マウンテンランニング
ダウンヒルを速く走る10のヒント
ライン、流れ、リズム…。トレイルランニングでライバルランナーに差をつけるダウンヒルのヒントを紹介する。
Written by Lieuwe Boonstra
読み終わるまで:4分Published on
生きるか死ぬかはライン次第
生きるか死ぬかはライン次第© Kolesky/Nikon/Red Bull Content Pool
「上にあがったものは必ず下に落ちる」と語ったのはアイザック・ニュートンだったと思う。トレイルランニングを制覇したいならば、ダウンヒルを速く走れなければならない。今回はダウンヒルを駆けるヘビになるための10のヒントを紹介する。

1:足を鍛える

脚力はダウンヒルを速く走るために重要なのでジムに通いたい。ダウンヒルランニングに効果てきめんのエクササイズは、1本足スクワットだ。
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2:ダウンヒルリピートトレーニング

既にヒルリピートはやっていると思うが、ダウンヒルランニングもまったく同じで、練習が必要だ。なだらかに傾斜したオフロードのダウンヒルを見つけたら、しっかりと確実にストライドを大きく取りながら、その場所を何度も全速力で下る。1リピートは1分から1分半程度にして、リピートを終えるごとにジョギングで丘を駆けあがりながら、状態を整える。自分自身とダウンヒルの適応具合に応じて、最初は4~6リピートから始めて、10リピートまで伸ばしたい。

3:ストライドを大きく保つ

ランナーが犯す最もありがちなミスは、ストライドを小さくしてしまうことだ。ストライドの大きさと、ダウンヒルランニングの速さは等しい関係にある。ダウンヒルランニングを改善するにはある程度の勇気と時間が必要だが、最終的に得られる恩恵はとてつもなく大きい。
今回のヒントを覚えておけば、荒れた道も怖くない
今回のヒントを覚えておけば、荒れた道も怖くない© Kolesky/Nikon/Red Bull Content Pool

4:重力に身を任せる

重力に逆らって後方に体を傾けたり、急ブレーキをかけたりしてはいけない。さもないと、筋肉に深刻なダメージを与えることになってしまう。また、疲労と共に体が後傾になると、体の制御が効きやすくなる反面、スピードが出せなくなる。

5:先を見てベストのライン取りをする

自分の足元の地形だけに目を配るのではなく、少し先を見て、2ストライド先に何がやって来るのかを確認するようにしたい。そうすれば、最短ラインが最速ラインとは限らない時に、複数の選択肢を得られる。若干距離が長くなっても、濡れた岩場を避けて、草の多いライン取りをした方が早いケースもある。

6:足を曲げた状態に保つ

足を伸ばしたままダウンヒルランニングをしてはいけない。足を少し曲げた方が膝の痛みやケガの原因にならないだけでなく、踏み込みにバネも生まれる。
ヒントを実践する直前の筆者
ヒントを実践する直前の筆者© Supplied

7:両腕を振る

ダウンヒルをより速く走りたいなら、両腕が重要な役割を担う。特にコーナーに差し掛かった時、バランスを取るには、両腕を横に広げて、少し風車のような動きをすること。これには絶大な効果があるので、田舎の間抜けな人のように見えることを恐れてはいけない。ピンと張られたロープ上にいる時、両腕がどのように動くのかを想像してみてほしい。ダウンヒルランニングでも、その動きを真似すればOKだ。

8:思考を停止して体を解放する(少しだけ)

ランナーは転倒、スリップ、ケガを恐れるもので、それは仕方ない。しかし、その心配ばかりをしていては、スピードが遅くなるだけだ。丘の頂上では思考を停止して、自分の足にすべてを任せたい。体が制御不可能になれば、自動的に脳が高速で思考するようになるので、その結果、次の一歩のポジショニングの判断も速くなる。

9:自分のギアを信じる

地形には岩場もあれば砂地もあり、早朝に露や霧で滑りやすくなるポイントもある。凹凸の大きい靴底のシューズを選んだら、後はそのシューズと自分の両足を信じるだけだ。
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シーダーベルク山脈で針を糸に通すようなライン取りをするライアン・サンデス
シーダーベルク山脈で針を糸に通すようなライン取りをするライアン・サンデス© Kolesky/Nikon/Red Bull Content Pool

10. 地形に慣れる

遭遇する可能性があるものすべてに備えておきたい。難しい地形を下る時は、両手と両足を使う。また、不安定な岩はランナーの足元に合わせて前に動くので、耐えるのではなく、その動きに合わせよう。濡れた岩は対処が最も難しい。濡れた岩との接地時間はできるだけ短い方が良いので、バネのような軽い足取りをキープしたい。

#ダウンヒル初心者に向けて、もうひとつのヒント

完全に初心者のダウンヒルランナーの場合は、今回紹介したヒントは無視してほしい。迷った時は小さな足取りで障害を避けて通って欲しい。こうすれば勝利はすることはできないが、死ぬこともないので、再びダウンヒルランニングに挑戦できるだろう。
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