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『ゼルダの伝説』シリーズのふしぎ

リンクの住む世界にはふしぎの木の実ではなく、ふしぎな話が詰まっている…。
Written by Chris Scullion
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最新作『ブレス オブ ザ ワイルド』のリンク

© Nintendo

我々と同じように今も『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をひたすらプレイしている人は多いだろう。この任天堂の最新作が素晴らしい作品であることに間違いはないが、プレイをしていると、これまで正式な回答が示されてこなかったいくつかの疑問が頭に浮かんでくる。
むしろ、『ゼルダの伝説』シリーズには、誰も答えを知らない未解決のミステリーが数多く存在するのだ。
そこで今回は、『ゼルダの伝説』シリーズに潜む9つのふしぎをリストアップしてみた。任天堂が回答を示してくれることに期待したい。

1:『ブレス オブ ザ ワイルド』の時系列上の位置は?

『ゼルダの伝説』シリーズの時系列について詳しくない人に向けて一応説明しておくが、このシリーズの時系列は映画『マトリックス』シリーズのように入り組んでおり、理解するのが難しい。しかし、数年前に任天堂が公式ガイドブック『ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説大全』の中で時系列を公開し、各ゲームがどこに位置するのかを説明した。
しかし、『ブレス オブ ザ ワイルド』はその中に含まれていないため、このゲームが時系列上のどこに位置するのかについてはさっぱり分からない。プロデューサーの青沼英二は「『時のオカリナ』のあと」とだけ回答している。しかし、『時のオカリナ』のあとは時系列が3つに別れているため、『ブレス オブ ザ ワイルド』がそのどれに紐付けられているのかは分からないままだ。
情報が矛盾しているため、ファンの力だけでは答えを導き出せない。たとえば、『ブレス オブ ザ ワイルド』に登場するコキリ族は『風のタクト』に登場したキャラクターだが、この作品の時系列上に位置するとなると、新ハイラルが建国されているので、『ブレス オブ ザ ワイルド』に時の神殿が存在するのはおかしい。我々は混乱している…。

2:ポケットの中にはリンゴがいくつ?

 

アイテム盛り沢山!

© Nintendo

「あなたのバッグにはリンゴが3個しか入りませんが、Aさんからリンゴを5個もらいました。Aさんに返すリンゴの数は何個ですか?」というような算数の問題を見かけたことがあるだろう。ちなみに、この問題をリンクに解かせると答えは次のようになる。「答え:設問がおかしいと思います。リンゴはいくらでも持てるはずです」
『ゼルダの伝説』シリーズのインベントリシステムは以前から意味不明だったが、『ブレス オブ ザ ワイルド』にもその意味不明ぶりは引き継がれている。リンクはどうやって、そしてどこに、スーパーマーケットが開けるくらい大量のフルーツ、野菜、肉、池ひとつ分の魚、そして「服屋かよ!」と突っ込みたくなるほど大量の服をしまいこんでいるのだろうか?
そのくせ、リンクが持ち歩ける盾と矢の数は限られている。「さて、70個目の肉をゲットしたぞと… あとは… うわ、木の矢すか…。ちょっと入らないな~」と考えるリンクはどうにもおかしい。
もちろん、我々はこのようなインベントリシステムが『ゼルダの伝説』シリーズ固有ではないことは理解している。また、個数限定よりは個数無限のインベントリの方が有り難いのも確かだ。しかし、リンクのポケットが不思議なことに変わりはない。

3:トイレの手は誰のもの?

 

トイレの手は誰のもの?

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『ムジュラの仮面』、『ふしぎの木の実』、『スカイウォードソード』の3作品には奇妙なサイドクエストが存在する。
トイレの中からニュッと手が出てきて、トイレットペーパーを持ってくるように頼んでくるのだ。しかし、その手の持ち主は「???」と表記されるだけだ。
トイレの暗闇に潜んでいるので確認が取りづらく「???」と表記されるのは当然なのかも知れないが、果たして一体誰なのだろうか? トイレに落ちたのか、それともトイレに住んでいるのか…? また、トイレットペーパーはトイレの “中” では大して役に立たないはずだ。
宮本茂は、このキャラクターはトイレの手の怪談がベースになっているとインタビューで回答しているが、誰の手なのかについては明らかにされていない。

4:ゴシップストーンはどこから来たのか?

 

ゴシップストーンはどこから来たのか?

