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男は誰しも、イケメンに憧れるもの。
「街行く女子が、皆振り返るほどのイケメンになれたら……」などという妄想をくり広げたことは、一度や二度ではないだろう。
しかし、世の女子たちが思い描くイケメン像は、時代や場所によってさまざま。イケメンを目指す男子たちは、道なき道を行くに等しい。
ならば、30年にわたって人々から愛され続けるヤツらから、ストリートで輝く秘訣を見出そうではないか。そう、『ストリートファイター』シリーズの男たちだ!
今回は、渋谷・秋葉原・巣鴨の女子、総勢100人に街頭インタビューを敢行。『ストリートファイターV』(以下、『ストV』)に登場する男性キャラクター20人から、いちばんのイケメンを選んでもらった。
リュウやケン、ガイル、ダルシム、ザンギエフなど、シリーズおなじみの顔ぶれがズラリ。もちろん、ベガやバイソンなど、悪役キャラクターも今回の投票対象だ。
また、ネカリ、ラシード、エド、是空といった、『ストV』完全新規キャラたちが、投票結果にどう絡んでくるかも要注目。
女子たちが夢想し、男子たちが理想とすべき"真のイケメン"の姿を、本稿で明らかにしていきたい。
01
■渋谷女子に問うトレンド最前線のイケメンとは!?
東京を代表する若者たちの街、渋谷。
北に、ファッションやサブカルチャーの最先端を行く、原宿・表参道エリア。南に、ハイソな雰囲気が漂う代官山・恵比寿エリアを従えたこの地は、言わば"流行のスクランブル交差点"だ。
まさに、世の若者たちが憧れるイケメン像を探るためには、うってつけの場所である。
歩道から溢れんばかりの人混みを前にして、自分の進行方向だけが、まるでモーゼが海を割るかのように開けていく。
今日に限って、渋谷の街がやけに歩きやすいことに戸惑いつつ、調査を開始した。
まず足を止めてくれたのは、"SHIBUYA 109"でショッピングを終えたばかりの、女子2名。
ふたりとも、「『ストV』は見るのも聞くのも初めて」とのことだ。
「忍者好き」だという村井さんは、是空に投票。一方、ユリアンに票を入れた田中さんは、その理由を「雰囲気が男らしい、ワイルド」と語ってくれた。
ちなみに、ふたりは海外在住の経験を持ち、そこで友達になった仲なのだとか。渋谷女子のグローバリティ、恐るべしである。
その後も順調に票を集め、続いて向かった文化村通りでは、社会人女子ペアに遭遇。
「絶対、ケンやわ」と迷いのない、あみんさんに対し、かれんさんは仮面に素顔を隠したキャラクター、バルログを選んだ。
すかさず、あみんさんから「それ、顔出してないやん!」とツッコミが入ったが、かれんさんは「パッと見でかっこいい」と、どこ吹く風。
確かにバルログは、二枚目な素顔を持つキャラ。それを仮面の上から見抜くとは……、やはり渋谷女子の前にごまかしは通用しないのか!?
日暮れを過ぎたころ、ネオン輝く渋谷に颯爽と現れたのは、国際色あふれる男女カップル。
片言の英語で話しかけてみると、「Oh、realy!? 日本語、わかるけどね!」とお茶目に応じてくれた。
「ザンギエフさんは、R.ミカ(※)の師匠!」とマニアックな知識も披露するアイさんは、ラシードに投票。
(※)R.ミカ レインボー・ミカ。『ストV』に登場する覆面レスラーの女性キャラ。ザンギエフに憧れを抱き、心の師と仰ぐ
するとボーイフレンドは、「Why!? He's useless!(なぜ!? ヤツは役立たずだ!)」と、たちまち煽り合いに。
その後も頑として譲らないアイさんは、去り際に「ラシードがいちばんセクシー!(笑)」と、あけっぴろげにひと言。
未だ、納得いかないという顔のボーイフレンドとともに、夜のセンター街へと消えていくのだった……。
結果、渋谷では合計30票を集めることができた。
バーディーやファンが「誰も投票しそうになくて、かわいそうだから」という同情票を獲得した点は、渋谷女子の多様性が見て取れる。
そして、トップに躍り出たのは、なんとバルログ。仮面の奥底に眠る、"雰囲気イケメン"を見抜くセンスはさすが。むしろ、仮面が放つミステリアス性が支持を集めたとも解釈できよう。
だがしかし、これはあくまで渋谷女子の目線。東京のストリート女子の総意とするには、いささか疑問が残る。
ハイセンスかつリアリストな彼女たちの意見を得たところで、つぎは次元の壁を超えて理想像を追いかける、あの電脳街へ。
02
■アキバ女子に問う次元を超越したイケメン像とは!?
