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サッカー
サッカー:フォーメーション解説
様々なフォーメーションの中から主な5種類をピックアップして解説する。
サッカーブラジル代表のネイマールはかつて「常にベストを尽くそうとしています。ゴール、アシスト、タックルを含むすべてにおいてブラジル代表を最高の形で助けたいです。一番大事なのはチームのためにプレーすることです」と語っている。
そのネイマールは、サッカーではフォーメーションが重要なことも熟知している。システムとも呼ばれるフォーメーションとは、ピッチ上の選手の配置を意味する。攻撃的なフォーメーションはゴールを多く決めるためのもので、守備的なフォーメーションは失点を防ぎつつ、カウンターでゴールを狙うためのものだ。
現在はいくつものフォーメーションが存在しており、監督やクラブによって採用されているフォーメーションは異なる。たとえば、ニューヨーク・レッドブルズは4-2-3-1を採用するときが少なくないが、このような数字は一体何を意味しているのだろうか?
というわけで、以下に現在採用されているフォーメーションの中から人気の高い5つをピックアップして紹介しよう。
01
4-3-3
現在高い人気を誇るフォーメーションが4-3-3だ。人気が高い理由は攻守における汎用性の高さだろう。このフォーメーションは5人を攻撃に当てられるため、かなりアグレッシブな攻撃を仕掛けることができる。
サイドバック2人とセンターバック2人でゴールキーパーの前にディフェンスラインを組み、その少し前、センターバック2人の間にディフェンシブ・ミッドフィールダー(ボランチ)が位置する。そして、残り2人のミッドフィールダーは中央寄りの両サイドに配置する。フォワードはウインガーを両サイドに配置し、センターフォワードが中央で構える。
4-3-3は1960年代にブラジルで重用されるようになったフォーメーションで、ミッドフィールダー3人の守備への負担が比較的高い。ボランチではないミッドフィールダー2人がそれぞれのサイドで味方ウインガーが突破されたあとの守備を受け持ち、ディフェンスラインの前での処理を狙う。ディフェンスラインの4人はマークを受け渡しながらサイドからの突破や中央からの仕掛けに対応していく。
02
4-4-2
旧ソ連時代のディナモ・キエフを率いたことで知られるヴィクトル・マスロフ監督が4-4-2の考案者として広く知られている。最もシンプルなフォーメーションのひとつで、今も高い人気を誇る。また、攻守のバランスに優れていることも特色のひとつだ。
4-4-2は3列になっており、まず、ディフェンスラインは4-3-3と同じくセンターバック2人とサイドバック2人で構成されている。その前の2列目はミッドフィールダー4人で構成されており、アウトサイドに2人、中央に2人を配置する。そして最前線はフォワード2人で構成されている。
守備では中盤4人がディフェンスラインの前でボールを奪おうとする。カギになるのはつるべの動きで、どちらかのサイドにボールがある場合は、そのサイドに近い中央のミッドフィールダーが守備に加担し、逆サイドのアウトサイドが中央へスライドしてその穴を埋める。
ディフェンスラインにもこのルールが適用され、つるべの動きでスライドする。センターバックが積極的に前に出てボールを奪おうとするときがある一方、サイドバックが中盤の守備に加担するときもある。
03
4-3-2-1
クリスマスツリーとも呼ばれるこのフォーメーションはひと昔前に一世を風靡したフォーメーションだ。理論上は最も効果的なフォーメーションと言われており、その最大の特長は攻撃型・守備型のどちらにも対応できる万能性にある。
このフォーメーションはディフェンダー4人、ディフェンシブ・ミッドフィールダー3人、ウインガー2人、フォワード1人で構成されている。このフォーメーションではディフェンシブ・ミッドフィールダーが攻守両方を担えなければならない。
守備でのディフェンシブ・ミッドフィールダーは文字通り中盤を守り、ディフェンスラインの前で攻撃の芽を摘み取るが、攻撃では優れたパサーとなって前線3人が飛び込めるスペースを作ったり、狙ったりする。ウインガー2人は相手ディフェンスラインをアウトサイドへ引きずり出したり、サイドからクロスを上げたりしながら中央のフォワードをアシストする。
04
3-4-3
3-4-3は1970年代にイタリアで考案された。このフォーメーションはディフェンダー3人、セントラルミッドフィールダー2人、ワイドミッドフィールダー2人、ウインガー2人、フォワード1人で構成される。3-4-4と他のフォーメーションとの大きな違いは、言うまでもなく4バックではなく3バックを採用しているところだ。
ミッドフィールダー1人がディフェンスラインをカバーするバリエーションがいくつか存在するこのフォーメーションは基本的には守備よりも攻撃を重視している。ミッドフィールダー4人のパス能力と走力がカギを握っており、中盤の支配力で相手ディフェンスラインにプレッシャーをかけていく。
極論を言えば、このフォーメーションは7人で攻撃を仕掛けることが可能だ。そしてそれゆえにある程度の人気を獲得している。中央とサイドの両方に人数を割くことでボールを動かしやすくしているのも特徴のひとつだ。
05
4-5-1
4-5-1はより守備的なフォーメーションのひとつだ。ジョゼ・モウリーニョ監督は2004-2005シーズンのチェルシーでこのフォーメーションを重用し、タイトルを獲得した。センターバック2人、サイドバック2人、ウインガー2人、ミッドフィールダー3人、フォワード1人で構成されており、中盤からディフェンスラインまでの人数を増やしている。
ミッドフィールダーは3人だがウインガーがミッドフィールダーと組んで守備も担うため、サイドも中央も人数をかけて守れる。攻撃はウインガー2人が相手陣内奥深くまで切り込んでフォワードへクロスを送り込む役を担うが、そのこぼれ球を拾えるようにミッドフィールダー3人が連携して前に出る。この3人は長短のパスを自由自在に出せるパサー2人とディフェンシブ・ミッドフィールダー1人で構成されるときが多い。
06
まとめ
フォーメーションとそれぞれに与えられた役割を遂行する選手たちが見事に融合することでサッカークラブには成功がもたらされる。どのポジションもスキルと知性が求められるが、リヴァプールに所属するトレント・アレクサンダー=アーノルドは次のように語っている。
「目標は常にありますし、その目標をクリアすればさらに上の目標が設定されます。僕たちは常に向上しなければなりません。サッカーとはそういうスポーツなのです」