーシングがハイパーカーを公開!

オラクル・レッドブル・レーシングの革新的ハイパーカー “RB17” とは? モータースポーツの未来を再定義するこの衝撃的なマシンの全貌を明らかにする。
Written by Paul Keith
読み終わるまで:8分Published on
レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズが最新マシン “RB17” をグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2024で初公開し、自動車ファンたちは地球上で最もホットな最新ハイパーカーの驚くべきファーストルックを目にする機会に恵まれた。
実質的には “2シーター仕様のF1マシン” と言えるこのサーキット専用車は、F1の歴史で最も大きな成功を収めたデザイナーエイドリアン・ニューウェイ(オラクル・レッドブル・レーシング チーフテクニカルオフィサー)とレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズによって設計された。
「独自のハイパーカーをコンセプトからデリバリーまでデザインするというアイディアは私が長年温めてきたものです。壮大なプロジェクトであり、長い旅路でした」とニューウェイは切り出し、さらに続ける。
「ようやくこの車を公開できる日を迎え、RB17誕生の瞬間を目にすることができるのは、本当に素晴らしいことです」
紛れもないパワー、スピードと美観。RB17には私たちのすべての信条が盛り込まれています。適応力が非常に高く、F1のスピードでドライブするスリルを友人やパートナーと一緒に楽しめるように2シーターを念頭にデザインしました」
RB17は、ニューウェイがオラクル・レッドブル・レーシングで手がける最後の作品で、コンストラクターズタイトル6回・ドライバーズチャンピオン7回を手にしたF1での20年に及ぶイノベーションの積み重ねの結果だ。
また、今回の公開は、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの目玉となったオラクル・レッドブル・レーシング創立20周年記念イベントのオープニングも兼ねていた。
技術的イノベーション、実績、そしてエモーショナルな魅力が組み合わされたRB17は画期的な車です。チームを心から誇りに思います
発表会ではオラクル・レッドブル・レーシングのチームプリンシパルであるクリスチャン・ホーナーも同席し、RB17を “未来のクラシック” と讃えた。
「レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズがこれまで手がけた中で最も真正でエキサイティングなプロジェクトであるRB17をグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで披露できることに興奮を覚えています」
どのアングルから見ても速そうなルックス

どのアングルから見ても速そうなルックス

© Getty Images/Red Bull Content Pool

RB17には私たちのすべての信条が盛り込まれています
「パフォーマンスを追求しながらF1で20年のレガシーを積み上げてきた私たちが、独自のハイパーカーをゼロから作り上げるのは自然な流れでした。技術的イノベーション、実績、エモーショナルな魅力が組み合わされたRB17は画期的な車です。チームを心から誇りに思いますし、世界デビューを目にできて嬉しく思います。RB17が未来のクラシックになることを期待しています」
エイドリアン・ニューウェイがRB17について語ったオラクル・レッドブル・レーシングのポッドキャスト『Talking Bull』(英語音声)をチェック!
レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズのテクニカルディレクターを務めるロブ・グレイは、次のようにコメントした。
「RB17は素晴らしいプロジェクトで、関われたことを光栄に感じています。レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズのエンジニアリングデザイン技術力ソリューションを示すことができました」
「レースファンと自動車ファンがサーキットでこの車を思う存分楽しんでもらう日が待ちきれません」
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F1のパフォーマンスを実現する2シーターハイパーカー

エイドリアン・ニューウェイとレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズは、F1のテクノロジーとエアロダイナミクスを活用して2シーターにF1マシンの性能を盛り込み、RB17をパフォーマンスの究極形に仕上げた。RB17のダウンフォースとドラッグの比率(L/D)は、自動車より飛行機に近い。
重量を最小限に抑えるべく、シャシーはカーボンファイバーモノコックが採用されており、半ストレスメンバー化されてミッドマウントされた自然吸気V10エンジン(最高回転数15,000rpm)がパワーを生み出す。そのパワーは、カーボンファイバー製ギアボックスを介してリアホイールに伝達される。
2人乗りのF1マシンを具現化