渋谷の調査から一夜明け、つぎなる調査地は萌え文化発祥の街・秋葉原(通称・アキバ)。
近年では海外の観光客人気も高まり、つねに変化し続けるアキバだが、メインストリートの両脇を彩るキャラクター広告を見ると、どこか安心できる。
さて、日本が誇るマンガ・アニメの中で、産み落とされた二次元キャラクターたちは数知れず。それゆえ、アキバ女子たちのイケメンに対する嗅覚には期待できそうだ。
渋谷女子とはひと味違う、秋葉原のディープなイケメン観に迫っていこう。
さっそく行き会ったのは、可憐な女子4人グループ。
休日をアキバで過ごすとは、なかなかの通っぷり。
リュウやナッシュに続き、ここでついにアマゾンの野生児、ブランカにも初の得票が。
聞くとこの女子、「お父さんの対戦相手で『ストV』をよく遊ぶ」というブランカ使いだったのだ!
シリーズ30周年を迎え、世代を超えて愛される『ストリートファイター』。寒空の下に道着姿でいることも忘れさせてくれるような、心温まるエピソードに出会うことができた。
続いて興味を持ってくれたのは、はるばるオーストラリアから観光に来た男女5人グループ。
男性陣は『ストV』をよくプレイするようだが、女性陣はさっぱりの様子だ。
「He’s rumble!(ケンカ強そう!)」と口々に話すのを聞くに、イケメンとタフネスは切っても切り離せない要素なのだと痛感する。
投票キャラを見届けたオージー男性陣の眼光が、一瞬鋭さを増したのは、見間違いではないハズ。日本男子を代表し、健闘を祈りたい。
さらに、AKBカフェやガンダムカフェが立ち並ぶ秋葉原駅の電気街口では、バイト帰りの女子大生ペアにも直撃。
ケンに投票したみあんさんは、「なんとなく強そうだから」。ナッシュに入れたみれいさんは、「髪型がかっこいい」と、その理由を語る。
「アキバだけど、メイドじゃないノーマルのカフェ」勤務というおふたり。"染まらない女子"には、どこか凛とした美しさが漂っていた。
こうして、35票が集まった秋葉原での傾向を見ていこう。
渋谷で人気だったバルログは、ややブレーキ気味。そこにナッシュが僅差で並ぶ。ブランカに待望の得票が生まれたのも喜ばしい。
対して、秋葉原で大きく票数を伸ばしたのはリュウ。意外にも硬派なチョイスに、「凛々しい日本男児は、もはや三次元から絶滅したのよ!」という、アキバ女子の悲痛な叫びが聞こえてくるようだ。
さらには現時点で、渋谷と秋葉原の票を合計すると、奇しくもバルログとリュウが15票で並ぶ接戦に!
元祖イケメンのバルログか、元祖ストリートファイターのリュウか。掴みかけては離れていく、東京女子のイケメン像。
"真のイケメン"を巡る争いに、もはやこれ以上の決着は望めないのか……?
