いつだって次なるカルチャーは夜に生まれる。そしてその多くは東京・渋谷の街から。
それぞれのハコには各シーンを代表するアーティストがクレジットされており、参加者は好みとテンションのままに遊び歩く。ハシゴすればするほど夜遊びは楽しいものだ。
深夜、contactに辿り着くと、ちょうどAya Gloomyのライブがはじまる頃。アートパンク〜ノーウェイヴとエレクトロニック・ミュージックが戯れ合い、揺れ動く様子は艶かしく、そのライブのあとは一転、インダストリアル・テクノで潜っていく。
SOUND MUSEUM VISIONに移動すると般若のラップと気迫が炸裂中だ。ラストの「あの頃じゃねえ」で熱気は最高潮に達し、そのまま次のDJを呼び込む。「俺から紹介するわ。本物初めて見た、ZEEBRA!」。こういったレアな競演が見られるのもクラブならではのことだ。
DJ DIRTYKRATES a.k.a. ZEEBRAはBAD HOP「Mobb Life feat. YZERR, Benjazzy & T-Pablow」からDJをスタートさせ、日本語ラップからUSのトラップ〜ヒップホップまで横断しながらプレイしていく。
そしてclubasiaではダブステップの凶暴なほどの低音にまみれて、WOMBではドラムンベースでアッパーに踊り明かして、ふと立ち寄ったDJバーでリラックスして…と、この夜はまだまだ終わらない。
ハコの独自色はそのままに、それぞれのカラーが際立っていながら、「渋谷周遊箱乱舞」という一体感もある。そのなかで、そのときの気分にフィットする音楽と場所を探り当てるのがまたおもしろい。
こういったサーキット型のイベントでは、回っていくなかでのブレイクダウンも楽しみのひとつだ。お店に迷ったらRED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYOおすすめのカフェ&レストラン、バー、居酒屋を紹介している「渋谷で翼を生やす20のこと」も参考にしながら。
そうやって渋谷という街全体を遊び尽くす。渋谷の夜は、カルチャーの生まれていく瞬間は、そうやって続いていくのだ。