2人乗りのF1マシンを具現化

© Getty Images/Red Bull Content Pool

900kgを下回る総重量1,200馬力を超えるパワーを備えたRB17は、F1マシンに匹敵するラップタイム350km/hを超えるトップスピードを叩き出し、ブレーキング時には5GものGフォースを発生するが、扱いにくさを感じることはない。
RB17は50台限定で販売され、購入したオーナーは世界各地の名門サーキットで開催されるトラックイベントプログラムへ参加する。ニューウェイによれば、生産台数を50台に限定することも熟考の結果だ。
このわずかな台数によって、RB17のレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズのファクトリーでの完全自社生産が可能になる。主要パーツはF1チームが使用しているサプライヤーから調達される。
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芸術作品さながらのデザインと極上エンジンサウンド

RB17は自動車エンジニアリングの頂点を体現する一方、美しいルックスにレーシングサウンドのシンフォニーを組み合わせた芸術品としての側面も持つ。英国Autosport誌に対し、ニューウェイは次のように語っている。
「この車は、自宅やガレージなどに飾りたくなる芸術作品であるべきです」
エンジン選定は入念に行われ、ニューウェイはこの車の衝撃的なフォルムに見合う完璧なサウンドトラックを探し求めた。
実際は “2シーター仕様のF1マシン” のRB17

実際は “2シーター仕様のF1マシン” のRB17

© Getty Images/Red Bull Content Pool

1,000馬力を発生しつつ、内燃エンジン部の最大重量が150kg未満に収まるパワーユニットを求めていました」
「V8ターボエンジンはその条件を間違いなくクリアできるのですが、当然ながら自然吸気エンジンに肩を並べられるほどのサウンドではありません。F1のサウンドが最も素晴らしかったのは、2005シーズンまでの高回転V10時代でしたね」
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欠番となっていた “17番目のマシン”

F1チームで未使用のままだったシャシー名称を採用した「RB17」という名称も入念に選ばれた。
世界的なパンデミックによる中断のため、マックス・フェルスタッペンが2021シーズンに初タイトルを獲得したマシンはRB16B(2020シーズンに使用されたRB16の改良版)を名乗っていた。そして2022シーズンのマックスはRB18と名付けられたマシンでタイトルを防衛し、チームのコンストラクターズチャンピオン獲得を助けた。
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驚愕のスペック

RB17はサーキットでの使用を前提とした究極のハイパーカーで、F1レベルのパフォーマンスを実現できるが、操縦は難しくない。カーボンファイバーモノコックシャシーには、半ストレスメンバー化されたミッドマウンドのエンジンとリアホイールを駆動するカーボンファイバー製ギアボックスが備えられている。
乗員は2名で、左ハンドル仕様のみが用意される。900kgを下回る車重と1,200馬力超のパワーは、F1に匹敵するラップタイムと350km/hオーバーのトップスピードを可能にする。
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デビューの舞台はグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード

RB17は世界最大のモータースポーツの祭典であるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード 2024で世界初公開され、ファンは最新ハイパーカーの美しさに目を奪われた。
RB17の披露は、今年のグッドウッドで行われたオラクル・レッドブル・レーシング創立20周年記念イベントのオープニングを飾った。
F1ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペンもグッドウッドに初登場し、セルジオ・ペレスダニエル・リカルドデビッド・クルサードマーク・ウェバーなどのレッドブル・レーシング新旧ドライバーたちとヒルクライムに参加したあと、グッドウッド・ハウスのバルコニーでチームのビッグスターたちと並んで顔を見せた。
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード 2024の主役を飾ったオラクル・レッドブル・レーシング

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード 2024の主役を飾ったオラクル・レッドブル・レーシング

© Eisa Bakos/Red Bull Content Pool

また、カルロス・サインツカッレ・ロバンペラドリフト仕様のマクラーレンP1 GTR “MADMAC” で登場したマッド・マイク・ウィデットなど、豪華絢爛なレッドブル・スターたちが開催期間を通じて様々なアクションを繰り広げた。
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