Distance category, Red Bull Paper Wings World Final 2022
© Philipp Carl Riedl/Red Bull Content Pool
紙飛行機

【Red Bull Paper Wings World Final 2022】結果&ハイライト

日本代表も参加! 60カ国以上の紙飛行機パイロットたちがオーストリア・ザルツブルクに集まって美技を競い合ったイベントを振り返る。
Written by Trish Medalen
読み終わるまで:5分Published on
【Red Bull Paper Wings】は公式の紙飛行機世界選手権で、2022年は史上最多のパイロットたちが飛行距離飛行時間曲芸飛行の3部門に参加した。
オーストリア・ザルツブルクのハンガー7で開催された6回目のワールドファイナルに参加した各国のファイナリストたちは、世界60カ国から集まった61,000人を超える(史上最多)参加者たちの中から選ばれた。ワールドファイナルまでは、曲芸飛行部門のオンライン予選を含む500以上の予選が全世界で開催された。
飛行距離部門と飛行時間部門に参加するパイロットたちは、A4の普通紙1枚で作成された紙飛行機を使用する必要がある。一方、曲芸飛行部門ではクリエイティビティが問われる。
01

飛行距離

飛行距離のワールドファイナルでは、各パイロットに2回のチャンスが与えられ、全長70mのエプロンでセルビアのラザル・クルスティッチ(Lazar Krstić)が優勝を狙った。クルスティッチは前回の2019年に52.28mを記録して2位に入ったあと、紙飛行機と飛ばし方の調整、さらには肉体改造(筋力とパワーアップのために10kg増量)に取り組んできた。
トロフィーを掲げるラザル・クルスティッチ

トロフィーを掲げるラザル・クルスティッチ

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

この努力が実を結び、クルスティッチは1回目で57.13mを記録して飛行距離部門を圧倒。本人も優勝を確信したが、2回目でさらに距離を延ばし、61.11mを記録した。クルスティッチは優勝後、次のようにコメントした。
「絶対に優勝したいと思っていました。ハードワークを続けてきましたが、その努力が報われました。最高ですね。私は負けず嫌いですが、他の参加者との交流も好きですので、今年はこれまで以上に多くの人と交流できたので嬉しいです。また会いましょう!」
02

飛行時間

飛行時間部門では、パイロットたちがハンガー7のガラス天井へ向けて紙飛行機を投げて着地までの滞空時間を競い合った。スーパーファイナルはパキスタンのラナ・ムハマド・ウスマン・サイードが14.86秒を記録し、10年越しの悲願だった優勝を手にした。ちなみに彼はイベント前半に16.39秒を記録して、【Red Bull Paper Wings World Final】飛行時間最長記録を更新していた。
優勝を喜ぶラナ・ムハマド・ウスマン・サイード

優勝を喜ぶラナ・ムハマド・ウスマン・サイード

© Philipp Carl Riedl/Red Bull Content Pool

ラナ・ムハマド・ウスマン・サイードは優勝後に次のコメントを発表した。
「私は2012年もこのハンガー7へ招待されたのですが、準備不足で表彰台に届きませんでした。あのときから紙飛行機への興味を深め、ハードワークを重ねてきました。そして今日ついに目標を達成しました」
03

曲芸飛行

曲芸飛行(エアロバティックス)部門では、パイロットたちが60秒の持ち時間でパフォーマンスをし、ジャッジパネルがクリエイティビティ紙飛行機の飛行パフォーマンス技の熟練度から採点する。尚、音楽、コスチューム、小道具、そして複数の紙飛行機の使用が認められている。
優勝は、黒のタキシードを着こなし、マジシャンのような振り付けで、旋回したり、手元に戻ってきたり、翼が開いたりする複数の紙飛行機を使ったパフォーマンスを披露した韓国のイ・スンフン(Lee Seung Hoon)が勝ち取った。
ジャッジパネルを魅了したイ・スンフン

ジャッジパネルを魅了したイ・スンフン

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

しかし、最大のパフォーマンスは優勝後に確認された。イ・スンフンがステージ上でガールフレンドに紙飛行機を手渡してプロポーズし、ガールフレンドが目に涙を浮かべながら彼のプロポーズを受け入れたのだ。イ・スンフンは次のようにコメントした。
「私は韓国で理科を教えていて、紙飛行機をいつも使っています。紙飛行機を授業で使うようになってから7年が経過しましたが、今日は自分が世界最高の曲芸飛行パフォーマーだということを証明することができました!」
「準備には1年を費やしました。ガールフレンドにワールドファイナルへ来てもらうように頼み、今朝、優勝したらプロポーズすると伝えました。そしてすべてが上手くいきました!」
曲芸飛行部門のジャッジパネルは、自動車用トンネルを飛行機で通過したダリオ・コスタ、女子スノーボード・ビッグエアでオリンピック連覇を達成したアンナ・ガッサー、BMXレジェンドのセナド・グロシッチ、『Popular Mechanics』の編集者ジェニファー・レマンが担当した。コスタは次のように感想を述べている。
「今日は参加できて嬉しいです。誰もが知っていて、誰もが子供の頃に楽しんだことをイベント、スポーツ、競技にしてしまうのは本当に素晴らしいことだと思います。今日は、紙飛行機を作りながら空を飛ぶことを夢見ていた自分の子供時代を思い出すことができました」
04

Red Bull Paper Wings World Final 2022 最終結果

飛行距離:
  1. Lazar Krstić(セルビア): 61.11m
  2. Yicheng Sun(英国): 57.07m
  3. Abduaziz Omonillaev(ウズベキスタン):54.82m
飛行時間:
  1. Rana Muhammad Usman Saeed(パキスタン):14.86s
  2. Esteban Neira(チリ):12.99s
  3. Dimitri Dimitrev(モルドバ共和国):12.29s
曲芸飛行:
  1. Seunghoon Lee(韓国)46ポイント
  2. Seng Fatt Beh(台湾):42ポイント
  3. 木村太伊華(日本):41ポイント
▶︎世界中から発信される記事を毎週更新中! 『新着』記事はこちら>>

関連コンテンツ

Red Bull Paper Wings

Red Bull Paper Wings

1 Tour Stop

Red Bull Paper Wings World Final

Red Bull Paper Wingsに必要なのは紙1枚と参加者のスキル&閃きだけだ。

Austria