A screenshot from The Crew Motorfest showing the Oracle Red Bull Racing RB18 in the game.
© Ubisoft
ゲーム

『ザ クルー:モーターフェス』:特徴と魅力

レッドブル・レーシングのF1マシンRB18を含む多種多様なクルマでハワイ・オアフ島を自由自在に爆走できる最新レーシングゲームの特徴と魅力は? テストプレイの感想をチェック!
Written by Stephen Farrelly
読み終わるまで:9分Published on
レーシングゲーム(多種多様な車両が登場する作品では特に)はハンドリングがすべてだ。
クラシックなマッスルカーから最新のEVスポーツカーまで、それぞれがユニークな操作性を備えていなければならない。なぜなら、これができなければ、プレイヤーのスキルと順応性にアピールできないからだ。
ユービーアイソフトとユービーアイソフト・アイボリータワーが手がける『ザ クルー:モーターフェス』はこの点において非常に優れている。こう断言できるのは私たちがテストプレイをしたからだ。しかも、マックス・フェルスタッペンが駆るF1マシンのハンドリングも試すことができた。というわけで、早速感想を述べていこう!
01

オープンワールド・レーシングゲームの最高峰

『ザ クルー:モーターフェス』と『ザ クルー』および『ザ クルー2』との最大の違いはロケーションが限定されているところにある。
今作はハワイ・オアフ島のみが舞台で、独特の生態系と様々なチャレンジが用意されている完全なオープンワールドになっている。そのオアフ島は非常に美しく仕上がっているが、さらに、今作の開発チームはクルマだけにフォーカスする代わりにカーカルチャー全体にフォーカスしようとしている。
シリーズのDNAを引き継ぎながらさらに進化させることが開発初期の狙いでした」とシニアクリエイティブディレクターのStephane Beleyは今作のタイトルをシンプルに『ザ クルー 3』としなかった理由について説明している。「私たちはカーカルチャーを取り巻くすべてを取り込んだより大きな作品を作りたかったのです」
『ザ クルー:モーターフェス』には【PLAYLIST / プレイリスト】と呼ばれる様々なカーカルチャーを取り上げたテーマとチャレンジが用意されており、ここにはオフロードクラシックカー日本風のストリートレース、そしてマックス・フェルスタッペンが駆るオラクル・レッドブル・レーシングRB18がドライブできるハイパフォーマンスなプロレースなどが含まれている。
マックス・フェルスタッペンがVRの世界に飛び込んだ動画をチェック!

7分

【ベルギー】ゲームの世界でVRドライブ

ベルギーGPの準備を進めるマックス・フェルスタッペンが、VRゲームで多彩なゲストたちと様々なチャレンジに挑む。

ゲーム内世界はひとつの大きなオープンワールドになっており、プレイヤーはほぼ完全に自由なドライブを楽しめるが、【PLAYLIST】はそれぞれ特定のカーカルチャーにフォーカスしており、プレイヤーは用意されている様々なレースに参加して報酬を得ていくことになる。
一方で、各【PLAYLIST】は巨大な移動式カーフェスティバルという設定の “モーターフェス” に関連するストーリーでお互いに結びついているため、単発のモードを次から次へプレイしている感覚に陥ることはない。
スタート直後は『Forza Horizon』との類似性が気になるが、数分もプレイすればオープンワールドレーシングゲームとして独自のゲーミングエクスペリエンスを提供できていることが理解できるはずだ。
今作はハワイ・オアフ島が舞台

今作はハワイ・オアフ島が舞台

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02

【PLAYLIST】をプレイ

フェルスタッペンをワールドチャンピオンに導いたRB18をドライブするためには、モータースポーツの【PLAYLIST】をプレイする必要がある。この【PLAYLIST】ではF1マシンに乗り込み、高低差やコーナー数、チャレンジなどが異なる複数のレースに参戦することになる。
『ザ クルー:モーターフェス』はすべてが “オリジナル” のため、アルバート・パーク・サーキットのような実在するサーキットを走行することはないが、開発チームはハワイのユニークな地形を上手く活用したサーキットやステージを用意しており、この素晴らしいアプローチはすべての【PLAYLIST】で確認できる。
しかし、私たちが最も感心したのは、【PLAYLIST】ごと、カーカルチャーごとにレースのスタイルが調整されているところだった。
たとえば、モータースポーツの【PLAYLIST】にはニトロブーストがなく、タイヤのマネージメントが必要になる。これらを些細な部分に思う人もいるはずで、『ザ クルー:モーターフェス』が全体的にシミュレーションよりもアーケードなレーシングゲームであることに変わりはないが、レース感を高めてくれる要素のひとつだ(他にもスリップストリームブレーキングなども用意されている)。
タイヤ交換は3周のうちに1回ピットインするだけだが、ピットインが遅すぎればグリップを失い、マシンのテールエンドが振り回される。また逆に早すぎれば後半にトラブルを抱えてしまう。それではちょうど真ん中で交換すれば良いのではないかと思えるが、今度はポジションを落とし、残りのレースがひたすらライバルたちを追いかける展開になる可能性がある。
『ザ クルー:モーターフェス』には、各【PLAYLIST】にユニークなリスク&リワードシステムが用意されている。また、難易度設定も用意されており、様々なスキルレベルやプレイヤータイプにも対応している。
「各【PLAYLIST】にはユニークなエクスペリエンスが用意されています」とBeleyが説明する。「ローンチ時には15種類の【PLAYLIST】が収録される予定です。ローンチからここまで多様なエクスペリエンスを提供できることはこのシリーズにおける真の革新と言えますね」
数百台のクルマをドライブできる

