昨年からJFBF(全日本フリースタイルBMX連盟)主催の全日本大会やFISE WORLD SERIESが日本初上陸するなど、これまでにないほどの注目が集まっているBMXフリースタイル・パーク。
現在、弱冠16歳という若さながら、世界レベルの実力を持ち、シーンの熱い視線を集めている日本人がいる。それが今回の映像の主人公、
中村輪夢。
そんな彼がコンペティティブな活動とは別の角度から、とてもユニークな作品をドロップした。
【完成した映像は以下でCHECK!】
3分
中村輪夢
まだあどけなさの残る、新世代のBMXヒーロー、中村輪夢。今回は上記の動画を楽しんでいただくとともに、彼に注目すべき5つのことをご紹介したい。
中村輪夢について知っておくべき5つのこと
1.BMXという翼をさずけられた少年
中村輪夢が初めてBMXに跨ったのは3歳の時。元BMXライダーで、現在は京都市内で〈HANGOUT〉というBMXショップを経営する父・辰司さんの影響で、本当に自然に乗っていたという。以降、5歳で初めて大会に出場し、小学校の高学年になる頃には全大会のキッズクラスで優勝するなど、程なくしてその才能を開花させていく。
自転車に乗る人ならお気づきだと思うが、名前である輪夢(リム)とは自転車の車輪の部品である「リム」が由来になっている。車輪の輪と夢で輪夢。父がその名前に込めた想いからも、まさにBMXという翼をさずけられた少年であることが分かるはずだ。
2. 世界を見据えた日本の若きトップライダー
BMXの面白さにどっぷりとハマった輪夢少年は、11歳の時にプロクラスに転向。その後いきなり国内コンテストで3位に入賞するなど頭角を現していく。2015年にはBMXの本場であるアメリカで行われたRECON TOURの13〜15歳クラスにおいて優勝し、その世代の世界一に。2016年には世界中の強豪達も参戦したG-Shock Real Toughnessで優勝を飾り、日本中にインパクトを与えている。
15歳になりワールドカップなど主要大会への出場が解禁になって以降、海外大会にも積極的に参戦して技を磨く。昨年中国で行われたUCI BMX フリースタイル選手権では7位。つい先日、北欧エストニアの地で行われた世界大会SIMPLE SESSION 2018では、世界のトップライダー43人中14位と素晴らしい結果を残しているのだ。
3. 華のあるライディングスタイル
BMXフリースタイル・パークは、制限時間内にバンクと呼ばれる斜面やカーブと呼ばれる縁石など、フィールドに設置された様々な人工セクションを使って技を繰り出し、その技の難易度や完成度などを見て審判団が採点を行う。難易度の高いトリックを、いかにミスなくメイクできるかが肝となる競技だ。
では、中村輪夢の何が凄いのだろう。中村輪夢を知る数人のBMXライダーに訊いてみたが、皆口を揃えて、まず「エアーが高く、技の完成度が高い」という。エアーとはジャンプのことだが、エアーが高いということは滞空時間がその分長くなり、繰り出される技のメイク率も高くなる。中村輪夢は世界トップレベルのエアーの高さを誇っており、その分大技を次々にメイクすることができるのだ。
ちなみに今回ムービーの1分24秒あたりで披露している技は、中村輪夢の得意技の一つである「スーパーマン」。ハンドルを握ったままサドルとペダルから体を離し、その名の通りスーパーマンのように空を飛ぶようなポーズを決める大技だ。
4. 誰よりも高く、誰よりも目立つのが信条
精神力の強さも他のBMXライダーたちが認めるところ。パークを舞台に行うフリースタイルは、場所(会場)やセクションによって得意、不得意とするライダーがいるが、中村輪夢はどの会場でもしっかりと自分のパフォーマンスを発揮できる。全く知らない海外の大会に行っても結果を残せるのは、このあたりの精神力の強さも関係しているに違いない。
本人も「誰よりも高く飛び、誰よりも目立ちたい」と常々口にしている。これは怖いもの知らずな若者特有の粋がりではなく、幼少の頃より努力を重ね、スキルを磨き続けてきたという確固たるバックボーンがあるからこそ。年齢では測ることのできない“強さ”も中村輪夢の魅力の一つなのだ。
5. 好きなことを仕事にする次世代のアイコン
BMXライダーはコンペティブな結果に捕らわれがちだが、BMXの魅力はそのカルチャーの深さにもある。コンテストで勝ったり負けたりを繰り返して自身を高めていくのはもちろんだが、ただ単にそれだけではない魅力がBMXには確かにあるのだ。
中村輪夢は、ミレニアム世代の選手として、そして表現者としてそのカルチャーを牽引していける存在。つい先日も、18歳の女子高生シンガーRIRIのミュージック・ビデオに出演したことで話題となったばかり。BMXライダーが競技以外のことで話題にあがるのは、シーン全体にとってもプラスであることは間違いない。
様々な価値観が目まぐるしく変わる現代において、若者の間でも“好きなことを仕事にして生きていく”ことへの憧れは強いハズ。中村輪夢はそういった次世代ティーンエイジャーたちのアイコンとして、多くの影響を与え続けていくのではないだろうか。
【貴重なNGシーン集は以下でCHECK!】
1分
中村輪夢NG
◆Information
中村輪夢がエクストリームスポーツの祭典、FISE WORLD SERIES Hiroshima 2018に参戦!
開催日は2018年4月6日(金)~8日(日)で入場は無料、大会の詳細など最新情報は公式HPでチェック>>
中村輪夢の最新インタビュー(一問一答)は右記 【なぜ強い?】次世代トップアスリートたちが語る自分流の闘い方 -中村輪夢・編- にて公開中!