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『レッド・デッド・リデンプション2 / Red Dead Redemption 2』が2018年10月26日にリリースされたが、その直前、我々はRockstar Gamesからニューヨークのオフィスでのテストプレイに招かれた。
1899年の米国が舞台に設定されている『レッド・デッド・リデンプション2』は、Rockstar Gamesが現行機(PS4 / Xbox One)専用として開発した初めての作品だ。プレイヤーは、ダッチギャングの忠実なナンバー2、アーサー・モーガンとして広大な世界を旅することになる。
アーサーはシリーズ初登場のキャラクターだ。
前作『レッド・デッド・リデンプション』の主人公はジョン・マーストンで、プレイヤーは元ダッチギャングのマーストンを操作して、ダッチギャングのメンバーたちを狩っていくというストーリーが用意されていたが、今作は前作の12年前、つまり、前日譚となっている。
そのため、今作のダッチギャングには、ジョン、その妻アビゲイル、その息子ジャックが含まれており、前作に登場した他のキャラクターと共に、彼ら3人とインタラクトすることができる。
さて、Rockstar Gamesのこの最新作が大きな話題になっているのは知っているが、どこが魅力なのかまだ理解できていないという人もまだいるだろう。そこで、テストプレイで我々が得たインプレッションをリストアップして紹介しよう。
1:ゆっくりプレイ
オープンワールドのサンドボックスタイトルの大半は非常に広大なため、走って移動するのが当たり前だ。何よりも効率が重要になってくる。たとえば、『GTA』シリーズでは、ハイウェイを時速144km/hで飛ばすのが普通になり、歩行の平均速度もジョギング程度になる。
しかし、『レッド・デッド・リデンプション2』は1899年が舞台だ。この世界にスーパーカーのようなものは存在しない。
プレイヤーとダッチギャングの移動は襲歩より駈足が多い。また、見知らぬ土地に入った時は、走るよりも歩くことが推奨される。がむしゃらに前進して不要な注意を引いてしまう代わりに、じっくりと腰をかがめて警戒しながら移動する必要があるのだ。
『GTA V』をプレイした経験があるプレイヤーには、このゆっくりとした移動が奇妙に感じられるかもしれないが、拒否するのではなく受け容れよう。時間の流れが遅いほど、このゲームの広大な世界はその魅力を増す。時間をかけて歩き回り、観察し、ディテールの細かい表現を楽しもう。
2:シネマティックなヴィジュアル
『レッド・デッド・リデンプション2』のヴィジュアルには2つの魅力が備わっている。
ひとつ目はそのディテールで、アーサー・モーガンのジャケットに付く返り血や泥の表現の細かさに驚くはずだ。ふたつ目は映画的手法で、アングルや光量の変化など、極めてシネマティックな表現に息を呑むはずだ。
そのようなシネマティックな表現は最初のキャンプ地で確認できる。小屋の中でしばらく過ごしたあとで雪が積もっている外へ出ると、目が慣れるまで数秒画面が白くなる。このような演出はゲーム内で頻繁に使用されており、『レッド・デッド・リデンプション2』の世界のスケール感をアピールするのに役立っている。
3:最高のタイミングで流れるサウンドトラック
ダッチギャングが列車強盗のために雪原を馬で駆けていくシーンでそれは見事な音楽が流れ、ドラマティックなギターコードと笛の音が情感を高める。
まるでエンニオ・モリコーネの未発表曲のようなそのサウンドは、罪と不安に満ちた、曲がりくねった道を往く呪われた罪人たちを想起させる。
『レッド・デッド・リデンプション2』のサウンドトラックは、Bill Elmと共に前作を手がけたWoody Jacksonが担当している。
4:キャラクター主導のミッション
『レッド・デッド・リデンプション2』では、画面上でミッションを細かく表示されることが少ない。
これまでのゲームの多くは、建物が光るなど明らかな “ミッション” エリアが存在し、そこへ向かえば自動的にカットシーンが流れるようになっていた。また、マップにも重要な目標地点が点滅 / 点灯表示され、会話を無視してもミッションを進めることができた。
実は、『GTA V』ではこれらを厄介に感じるところがいくつかあった。プレイヤーが独自に判断・行動できるスペースが余りにも少なく、ナラティブビートがあらかじめ決められているように感じられるところが散見された。
一方、『レッド・デッド・リデンプション2』のミッションはコンテクストが重視されている。他のキャラクターのあとをついていったり、どこかを守れという指示に従ったりしなければならないミッションで具体的なルートが示されることはなく、自分が行かなければならない場所がピンポイントでドット表示されることもない。