諦めかけたそのとき、脳裏を過ぎったのは、"東京のご意見番"たちが住まうあの地だった。
03
■巣鴨女子に問う真のイケメンとは!?
今回の調査を締めくくるのは、下町情緒あふれる街・巣鴨。
人生酸いも甘いも噛み分けた巣鴨女子たちならば、この"真のイケメン"争いにも必ずや白黒付けてくれるハズだ。
しかし、恐らく『ストV』の認知度は、3地域中で最低だと容易に想像できる。ひょっとしたら、誰にも相手にされないかも……?
そんな不安とは裏腹、この不審な道着男に対しても、心なしか巣鴨女子たちの眼差しは温かい。やはり、人生の先輩方は懐の広さが違うのだ。
さて、巣鴨でまず印象的だったのは、笑顔が弾けるママ友5人グループ。
イケメンというワードを見るなり女子トークに花を咲かせつつ、投票に応じてくれた。
なんでも、ケンのキリッとした目鼻立ちと、財閥の御曹司というプロフィールにときめいたとか。
ママさんたちからは「『ツムツム』ならやるんだけど、こういう格闘系は息子しか(笑)」と、言葉尻にゲームに対する理解度の高さも伺うことができた。
身近な大人がゲームを遊んでくれている。そんな些細なことでも、子どもにとってはうれしいものだ。
続いて、道すがら前のめりな反応を示してくれたのは、焼き鳥屋台のあやさん。
理由については、「ワイルドさ。好きなものが"己の利益"ってところもヤバイ」と歯切れのいいコメントが。
おかげ様でかなりの票数が集まり、そろそろ巣鴨での調査も締めくくりかというところ。
30年以上続く婦人衣料店"サン・まつみや"を営む、尾崎さんにも投票してもらうことができた。今回の調査で最年長、72歳の巣鴨女子だ。
尾崎さんは「ゲームなんて世代じゃないでしょう?」と笑いながらも、ケンに1票。
さらに筆者が「最近では、ゲームの世界大会なんかも頻繁に開かれるんです」と伝えると、尾崎さんからは「そういえば、このあいだテレビでやっていたかしらね」と、うれしいひと言も。
かくして、巣鴨女子35人が選ぶイケメンキャラクターが出揃った。
首位に輝いたのはバルログ。渋谷に続き、この巣鴨でも10票獲得したところを見ると、もはや別格と言わざるをえない。
また、ケンやリュウといった日本人には親しみやすい顔ぶれも、「男前」と人気を集めた。
さらに、貴重なダルシム使いの女子に出会えたことで、ダルシムが0票組から脱出。こと、イケメン争いではきびしいと思われが、幸運も味方したか。
さて、女子界のレジェンド・巣鴨女子のご意見も交えたところで、最後は渋谷・秋葉原・巣鴨の投票をまとめた、集計結果をご覧に入れよう。
栄えある"真のイケメン"の称号は、誰の手に渡ったのか……!?
04
■東京の女子が選ぶ"真のイケメン"が明らかに!
"真のイケメン"の座を手にしたのは、地域・年代問わず、幅広い女子からの支持を得た仮面の男・バルログとなった。
バルログを支持する理由として、多く挙がったのは「チラリと見える目が好き」、「雰囲気でイケメンだとわかる」というワード。仮面とは裏腹、ごまかしが利かない女子たちの審美眼には、驚愕せざるを得ない。
2位以下にはリュウ、ケンと端正な顔立ちが続く一方、ユリアンや是空といったダンディなキャラクターたちの躍進も興味深い。
対して、0票に終わったキャラクターたちは、ことごとく悪人面が並ぶ。ヤンキーや"ちょいワル"がモテはやされたのも、いまや昔。
これからの時代、イケメンになりたくば――仮面を着けろ!
それは、決して"臭いものにはフタをしろ"という意味ではない。「隠してもにじみ出るほど己を磨き上げ、なお謙虚に生きよ」という、東京女子たちからのメッセージである!
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