数百台のクルマをドライブできる

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03

日本の影響

私たちはテストプレイの大半でF1マシンのステアリングを握っていたが、他の【PLAYLIST】もいくつかプレイした。その中でカーカルチャー的に特に私たちの興味を引いたのが、日本のストリートレースにインスパイアされた【PLAYLIST】だった。
この【PLAYLIST】ではアンダーグラウンドなストリートレースのためにカスタムチューニングされたマシンに乗り込み、ニトロブーストを使用したドライブができる。このニトロも “リスク&リワード” だ。
なぜなら、ニトロは使用後にクールダウンが必要で、しかも他のドライバーたちも所有しているからだ。つまり、AIを含むドライバー全員の条件は同じなのだ。
また、ストリートレース用のマシンはグリップとスピードに優れているF1マシンとは大きく異なり、車体が重く、ブースト性能を備えていて、古き良きドリフトができるのだが、このような特徴すべてがハイクオリティな物理演算を活用している。しかし、この【PLAYLIST】で何よりも重要なのは、ストーリーの全容がより深く理解できるようになるところだ。
また、夜間に開催されるこの【PLAYLIST】のレースは、『ザ クルー:モーターフェス』のアートディレクションのクオリティが良く分かる例のひとつだ。
ネオンに照らされたレーストラックと丁度良いスケール、そして完全再現されているように思える世界観によって、『ザ クルー:モーターフェス』本編から孤立している感覚がまったくなかったのは非常に好印象だった。
さらに、プレイを通じて常に自分が学習し、進化している感覚も得られる。つまり、【PLAYLIST】はカーカルチャーを上手く紹介している上に、ゲームとして非常に重要な部分もカバーできているのだ。
完全なオープンワールドになっている

完全なオープンワールドになっている

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04

ハワイ

『ザ クルー:モーターフェス』はイントロを通じて、収録されているあらゆるクルマ路面生態系を確認したり、ゲーム全体がどのように進んでいくのかを学んだりできるようになっている。
【PLAYLIST】は素晴らしいが、この作品はオープンワールドだ。そしてこのジャンルの必須条件があるとするなら、それは「プレイヤーがやれることを常に提供できること」だ。
「オアフ島にはかなり時間をかけましたので、アクティビティのディテールと奥深さは相当ですね」とBeleyが説明する。「探索ができれば、レースもできます。ありとあらゆるストーリーミッションもありますし、プレイヤーに合わせた【PLAYLIST】も用意されます」
「アクティビティは色々用意してあります。たとえば、ドライブするだけでいくつものアイテムを発見できますし、写真撮影も楽しめます。レースが好きなプレイヤーはどんどんレースに参加して、様々なリーダーボードで競い合うことができます。プレイヤーができることは山ほどありますね」
「今作のゲーム内世界は様々な方法で楽しめます。30秒ごとに何かしらのアクティビティをプレイできるようになっていて、チャレンジや【PLAYLIST】も豊富に収録されています。フレンドと一緒にプレイしていても、競い合っていても、そのときにプレイしている【PLAYLIST】に合わせてすべてが調整されるようになっています」
オフロードレースも見逃せない

オフロードレースも見逃せない

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05

『ザ クルー 2』からのデータ移行

『ザ クルー:モーターフェス』で最もクールな機能のひとつが、『ザ クルー 2』を熱心にプレイして集めたカーコレクションをこの作品に持ち込める機能だろう。
『ザ クルー 2』で集めたすべてのクルマが『ザ クルー:モーターフェス』に移行できるため、お気に入りのクルマに乗ってオアフ島生活をスタートできる。さらに、そのどれもが一新された物理演算とドライビングモデルに対応できるように調整されている。つまり、これまでのお気に入りも今作では挙動が異なるのだ。
Beleyは次のように語っている。
「このデータ移行はかなり大がかりな作業でしたね。すべてのデータに互換性を持たせて、2作品で問題なく機能させる必要がありました。600台以上のクルマとあらゆるカスタマイズやリバリーに互換性を持たせました」
「すべてのパーツがどちらの作品でも機能するように調整したので、テック、アート、デザインチームにとっては相当な量の仕事になりましたし、しかも同時に進めていく必要もありました」
「また、前作のすべてのクルマのハンドリングを向上させました。500台以上がアップデートされています」
『ザ クルー:モーターフェス』は2023年9月14日にPS4・PS5・PC・Xbox One・Xbox Series X|Sでリリース予定。
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F1チームであるレッドブル・レーシングは、これまでF1マシン、そしてドライバーたちと共に世界中の様々な都市を巡ってきた。今までの彼らの軌跡、そして素晴らしい景色の中を駆ける高速マシンでの旅をご堪能あれ。

3 シーズン · エピソード12
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