Person dives into canal during Neptune Steps event.
© Neptune Steps/Red Bull Content Pool
フィットネス

寒中水泳 10のメリット

冷水に飛び込むことは心身に多くのメリットをもたらす。その中のいくつかを紹介しよう。
Written by Tom Ward
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暗くて寒い冬の天気は理想からはほど遠いかもしれないが、だからといって、外に出て運動することをサボる言い訳にはならない。冬の間も体重を落とし、筋肉を強化し、精神を落ち着かせたいが、重ね着に重ね着をして近所の公園を走ることに疲れてしまっている。そんな人には寒中水泳が良いかもしれない。
以下に寒中水泳のメリットを列記していこう。
01

メンタルを強化できる

"アイスマン" として知られるヴィム・ホフは、氷水に浸かり、ランニングショーツ1枚で雪山を走り回っているが、彼がこのような活動をしているのは、数多くのメリットがあるからだ。その中で最大のメリットと言えるのが、体にショックを与えることによって得られる強靱なメンタルだ。とはいえ、バスタブに氷を敷き詰める必要はない。毎朝のシャワーを30秒間冷水に変えるだけでOKだ。これを1週間続ければ、どんな冷水にも耐えられるようになっているはずなので、屋外プールや海、湖などでも難なく泳げるはずだ。
02

脂肪燃焼を高める

人間の体内には褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞が存在する。現代社会に住む我々の体内は、脂肪の蓄積を促す白色脂肪の方が多いが、狩猟生活をしていた我々の祖先の体内は、脂肪の燃焼を促す褐色脂肪と白色脂肪のバランスが取れており、ある研究は、褐色脂肪を増やすのには冷水が役立つという結果を導き出している。脂肪を燃焼させて体温を高めてくれる褐色細胞は、スピーディにカロリーを消費してくれるので、ダイエットにも非常に役立つ。祖先をリスペクトして寒中水泳に取り組んでみよう。
03

退屈なトレーニングサイクルから抜け出せる

近所の屋内プールでお決まりのスイムセッションをこなすよりも、新しい屋外スポットで泳ぐ方が刺激に満ちている。フレッシュなスイミングスポットを探すことは、我々にアドベンチャー感覚をもたらしてくれる上に、屋内プールでは得られない新しいタイプのワークアウトも追加してくれる。
04

心の健康に役立つ

公園内などに置かれている屋外プールは自然に囲まれているので、街の喧騒から離れることができる。海や湖(安全が確保されているロケーションに限るが)も、近所のジムのプールとは違う、フレッシュな現実逃避感を与えてくれるだろう。自然の中で過ごすことは、うつなどメンタルの落ち込みに繋がるストレスレベルを下げてくれる。屋外でのワークアウトは心の健康に保つのに最適なのだ。
05

高ストレスな環境に耐えられるようになる

減圧室を使ったトレーニングのように意図的に厳しい環境に身を置けば、その環境に体を素早く順応させることができる。寒さの中に身を置けば、呼吸が難しくなり、体は少量の酸素を最適化させていく。この結果、ストレスの多い環境への対応力が高まる。屋内プールに戻れば、簡単に泳げている自分に気が付くはずだ。
06

効率の良いトレーニングができる

英国トライアスロン協会は「冷水に入ると動脈が自然に収縮する」としている。アイスパックを使うのと同じで、冷水に入れば、怪我や捻挫の痛みや腫れ、筋肉細胞の消耗を防ぐ助けになるというわけだ。トライアスロンのトレーニングの最後に寒中水泳を取り入れれば、体の疲れや痛みを取り除く助けになる。Cochrane Libraryの論文は、サイクリングやランニングを終えたあとに冷水に入った360人の被験者から、筋肉痛の痛みが減ったように感じたという報告を受けたと記している。
07

免疫力を高める

自然や冷水の中に自分を置けば、その分だけ触れる細菌の数が増えるが、インフルエンザの予防接種を受けたあとに体が熱くなるのと同じで、悪いことではない。Free Radical Biology and Medicineが発表した研究論文は、定期的に冷水に入れば、抗酸化物質のグルタチオンが増加し、体内全体の抗酸化が進んで免疫力が高まるため、心臓病やがんの発生率の低下に繋がるとしている。
08

男性の性欲を高める

英国のThrombosis Research Institute(血栓症研究センター)の研究は、冷水はテストステロンの生成を促すため、結果的に男性の性欲を向上させるという結論を出している。冷水は女性の性欲向上には繋がらないが、冷水が体に与える刺激はエナジーレベルの上昇に繋がり、体内にエンドルフィンが放出されるので、男女問わず気分爽快になることが証明されている。
09

痛みを感じにくくなる

寒すぎて感覚が麻痺してしまうからではない。Rude Health's Outdoor Swimming Societyは、寒中水泳は体内の血流を促して血液循環を向上させるため、炎症を起こしている患部をより早く治し、痛みを減らすとしている。温冷浴でも同じ効果が得られるが、寒中水泳の方が楽しい。また、寒中水泳に取り組めば、怪我自体を未然に防げる可能性も高まる。
10

スイムのスキルアップが狙える

ジムのトレッドミルを走るよりも屋外のトレイルランの方がより多くのカロリーを消費できる上に、体をより自然な形でランニングに最適化できるのと同じで、自然の中でのスイミングは、屋内プールよりも高い効果が期待できる。寒中水泳は体温を保つために脂肪を燃焼するので体を引き締めてくれるばかりか、水の流れや風向き、様々な障害物などが、トレーニングセッションの難度も高めてくれる。レベルアップを狙っているなら、寒中水泳を試してみよう。