B-Girl Amiのここ1年のブレイキンシーンでの急成長ぶりはちょっと信じられないかもしれない。
B-Girl人生の転機
B-Girl Amiが世界最高の才能を持つブレイカー2人、B-Girl NarumiとB-Girl Ayumiを上回り、Red Bull BC One B-Girl World Final優勝を果たし、日本のブレイキンシーンの層の厚さと実力をあらためて示した。彼女のメールの受信箱は瞬く間に膨れあがった。
『フォーブス』からのインタビューのオファー、ファンやAmiをロールモデルとしている若きB-Girlからのメッセージ、彼女のスキルを求めている世界各地のブレイキンイベントからの招待などが次々に届くと、Amiは様々な初体験を重ねていった。
2019年、B-Girl Amiは日本で成人式を迎え、ジャッジデビューを果たし、カナダ、米国、ヨーロッパを回りながらいくつものトロフィーを手にし、さらには女子ブレイキンシーンを牽引するレジェンドたちと共にワールドツアーにも出た。そしてそのキャリアはまだ始まったばかりだ。
B-Girl Amiにとってこの1年は息をつく暇もないほど忙しかったのは間違いないが、その大きなハイプやオファーは強い意志とハードワークがもたらした相応しい結果だ。
家族の支え
B-Girl Amiの素晴らしいスキルは非常に協力的な家族によって支えられている。
B-Girl Amiがまだ今の人気を獲得していなかった頃、娘のキャリアのため、母親が深夜に車で「トップブレイカーが集まるトレーニングスポット」までの送り迎えを担当した。
実姉Ayuからヒップホップを教えてもらったあと、自分の情熱に従ってB-Girlの道へ進んだAmiは、スタジオで2人で切磋琢磨しつつ、素晴らしいメンターたちからの手ほどきも受けながら、自分のスタイルを築き上げていった。
次のバトルのために飛行機に飛び乗ったり、世界最高のブレイカーたちと共演したり、満員のスタジオでワークショップをしたりと現在多忙を極めているAmiだが、あらゆる瞬間を楽しみ、すべてのチャンスに全力で取り組むことで協力を惜しまない周囲へ恩返しをしている。
今回はB-Girl Amiをキャッチして、日本のブレイキンシーンのレベルが高い理由やクルーGood Footをレペゼンすることの重要性、多忙な生活の中で自分らしさを維持する方法などについて教えてもらった。
— あなたがブレイキンを始めた頃の日本のシーンはどうだったのでしょう?
すでに良質なシーンでしたが今ほど大きくはありませんでした。キッズレベルは特に変わったと思います。わたしが始めた頃は、若いB-BoyやB-Girlはほとんどいませんでした。
— 日本のB-Girlシーンと海外のB-Girlシーンの違いはどこにあると思いますか?
海外のB-Girlシーンは日本のシーンほど良く知らないので比較できませんが、日本のB-Girlシーンのレベルが非常に高く、日々成長しているのは確かだと思います。
— ブレイキンを始めた頃に一番苦労していたポイントは?
当時はすぐ緊張してしまいました。ですので、自分を乗り越えて、緊張しないでステージ上でベストを尽くすことに苦労していましたね。
— Red Bull BC One All Starsのメンバーとしての活動のチャレンジング部分とエキサイティングな部分を教えてください。
以前よりも色々な経験を積むチャンスを得られるようになったのがエキサイティングな部分ですね。そのようなチャンスから沢山のインスピレーションを得ることができています。
— 初代Red Bull BC One B-Girlワールドチャンピオンなど、これまでに様々なタイトルを獲得してきましたが、次の目標は?
目標は特に決めていません。これまでと同じように、いつも通り続けていくだけですね。
— 始めた頃に学んだ最大の教訓は?
ブレイキンを楽しむことと、自分でいることの重要性ですね。
— どうやってクリエイティビティを維持して、自分のダンスを進化させているのでしょうか?
色々なことからインスピレーションを得ています。そしてそのインスピレーションがモチベーションになっています。
— 移動が続いていますが、これまでに訪れた中で最もクレイジーだったロケーションはどこですか? いつか訪れたいと思っているロケーションはありますか?
これまで訪れたすべてのロケーションが新しい体験になっていますし、特別な思い出になっています。訪れたいロケーションは沢山ありますが、ひとつ選ぶなら、東南アジアをバックパッキングで回ってみたいですね。
— 日本から離れている時に何を恋しく思いますか?
家族、Ayuとの練習、あとは自分のベッドです!
— 日本にはあなたの母親と同じように子供をサポートしている親は他にもいるのでしょうか? 子供をトップブレイカーにするために親はどんなサポートをすれば良いと思いますか?
家族の関係はそれぞれ異なるので何とも言えませんね。ただ、親が子供にプレッシャーをかけすぎるのは良くないと思います。子供がブレイキンを楽しむことが非常に重要だと思います。
— 家族の話が出ましたが、実姉とのバトルはどのような気分なのでしょう?
毎回自分のベストを尽くそうとしているだけですが、正直に言うと、姉とはバトルしたくないですね!
— ソロや海外での活動で自分のクルーGood Footをレペゼンすることの重要性について教えてください。
クルーを背負っていると強くなれます。誇りに思います。自分のクルーの存在を知っている人が世界中で増えていっているのが嬉しいですね。
— プロダンサー / B-Girlになれていなかったら、何をしていたと思いますか?
ちょっと分からないですね…。母親と料理と手芸をしていたかもしれません。
— B-Girlを目指している人にアドバイスをお願いします。
自分らしく、自分がやりたいことをやって、楽しんでください!