このような仕様は、ナラティブにおけるサブキャラクターたちの重要度を高めている。プレイヤーは画面の表示を見る代わりに、彼らの話を聞かなければならない。
5:大量の映画へのオマージュ
『レッド・デッド・リデンプション』シリーズの全体的なトーンは、セルジオ・レオーネ監督の “ドル箱3部作” - 『荒野の用心棒』・『夕陽のガンマン』・『続・夕陽のガンマン』 − から大きなインスピレーションを受けている。
また、我々は別のクラシックウェスタン作品2本、『明日に向かって撃て!』と『許されざる者』への直接的な言及も確認している。映画ファンなら大量の元ネタ探しも楽しめるだろう。
6:リアルな髭と髪
『レッド・デッド・リデンプション2』では酒場の奥に用意されている床屋で髭や髪を整えることができるが、このようなごく普通のシステムに関しても、Rockstar Gamesはリアリズムを追求している。
『GTA V』では、理容店へ行くと現実からかけ離れた奇妙な髪型や髭を選ぶことができた。たとえば、トレバー・フィリップスは、髭がある程度剃られている髪の毛の薄い男として登場するが、長髪にして髭を蓄えさせようと思えば、その通りの姿に変えることができた。
『レッド・デッド・リデンプション2』の髪や髭は “引き算” だ。自分の好きな髪型や髭にすることができるが、それはあくまで “今ある長さでできる範囲" に留まっており、無理矢理伸ばすことはできない。自然に伸びるのを待つしかないのだ。
7:馬との親密でリアルな関係
『レッド・デッド・リデンプション2』の馬は自分専用に育てることが可能で、親密度を高めるためのいくつかの方法が用意されている。
プレイヤーはブラシで綺麗にしたり、餌を与えたり、首を撫でたりすることが可能で、このような行動を取れば馬との親密度が高まる。親密度が高まるにつれて、銃撃戦に驚かなくなったり、後ろ脚で立つなど色々な動きを覚えたりしていく。馬術を覚えさせることさえ可能だ。
しかし、一度死んでしまった馬を復活させることができない。オリジナルの『レッド・デッド・リデンプション』では、店で買った血統書付きの馬を復活させることができたが、今作ではこの仕様が削除されている。
8:道具のメンテナンス
銃から馬の鞍まで、『レッド・デッド・リデンプション2』の道具は細かいカスタマイズが可能になっている。しかし、同時にこのようなアイテムはきちんとケアする必要がある。
たとえば、銃は川を渡ったり、嵐の中を進んだりしていくうちに錆び付いてしまうので、ガンオイルを塗ったりしてメンテナンスしなければならない。このようなメンテナンス用ツールは雑貨屋などで手に入れることができる。
また、雑貨屋には恐ろしいほどディテールが細かいカタログが置いてあることにも触れておきたい。架空の企業広告もちゃんと掲載されているその中身はジャンル別にきちんと分けられており、商品を比較検討しながら選ぶことができる。
Rockstar Gamesは膨大な時間を費やして、大半のプレイヤーはそこまで気にしないかもしれないが、大ファンなら絶対に楽しめるディテールを至る所に用意している。
9:リボルバーは撃鉄を起こしてから撃つ
これは小さいが重要な部分だ。キャトルマンリボルバーのようなオートマティックではない武器は、撃つまでに2アクション必要になる。撃鉄を起こしてから撃たなければならないので、「銃を撃つ」ボタンを2回押す必要がある。
これは最初は面倒に思えるが、この時代のリボルバーはそういう銃だったのだ。このようなアクションの追加は、西部で買える銃と、ゲーム後半に登場するセミオート銃の明確な差別化にも役立っている。
10:人間関係の自由度
『レッド・デッド・リデンプション2』では出会う人間全員とインタラクトできるが、その時に取る態度をこちらで決めることができる。挨拶しても構わないが、金品を奪っても構わない。言い合いをしたり、敵対したり、長髪したり、見くびったりすることもできる。
このようなエンカウントは全てが予想不可能で、同じ態度を取っても人によって対応が異なる。たとえば、馬を奪おうとすると、諦めて速やかに渡す人がいれば、全速で逃げる人もいる。さらには撃ってくる人もいる。また、雑貨店で盗みを働くと、店主によっては、最初は許してくださいと泣きついていたにも関わらず、こちらが背中を見せた瞬間に撃ってくる。
常に自分で自分の身を守り、トラブルに巻き込まれないように注意しておこう。
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