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ゴシップストーンは『ゼルダの伝説』シリーズ5作品に登場するが、毎回教えてくれる情報が異なる。時間を教えてくれる時があれば、ヒントを教えてくれる時もあり、アイテムを渡してくれる時もある。
『時のオカリナ』のゴシップストーンは、どう触れるかでも行動が異なってくる。爆弾で爆破すれば青く光ってロケットのように空に舞い上がるが、ディンの炎を見せれば回転する。
そのようなゴシップストーンがいわゆる普通の石ではなく、ある種の魔力を備えており、話もできることは誰もが知っているが、これらがどこから来たのかは誰も知らない。その大半にはシーカー族の紋章が刻まれているため、シーカー族が置いた可能性は高いが、明らかにされていない部分が多い。

5:リンクの母親は誰?

 

リンクの母親は誰?

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『時のオカリナ』の森の神殿でファントムガノンを倒すと、デクの樹の亡骸の前で彼の子供が生まれ、リンクに彼の過去や、戦火から深手を負って逃げてきたリンクの母親がデクの樹にリンクを託したことなどを説明する。
ということは、リンクには母親がいたということになるわけだが、その母親に関するストーリーはどうなっているのだろう? リンクの父親は? 母親はリンクを託したあとどうなったのだろうか? 戦争があったのは知っているが、母親の命を奪った張本人は誰なのだろうか?
ここまで考えると、今度は他の作品に登場するリンクに関する疑問が生まれてくる。それぞれの母親は? 『風のタクト』にはリンクの妹とおばあちゃんもするが、両親について一切触れられていないのはなぜ? ハイラルにDNAテストがあれば解決できるのだが…。

6:ダークリンクは何者なのか?

 

みんなのトラウマ、ダークリンク

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“リンクの影” ことダークリンクは『リンクの冒険』のラスボスとして1987年に初登場を記録したが、それから30年の長い歴史の中で何回か再登場を果たしている。『時のオカリナ』の水の神殿の中ボスとして登場したダークリンクは、その中でも特に有名(と書いてトラウマと読む)だ。
しかし、その正体は? もちろん、彼はリンクの影であり、善ではなく悪のリンクだということは知っている。そして、自分と同じ能力を備えている彼を倒すためには、己の強さと弱さを自覚しなければならないという設定も理解している。
しかし、彼はどこからともなく突然姿を現す。リンクが生み出す霊体なのだろうか? それともガノンの魔法なのだろうか? 回答が示されることはなさそうだ…。

7:テリーはテレポートできるのか?

 

テリーは時を止められるという説も…

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『ブレス オブ ザ ワイルド』の広大な世界を歩き回っていると、『ゼルダの伝説』シリーズお馴染みの商人(そして人気者)テリーに出会う。
しかし、ひとつ疑問がある。テリーと出会ったあと、馬にまたがり全力でハイラルを駆け回ると、その先にまたテリーがいるのだ。テリーは足で移動しているはずなのになぜ?
『風のタクト』のテリーも同じだ。この作品のテリーは島に船を停めて営業しているのだが、リンクが上昇気流を使って瞬間移動しても、その先にはのほほんと営業をしているテリーが待っている。
テリーはテレポートができるのだろうか? それとも2人以上いるのだろうか? テリーが複数存在するというのはちょっと不気味な話だ。

8:ゴロン族はなぜ続いているのか?

 

男しかいないゴロ

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『時のオカリナ』で初登場したゲルド族は女性で構成されているため(王を除く)、どうやって生き延びてきたのだろうか? という疑問が生まれる。
しかし、『時のオカリナ』のゴシップストーンがこの疑問に次のような回答を示している。「ゲルド族は時々ハイラルの街にボーイハントに来るらしい」のだ。保健体育を学んだ人ならあとは説明しなくても理解できるだろう。
しかし、ここで問題になってくるのがゴロン族だ。ゴロン族は男性だけで構成されているのだ。果たして彼らはどうやって生き延びてきたのだろうか?
彼らがゲルド族のように “ハンティング” をするわけにもいかない。なぜなら、彼らは人型の種族ではないので、人型の種族をお持ち帰りしたとしても、生まれてくる子供はハーフになるはずだからだ。
この謎については深く考えない方が良さそうだ…。

9:マロンは隠れマッチョ?

 

ちょ、どうやって入った?

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『時のオカリナ』の大人リンクは、愛馬エポナにまたがってロンロン牧場で障害物レースを楽しむことができるが、設定されているタイムを上回ることができれば、賞品として牛がリンクの家に届けられる。
ここで引っかかるのは、マロンが牛をリンクの “家の中” まで運び込んでいるという点だ。なにしろリンクの家はコキリの森の木の上にあるのだ…。
どうやってマロンが牛1頭を森まで連れていき、しかも木の上まで運んでいるのか、知っている人がいれば是非とも教えてもらいたい。
また、リンクが牛をいらないと思った時にどうやって家から出しているのかも知っている人がいたら、こちらも是非とも教えてもらいたい。
プレゼントによっては迷惑なものもあるのだ。